製品版発売は2013年夏を予定―吉田プロデューサーが体を張ったニコニコ超会議2の「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」ステージレポート

スクウェア・エニックスは4月27日、千葉・幕張メッセにて開催されている「ニコニコ超会議2」の日本マイクロソフトブースにて、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のステージイベントを実施した。ここでは、1日目の模様をお届けする。

「ニコニコ超会議2」1日目のイベントでは、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏が、ゲーム内に登場する種族・ミコッテのメイクをする(させられる)「ミコッテメイクしてみた!」ステージをはじめ、普段はYoutube Liveで放送している「プロデューサーレターLIVE」の出張版、声優の中村悠一さんと立花慎之介さんを招いてのトークなどが行われた。

「ミコッテメイクしてみた!」ステージ

本ステージでは、“もっちー”こと望月一善氏による進行のもと、吉田氏にミコッテのサンシーカー男性のメイクが施された。割りと本気で嫌がる吉田氏だったが、来場者やニコニコ生放送の視聴者の期待を裏切ることはできず、しぶしぶメイクを受ける席についていた。

ブース内では来場者もミコッテメイクをしてもらうことができたが、
吉田氏のメイクはその上を行く本気度で、ファンデーションなどを使った徹底ぶり。

吉田氏がメイクを受けている間には、望月氏によってミコッテの設定に関する解説が行われた。ミコッテはもともと狩猟民族であり、狩った獲物の血で化粧をしていたが、その文化が戦化粧へと変わっていき自分好みの化粧をするようになったという。ミコッテ男性の目の周りにある独特の模様は男性的なシンボルになっており、生まれながらに模様が薄い人は、化粧で濃くすることもあるとのこと。

望月氏はこうしたトークを挟みつつ、メイクが終わった吉田氏の前にミコッテのカツラを持ち出すという追い打ちをかける。「やだよ、やらないよ!」という吉田氏に対し、カツラをかぶるかどうか、番組視聴者にアンケートが取られた。普通にやっても結果がどうなるかは容易に想像できるが、そこでも「かぶらせる」「かぶるでしょ」「かぶりたいはず」といった、どれを取ってもかぶることになる、逃げ場のない選択肢が9つ用意されていた。

望月一善氏(左)と吉田直樹氏(右)
「押すな押すなじゃなくて、やめよう。お願い!」と本気で吉田氏が視聴者に頼み込むも、結果はご覧の通り。

カツラをかぶった後は、色違いながら尻尾も付けることになり、無事に(?)ミコッテ姿の吉田氏が完成した。ここまで散々な扱いをされ、コーナーの締めまで任された吉田氏は「こんな体を張りながらゲームを売ろうとしているので、ゲームの発売も楽しみにお待ちいただけたらと思います」とコメントしていた。

種族衣装はひとつしかなく、すでにコンパニオンさんが着ていたため、見逃された。
かと思いきや、観光地にあるようなパネルに顔を出すことに…。ちなみに初日は、この姿のまま一日を過ごしていた。

「種族装備をプロデューサーが語る」ステージ

続いて「種族装備をプロデューサーが語る」ステージでは、吉田氏からなぜ種族装備が作られたのかや、そのこだわりが語られた。まず種族装備が作られた経緯については、「ファイナルファンタジーXIV」はオンラインゲームであるため、コスチューム(装備)が次々と変わっていき、例えば「ミコッテと言えばこの格好だよね」といった代表的なイメージがなかったのがひとつの理由だという。「新生FFXIV」のタイミングで、各種族に初期装備を用意することで、多くの人に認知してもらうことが狙いとしてあったようだ。

また、もうひとつの理由として、コスプレのしやすさもあるという。オンラインゲームではどのキャラクターの、どの衣装でコスプレをするのかが悩みどころとなってしまうため、コスプレにチャレンジしてもらえるように、現実的に作れそうなものを考えてデザインしたとのこと。

この後は、ステージ上に6人のコスプレイヤーが登壇し、それぞれの種族装備についてコメントしていった。

各種族に対する吉田氏のコメント

ヒューラン女性

現実世界の人間に近い、ベーシックなキャラクターです。「旧FFXIV」では地味と言われて選択してもらいにくかったので、綺麗なキャラクターだけではなく、可愛いキャラクターも作れるように、こだわってデザインしてもらいました。

ミコッテ女性

ミコッテオンラインと言われるぐらいミコッテの使用率が高いです。ミコッテの初期装備をデザインするにあたって、ミコッテが最大勢力になるよう、あざとくしてほしいと話をしました。後は、多少露出が高くても、元気なキャラクターになるようにしてもらいました。ほかの種族とのバランスを取るとかではなく、もともと可愛いので使用率はトップにいくと思いますし、それはそれでいいと思い進めました。

ミコッテ男性

「旧FFXIV」にはいなかった種族で、ようやく男性も揃いました。「ファイナルファンタジー」らしい美形を真っ直ぐ突っ走ったキャラクターにしつつ、耳と尻尾を付けるだけではなく、戦化粧をして獣っぽさをキッチリ出すようにしています。ちょっと生意気なぐらいがいいよね、という話もしていて、モーションにも猫っぽいものを入れるようにこだわっています。

ララフェル女性

ララフェルは海外でも人気が高いです。すごく可愛いですし、小さいキャラクターですが、あまり人形っぽくなり過ぎないように話をしました。冒険に使うポーチなどは、冒険者であることを忘れないようにデザインしたのですが、コスプレしたら思いのほか可愛くなりました(笑)。

エレゼン女性

立ち姿を見て分かるように、スーパーモデルをキーワードにしました。黒を基調に、レザーで光沢があり、タイトであることまでお願いして作画に入ってもらいました。後は尖ったイメージを出すことで、ちょっと取っつきにくい、クールなキャラクターを目指しました。

ルガディン女性

実は僕のすごいお気に入りなんですけど、ルガディン女性も「旧FFXIV」にはいない種族でした。ルガディン男性はごついキャラで、その女性を作るとなると、日本のゲーム市場だとデザイン的に難しくて敬遠されがちでしたけど、やっぱり全種族で男女が揃っていないのはありえないと話をして、改めて作ることになりました。

強いだけでなく、女性のカッコよさがちゃんと出るようにお願いしたのですが、実は開発中に一度体型が変わっています。今は素晴らしいボディバランスですが、最初はくびれがなく、ララフェルと並べると、娘を連れて買い物に行くお母さんのようで、しばらく開発チーム内でも“お母さん”と呼ばれていました。

終盤になってもう一度デザインを変更することになり、今の形に落ち着きました。強さだけでなく、デザインも露出が高めだったり、胸元が強調されたりと、女性らしいキャラクターも作れますし、綺麗な女性も作れるようにしています。使いこなすのは難しいかもしれませんが、カスタムし甲斐のあるキャラクターになっています。

「中村悠一・立花慎之介スペシャルトークショー」ステージ

中村悠一さんと立花慎之介さんを招いてのトークショーは、望月氏だけでなく、「新生FFXIV」サウンドディレクターの祖堅正慶氏も加わり4人での進行となった。

まず最初のトークテーマは、「ファイナルファンタジー」シリーズに対する想いについて。中村さんは小さい頃からプレイしていたゲームと関われるようになって感慨深いと話し始め、「昔はあまりにもゲームが好きで、中学生の時に声優、格闘家、ゲームを作るのどの職業に就くで迷っていました」と、当時の思い出話に花を咲かせた。

その中から声優を選ぶことになったきっかけについては、「当時のスクウェアは大卒が条件で、格闘技で海外選手と渡り合うためには身長がちょっと足りない。そこまでの視野で見ていたので、じゃあ声優かな」とコメント。ほかの登壇者からは「消去法とかやめてくださいよ(笑)」と突っ込まれつつも、意外なエピソードで会場を盛り上げた。

同じくゲームが大好きで、小学生の頃はゲームデザイナーになりたいと思っていた立花さんは、「ファイナルファンタジー」シリーズについて「VIII」と「X」が特に好きだという。「『VIII』はリノア派なんですけど」と言うと、隣に座る中村さんから「マジっすか!?好きにな~る、みたいなことするんですよ?」とからかわれるも、「いいじゃないですか!」と胸を張り、自分の好みを語っていた。

(写真左から)望月一善氏、祖堅正慶氏、立花慎之介さん、中村悠一さん。

なお、立花さんはスクウェア時代にデバッガーとしてアルバイトをしていたこともあるという。「新生FFXIV」に出演が決まり、音声収録に向かった現場で、当時アルバイトを管理していたスタッフが現在「新生FFXIV」の宣伝を担当している人と同一人物であることを知ったのだとか。

収録現場でのエピソードでは、中村さんも「ゲームを作り直していると聞いていましたが、どこまで作り直しているのか分からなかったんです」と、新たな話題を展開。個人的に応募した「新生FFXIV」のβテストで実際にゲームをプレイしてみて、音楽まで作り直していることに驚いたという。

続いて、普段ゲームをプレイする際に選択する、キャラクターの性別についても話が行われた。立花さんは「僕は女性キャラしか作りません!」と宣言。と言うのも、コスチュームを変更できたりするゲームだと、男性キャラよりも女性キャラクターの方が、デザイン性の高いものが多いためだという。そのため、女性キャラクターを作り、衣装の組み合わせで遊んだりと、見て楽しむことも多いとのこと。

一方の中村さんは、かつては男性キャラクターばかり使っていたが、「ファイナルファンタジーXI」以降は女性キャラクターを選ぶようになったという。その理由については「『FFXI』ではエルヴァーンの男でプレイしていたんですが、ヴァナディールという地はエルヴァーンの男に冷たいんです」と話す。パーティーを組もうと思っても断られることさえあったようだが、「新生FFXIV」ではミコッテ女性を使っており、「ちやほやされるんですよね」と、その違いを語った。

また、自身のプレイスタイルについては、立花さんが「回復するだけでありがとうって言ってもらえるじゃないですか」という理由から、ヒーラーをやることが多いと話す。同じ理由から、中村さんもヒーラーをやりたいと思ったようだが、「FFXI」の時にヒーラーをやっていたら寝落ちしてしまったことがあるという。そのため、「アタッカーの方が性に合っているのかな」と感想を述べた。

ゲームについてさまざまなトークを繰り広げた後は、中村さんと立花さんが演じたキャラクターについての話も。中村さんが演じたのはサンクレッドというNPC。「旧FFXIV」にも登場しており、中村さんも当然その存在を知っていたのだが、「サンクレッドが登場するシーンでは、フ・ラミンというミコッテが出てくるんですよ。そっちにくぎ付けでしたね」と一言。そんなサンクレッドだが、「新生FFXIV」では重要なポジションにいるキャラクターのようだ。

立花さんが演じたのは、会場で初公開となったアルフィノというキャラクターだ。このキャラクターについては言えないことが多すぎるようで、前日まではキャラクターの名前も出す予定はなかったという。キャラクター性については、「熱い志を持っているので、その辺りに注目してほしいです」とアピール。アルフィノには兄弟がいるようで、望月氏と中村さんがピアスを片耳にしか付けていないことに言及すると、祖堅氏は慌てたように「あーあー!そこまで!」とストップをかけていた。

会場ではボイスも先行して公開され、アルフィノの声も聴くことができた。アルフィノのセリフは「各国のグランドカンパニー、そして暁の血盟。彼らはその問題を解決するカギだ」といった感じで、気になる言葉が含まれていた。なお、ボイスが聞けるのは製品版からとなるようだが、アルフィノはβテストにもちょっとだけ出てくるという。

「出張プロデューサーレターLIVE」Part.1&Part.2

「出張プロデューサーレターLIVE」では、普段は事前に寄せられた質問に答える形で進行していたが、今回はニコニコ生放送に寄せられたコメントを見つつ進められた。すでに公開済みの内容もいくつかあるが、最後にそこでの内容もお伝えしていこう。

プロデューサーレターLIVEでお馴染みの<br />
“モルボル”こと室内俊夫氏(右)も進行に参加。
プロデューサーレターLIVEでお馴染みの
“モルボル”こと室内俊夫氏(右)も進行に参加。

――PS3版とPC版は同時発売ですか?

吉田氏:同時に発売され、夏には製品版が出ます。夏はいつまでだという意見があると思いますが、暑い時期に出します。

――PS4で発売される可能性はありますか?

吉田氏:うーん…あるんじゃないでしょうか。いつも言っていますが、これだけ体張って頑張っていますので、世界中、一人でも多くの人にプレイしていただきたいので、いろんなハードを考えています。

――新しいCMはあるんですか?

吉田氏:CMはアメリカとヨーロッパ、日本でそれぞれ全く違うものを製作しています。世の中にはエンターテイメントがたくさんありますので、CMを見て面白そうだなと感じてもらった人が、すぐに遊べる状況じゃないと…と考えています。新しい映像は5月の3週目ぐらいには出せると思います。

――グッズは作らないのでしょうか?

吉田氏:スタンドアローンの「ファイナルファンタジー」のように、発売して一気に盛り上がるのではなく、発売後もずっと続いていくゲームですので、どのキャラクターやアイテムが人気なのか見えてきたタイミングでグッズ展開をやろうと考えています。

――植松さんの新曲は増えるんでしょうか?

吉田氏:実は先月飲みに行きまして(笑)、こんな感じでお願いしますという話をさせていただいたので、今後期待してもらっていいと思います。

――サントラは出すんでしょうか?

吉田氏:どこまで言っていいのかな…まあ、出ますよね。もしかしたらCE(コレクターズエディション)にも付いているかもしれないみたいな感じです。

――エオルゼアフェスティバルのようなイベントの予定は?

吉田氏:ローンチした後にぜひイベントをやりたいですね。現役プレイヤーの方たちに頑張ってくださいと言ってもらえるのが本当にうれしいんです。あまり規模を大きくし過ぎないで、主要都市をキャラバンで回れるぐらいの方が、いろんな方と交流できるのかなと思っているので、ローンチしたら皆さんのお顔を見に行きたいですね。

――キャラクタークリエイションができるベンチマークはいつ頃でるのでしょうか?

吉田氏:βテストのフェーズ3と4の間ぐらいです。

――「旧FFXIV」をプレイしていなくても楽しめますか?

吉田氏:全然問題ないです。ストーリーを知っている方は知っている方なりの楽しみ方がありますが、知らない方は全てまっさらな状態で楽しめるようになっています。今回は「ファイナルファンタジー」王道な内容にしていますので、特にクラシック「ファイナルファンタジー」が好きな方に遊んでほしいと思っていますので、楽しみにしていてください。

――オーディンの活躍はいつから見られるのでしょうか?

吉田氏:製品版からですね。

――βテストのフェーズ3で使用できるジョブはどれですか?

吉田氏:新ジョブ以外はすべて使えます。相当変わっているので、いろいろテストしてみてください。

――忍者はまだですか?

吉田氏:まだですよ。まだまだです。

――和テイストの服はありますか?

吉田氏:ソーサラー系の装備でありますが、着物までいかなければ和じゃないと思う人もいますよね。そう考えると、そこまでのものはないです。「新生FFXIV」のイメージが固まってから色んなものを入れていきたいと思います。

――PvPはいつ実装されますか?

吉田氏:βテストのフェーズ4でテストする予定です。フェーズ4のキャラクターデータは引き継ぐ予定ですが、PvP用のランクやポイントといったものがあり、それだけはリセットさせていただきます。

――ゴールドソーサーはどこに作る予定ですか?

吉田氏:まだ決めていないですね。「俺にやらせてください!」というスタッフがいるので、企画は動いています。

――スマートフォンアプリではどんなことができますか?

吉田氏:自分のキャラクターをはじめ、フレンドやフリーカンパニーのメンバーをいつでも見ることができます。後は大きな用途としてデータベースがあります。このアイテムが欲しいと思って名前を入れたら、どこで手に入るか、例えばダンジョンのボス名が出たら、そのボスはどこのダンジョンにいるのか、そのダンジョンに行くクエストはあるのかといったことまでチェックできます。アプリはオフラインでも見れます。

――暁の血盟について教えてください。

吉田氏:とある新しい組織です。いろんな人が所属していて、ミンフィリアさんがすごい重要なキャラクターとして存在しています。

――吉Pはなんでそんなに頑張り続けられるんですか?(「新生FFXIV」宣伝担当より)

吉田氏:楽しいからじゃないでしょうか。これまで海外のプレイヤーさんと会う機会はありましたが、日本ではあまりなく、今日は本当に嬉しかったです。会場に来てくださった現役プレイヤーの方には、ほとんど声をかけてもらったんじゃないかなと思っています。

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