スマートフォンアプリとの連動や競技性の高いPvPコンテンツの実装も「ユグドラシル」完美世界 上海スタジオでの開発インタビューを実施

シーアンドシーメディアがサービスを予定している「ユグドラシル」について、その開発会社である完美世界(Perfect World Co, Ltd.)上海開発スタジオへの社屋案内と開発者インタビューを紹介しよう。

2011年7月28日~31日まで、中国・上海市「上海新国際博覧中心」にて開催されていた、中国最大規模を誇るゲームショウ「ChinaJoy 2011」に編集部が取材に訪れた際に、同会場で発表となった新作MMORPG「ユグドラシル」について、開発会社であるPerfect World Co, Ltd.上海開発スタジオの社屋案内と開発者インタビューを実施することができたので併せてお伝えしよう。

開発中の画面もチラッと??開発スタジオ内を訪問

開発インタビューの前に、せっかくなので社内を案内してもらった。開発スタジオといっても機材であふれかえっているわけでもなく、木製のキレイなデスクが整然と並んでおり、残業している社員も少なく、リラックスして仕事ができるような環境に感じた。

また、デスクでは、デザイナーが手作業でイラストを描いていたり、キャラクターをCGデザインしていたりと普段は見ることができない作業の様子を撮影することができたので紹介する。台湾で有名タレントを起用したプロモーションの際に制作されたグッズも、社内でガラスケースに保管されていたのだ。貴重!?

「ユグドラシル」日本開発展開

現在展開している「神鬼伝奇」「神鬼世界」の違い

現在世界で展開しているタイトル「神鬼伝奇」「神鬼世界」の違いについて、「神鬼伝奇」は神話の世界を行き来するタイトルで、中心となる5キャラクター(職業)をベースに、中国、韓国、北米、台湾、東南アジアで展開している。

また、「神鬼世界」とは「神鬼伝奇」の続編として「神鬼シリーズ」の開発を開始したタイトルで、北欧神話をストーリーのベースとし、より初心者に優しくゲームバランスを調整すると同時に、メインキャラクターを5キャラクター(職業)から8キャラクター(職業)へ拡張し現在中国と台湾にて展開中、日本でのサービス名が「ユグドラシル」となる。

開発コンセプト

本作を開発する上でのコンセプトとして、元々「神鬼伝奇」のシリーズものとし、バックグラウンドストーリーの大幅変更や、キャラクターの成長要素の変更や追加、ざらにゲームバランスの調整強化の構想から、初心者に優しい北欧神話ストーリーベースのゲームとして、「神鬼世界」の開発を実施したと語っている。北欧世界のストーリーはファンタジーRPGの王道の世界観として各国に受け入れられるものと考えているという。

ユーザーが独自で楽しみを見出せるゲームを創り上げるためには、多くのイベント、クエストコンテンツを実装し、幅広いゲームシステムを創り上げるとのこと。

また、多くのRPGにも実装されている「癒しの要素」として、「ユグドラシル」には3種類のペット(戦闘/騎乗/戦闘騎乗)を用意。日本オリジナルのかわいいペットやアバターももちろん開発していくと発表した。

さらに、対人要素に興味があるユーザーにむけて、チャンネルごとのPKのON・OFF設定を実装。また、現在2つの対人イベントコンテンツを大幅にリニューアルし、より興奮できるシステムを開発予定だ。ギルドメンバー同士でBOSSや対人戦を行うように設計しているので、情熱を持ってギルドメンバーと楽しんでもらいたいと語っていた。

日本独自開発展開プラン

展開プランとしては、日本ユーザー向けに競技性の高いPvPコンテンツの開発、装備/Lvに関わらず、プレイヤースキルやパーティの連携で競い合うPvPコンテンツを開発しており、2011年正式サービス後より追加開発・実装する予定。

また、日本初となる「ダウンロード型オンラインゲームとスマートフォンアプリのリアルタイム連動」も予定、その他のタイトルとの差別化を図ることができる日本展開独自コンテンツとして開発している。iOSシリーズ(APP Store)/Android 2.0以降バージョン(Android Market)向けに実装予定とのことで、2011年3Qより順次機能を追加しながら実装していくようだ。

その2つのポイントに関して、後述で詳細をお伝えしよう。

独自開発1.競技性の高いPvPコンテンツの実装

すでに実装されている「PKシステム」「領土戦(GvG)」に加え、LVや装備に依存しない「どのユーザーも公平に楽しく」参加することができる魅力的なPvPコンテンツを追加開発。

1.既存コミュニティに依存しない専用対人戦用チームを設立することができる対人戦システム
2.Eloレーティングシステムを採用
3.レート近似値チームのオートマッチングシステム
4.PvPコンテンツでしか手に入れることができないユニークアイテムの実装

このようなコンテンツの実装によって、公平性のあるゲーム内容の提供し、E-Sports産業への進出やオンラインゲームのメジャー化を図ることも視野に入れているとのこと。

独自開発2.ゲーム内データとのリアルタイム連動性があるアプリの実装

プレイヤーゲームデータの中で、

  • 対プレイヤーチャットデータ
  • コミュニティ(家族・ギルドなど)
  • 所持ペット情報

のデータをリアルタイムにスマートフォンに連動し、オンラインゲームにとっての弱みであった「ユーザー間のPCオンタイムのみ」でのコミュニケーションをスマートフォンを使用することで、リアルタイムのまま「PCオンタイム」以外でも行うことが可能になる。iOS (APP Store) / Android 2.0以降(Android Market)に導入予定だ。こちらは続報が入り次第OnlineGamerでお伝えする。

ユグドラシルアプリの実装項目とフェーズ

Phase1:2011.3Q

ユグドラシルアプリ導入
ゲーム内チャット連動機能の実装

Phase2:2011.4Q

ユグドラシルアプリ追加開発
ゲーム内自キャラ所有「ペット」のスマートフォン上での育成機能

Phase3:2011.4Q~2012.1Q

ユグドラシルアプリ追加開発
ペット育成機能の拡張

このように、スマートフォンを利用した「PCオンライン」と「オフライン」のリアルタイムでの連動により、オンラインゲームの「ユーザー間コミュニケーション」に特化したコンテンツを実装していく。もちろんこちらのスケジュールについては予定となっているので、今後変更される可能性もあるのでご了承願いたい。

ユグドラシルメインテーマソング

すでにニュースリリースとして発表されているが、「ユグドラシル」の日本展開にあたり、エイベックス・エンタテインメント内のレーベル「rhythm zone」とタッグを組み主題歌を制作している。

歌手に園崎未恵さん、プロデュースに山木隆一郎氏を迎え、壮大な世界観と冒険をスタートする高揚感などを表現したメインテーマソング「ユグドラシル」が完成している。現在公開されているティザーサイトで聴くことができるのでぜひどうぞ!

開発インタビュー

Q:中国と台湾での「ユグドラシル」の反響は?

詳細なデータは明かせませんが、反響はとても良好だと思います。次々と新しいサーバも設置しています。

Q:「神鬼伝奇」「神鬼世界」の相互のユーザーについて

現在中国と台湾では、「神鬼伝奇」「神鬼世界(ユグドラシル)」が2タイトルが同時にサービスしていますが、「神鬼世界」のユーザーは比較的新規のユーザー様が多いですね。クエストやストーリーもそれぞれ違うので、ユーザー様の好みによって(タイトルを)選んでいるようです。

Q:北欧神話はどのようにゲームに絡むのか?

NPCや大型ボスなどに北欧神話に登場するキャラクターの名前が使われています。装備や武器などにも一部使われています。

Q:スマートフォンアプリは世界で展開する?

まずは日本市場で展開してから企画すると思います。アプリの料金は無料です。

Q:テーマソング歌手に園崎未恵さんを起用した理由は?

園崎未恵さんの声を聞いて、より冒険感が出るような曲調や「ユグドラシル」の世界観にピッタリだと思い、起用しました。ぜひティザーサイトで聴いてください。

Q:ユーザーが「独自で楽しみを作り出せるゲームシステム」とは具体的に?

ソロで遊ぶダンジョンや大勢で楽しむダンジョン、どちらでも楽しめるようなコンテンツを用意しています。

Q:ありがとうございました。

ユグドラシルサービス終了

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