田中氏の退社と松井氏のプロデューサー就任が発表された「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」2日目の模様をお届け

スクウェア・エニックスは、6月23~24日の2日間に渡って、パシフィコ横浜にて「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」を開催した。今回は田中弘道プロデューサーの退社という、驚きの発表が行われた2日目の模様をリポートする。

イベントには前日に引き続き多数のファンが来場し、どのコーナーも大盛況。歴代のイメージイラストが描かれた、6種類のメタルタグのいずれかが当たる「10周年記念 ランダムディール」は特に人気が高く、朝から大行列ができていた。

オープニングでは司会を務める声優の小西克幸さんと内田真礼さんが、本日のメインステージで行われるイベントの紹介を行った。さらに、「FFXI」のプロデューサー・田中弘道氏が登壇。「昨日も入りきれないくらいのたくさんのお客様に来ていただいたんですけど、今日もよりパワーアップしていきますので、ぜひ楽しんでいって下さい」と会場のファンに挨拶した。

声優の小西克幸さん(右)と内田真礼さん(左)がメイン司会を務めた。

まずは、前日に続いて、さまざまな新情報が公開された開発者トークセッションの内容を紹介しよう。ステージには、前日と同じく伊藤泉貴氏、藤戸洋司氏、齋藤富胤氏、谷口勝氏が登壇。魔境インスタンス(仮)、モンスタープレイング、新たなジョブ魔導剣士といった新要素の発表を行った。

ディレクターの伊藤泉貴氏 アシスタントディレクターの藤戸洋司氏
プランナーの齋藤富胤氏 プランナーの谷口勝氏

トークセッションで発表された新情報をチェック!

魔境インスタンス(仮称)

魔境で発見される彫像のパーツを組み合わせることで、難易度やエリアの広さ、報酬数などを任意に設定し、攻略するインスタンスダンジョンです。

マイ牧場(仮称)

個々に与えられる小島を使って、羊を飼って羊毛を刈る、畑から収穫物を得る、敷地内の鉱山で採掘を行う、釣り堀を作って釣りをするなど、生産活動を幅広く楽しめるコンテンツです。

新たなジョブ「魔導剣士」

ルーンと呼ばれる特殊アビリティを攻守に使い分ける技能派ジョブ。

・魔法防御、属性防御に長け、ナイト、忍者に続き第三の盾役を担う位置づけ。
・ルーンには大きく分けて2つの種類がある。
エレメントルーン:属性の能力を持ち、属性耐性アップの効果や、通常攻撃に属性の追加ダメージを付与する。
エンチャントルーン:攻撃タイプと防御タイプがあり、それぞれ攻撃面、防御面の能力を引き上げる。
・効果時間を半分にする代わりに、次に受ける強化魔法の効果を1.5倍にするアビリティや、パーティメンバーを対象に魔法ダメージカットのバリアを張るアビリティなどを持つ。

ジョブ調整

2012年中の調整を予定している様々なジョブの調整項目が発表されました。

メインステージでは、そのほかにもさまざまなイベントが実施された。最初に行われたのは、来場者による挑戦企画「新スペシャルバトルフィールド 頂上決戦?!」だ。「ヒロインズタワー」は「FFXI」10周年を記念して作られたスペシャルバトルフィールドで、ライオン、アフマウ、リリゼットといったヒロインたちと戦うことができる。今回のイベントでは、2つのチームがそれぞれ6人のパーティーを組んで挑戦。目標に設定されたヒロインを倒す時間を競った。

初日のステージでは難易度の低いライオンがターゲットだったが、今回は強敵・アフマウと戦うこととなった。ところが、ここで思わぬアクシデントが発生。Bチームが別のヒロインであるリリゼットのいるエリアに進んでしまったのだ!勝負のほうは自動的にAチームの勝利となったが、イベントはこのまま続行され、結果としてふたりのヒロインとのバトルが見られるという来場者にはおいしい展開になった。

ちなみに、結果はA、B両チームともあえなく全滅。特にリリゼットは体力が半分以下になると2体に分身する上、片方は幻影でダメージを与えられないという驚きの強さ。次々とプレイヤーが倒されていき、司会の小西さんも「ツラいな~」「キツイっすね~」とため息をもらした。ただ、スクウェア・エニックスの望月一善氏は「ちゃんと倒せるようにはなっていますよ」と、あくまで戦い方次第であることを強調した。

来場者参加の早押しクイズ大会「ヴァナ・ディール横断 ヴリトラクイズ」には5組のペアが出場。「“天賦の技師”と呼ばれているNPCは誰?」、「ジュノのクエスト“ゴブリンのかばん1”で、クリアに必要なアイテムは?」、「冒険者の手によって息絶えたフィック。フェレーナの気持ちになって“フィィーーーーック”と叫んで下さい」などなど、さまざまな難問・珍問に挑戦した。

クイズの前に、望月氏が「FFXI」に関するお得情報を披露する「ヴァナビアの泉」も行われた。「ヒロインタワーに登場する“ミュモル”が名前の長い呪文を唱えるが、それは即死技なので密着するか魔法が届かない場所に移動してかわそう」、「両手刀“村雨”の隠し効果は天候が雨のときダメージアップと言われているが、本当の効果はウェポンスキルがすべて無属性になること」、「狩人の“デコイショット”は“カモフラ”を併用すれば、遠隔攻撃による敵対心をすべて肩代わりさせることができる」、「“ヴォイドウォッチ”に登場する“ヴォイドウォーカー”は、5分経過してからターゲットを取っている人が、くやしがる「/fume」のコマンドを入れると弱点がシャッフルされる」というように、思った以上に冒険の役に立つネタが紹介されたので、これらはぜひ覚えておくといいだろう。

会場内にいるNPCから与えられるさまざまなクエストに、来場者同士で組んだパーティーで挑戦する「ライブクエスト」の答え合わせも行われた。初日は非常に内容が難しく、クリアできたパーティーはかなり少なかったが、今回はやや易しめだったこともあって、約150ものパーティーが最終解答までたどり着いたそうだ。

ミュージックスペシャルステージには水田直志氏率いる「Nanaa Mihgo’s」が2日連続で登場。「FFXI」の音楽をクラシック調にアレンジした華麗なサウンドで会場を沸かせた。

後半のステージでは植松伸夫氏率いるロックバンド「EARTHBOUND PAPAS」のライブが行われた。植松伸夫氏らは「FFVII」の「片翼の天使」、「FFXI」の「ディスタントワールド」、「FFX」の「シーモアバトル」、「FFVI」のオペラ「マリアとドラクゥ」といったおなじみの名曲をときに激しく、ときに情感たっぷりに演奏。新旧FFファンが楽しめる豪華な内容に、会場は大盛り上がりとなった。

全イベントが終了し、フィナーレとなったが、ここで驚きの発表がなされた。サービスの開始以来、プロデューサーとして「FFXI」を牽引してきた田中氏がプロデューサーを退任し、スクウェア・エニックスも退職することが、本人より明かされたのだ。後任として「FFXIV」のバトルプランナーを務める松井聡彦氏が、プロデューサーに就任することも合わせて発表された。最後に、田中氏と松井氏の挨拶を紹介して、リポートの締めくくりとしよう。

田中弘道氏

健康上の理由もあって、10年という区切りをもちまして「XI」のプロデューサーを退任させていただくことになりました。同時に、もう1度一介のクリエイターに戻って、身軽な立場でやってみたいというお願いをしまして、来月いっぱいでスクウェア・エニックスも退職させていただきます。

これからは松井のもと、伊藤ディレクターたちが拡張ディスク「アドゥリンの魔境」も含めて、どんどん新しい展開を見せていってくれると思います。私はここで力及ばず、離脱させていただきますけれど、この10年間、冒険者の皆様と過ごしたヴァナ・ディールの思い出は一生の宝物です。

本当にありがとうございました。

松井聡彦氏

この話をいただいたときは自分の力不足も考えて、断るべきではないかと悩んだのですが、田中プロデューサーから直接声をかけていただいたことと、僕の大好きな「FFXI」のことですので、覚悟を決めて引き受けさせていただきました。

幸い、田中さんが優秀なスタッフを育てて下さっていたので、みんなで力を合わせてやっていこうと思っています。何より、私の仕事は「FFXI」と「FFXI」のコミュニティを大切にすることだと心得ておりますので、これからも「FFXI」のことをよろしくお願いします。

プロデューサー退任とスクウェア・エニックス退社を発表した田中氏(写真左)。
松井聡彦氏がプロデューサーとして「FFXI」に復帰することとなった(写真右)。

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