最新作の情報も!日本でもお馴染みのMMORPG「幻想神域」や「星界神話」を開発する台湾X-LEGEND ENTERTAINMENT社を紹介

MMORPG「幻想神域」や「星界神話」を開発する台湾のオンラインゲーム企業X-LEGEND ENTERTAINMENT本社を訪問し、同社の歴史や開発ポリシーのほか新作タイトルについて聞いてきた。

社内を案内してくれたChomay氏
社内を案内してくれたChomay氏

OnlineGamerの読者にはお馴染みの「幻想神域」や「星界神話」といったMMORPGを開発しているのが台湾のX-LEGEND ENTERTAINMENT(X-LEGEND)だ。2012年には日本法人であるX-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANを設立し、直接ゲームサービスを提供している。

同社は、「幻想神域」や「星界神話」以外にも、「ホーリービースト」「グランドファンタジア」「ファインディングネバーランド」「ハンターヒーロー」といったタイトルの開発も行っており、多くが日本でも配信されている。

欧米やアジア圏で提供されているタイトルの独特なグラフィックは日本で受け入れられないことも多いのだが、同社のタイトルは日本風の可愛らしいテイストに仕上がっており、日本でも多くのプレイヤーに受け入れられている。

今回は、X-LEGENDを訪問し、同社の現状や開発現場の様子、そして新作タイトルについても聞いてきたのでレポートする。

X-LEGENDってどんな会社?

X-LEGENDが一体どんな会社なのかを同社で運営長を務めるChomay氏に紹介してもらった。

同社の設立は2002年1月。建設会社に務めていたメンバーが独立して設立した会社で、現在では900名もの従業員を抱えるまでに成長。台湾のゲーム会社として初めて株式市場に上場している。

会社説明で“日系手描きスタイルMMORPG”と挙げるほど、日本のテイストを意識しており、日本のサブカルチャーを好む人が多い台湾で、絶大な支持を得ている。

台湾では自社ポータルサイトで直接サービスを提供しており、2006年から2015年までの9年間で会員数が10倍に成長。2015年11月時点で845万人の会員がいるそうで、台湾の人口が約2300万なので、単純計算で国民の3人に1人は会員ということになる。

日本と韓国に支社を構える 右肩上がりで増える会員数

MMORPG「ホーリービースト」のサービスを皮切りに、各種MMORPGを展開。台湾・日本・香港をはじめ、北米・中国・韓国・欧米など世界各国に進出している。アジア圏だけでなく、北米や欧米にも日本風の可愛らしいグラフィックを好む人が多く、そのような人に受けいられているそうだ。

PCオンラインゲームを中心に開発してきた同社だが、近年ではスマートフォン向けタイトルの開発にも着手しており、毎年、PCオンラインゲームを2タイトル、スマートフォン向けゲームを3タイトル開発することを目標としている。

サービスに関しては、一度サービスを開始したタイトルは継続して提供するというポリシーを持っており、ユーザーからのフィードバックを研究分析し、改善することでより良いゲームに育てていく体制を整えているそうだ。その結果、ほぼすべてのタイトルを台湾では継続して提供できている。

900名にものぼる従業員の内訳だが、170名が企画・プログラム開発、150名が国内外やシステムを担当、そして、全従業員の約65%にあたる580名がARTを担当するスタッフで、これはアジア最大の美術開発チームなのだという。

各プロジェクト自体もARTスタッフがメインに据えられており、10~20名の企画スタッフ、10~15名のプログラマー、5~10名のエンジニアが加わりチームが形成されている。このような人員配置からもグラフィックにかける意気込みが伝わってくる。

開発したタイトルは、各ゲームメディアでさまざまな賞を受賞。台湾で特に高い人気を誇るタイトルは、日本でも人気の「幻想神域」だ。なんとリリース時には台湾の大手ポータルサイトYahoo!の検索数で芸能人や時事ネタとともにランクインしたそうで、その理由をChomay氏が教えてくれた。ゲーム自体が高い評価を得たのはもちろんなのだが、当時台湾ではライトノベル「ソードアート・オンライン」の人気が高まっていたという。「ソードアート・オンライン」の現地でのタイトルは「刀劍神域」で、そこから連想されて「幻想神域」への関心が急速に高まっていたのだそうだ。

開発中の最新作はクォータービューのアクションRPG!

開発中の最新作もこっそり見せてもらうことができた。本作のタイトルは「LAPLACE(正式名称未定)」で、「七つの大罪」をモチーフにしたストーリーが展開する。人間と神族が平和に暮らしていた神界に突如、かつて神界を統べていた古神族が戻り、神族を滅ぼそうと動き出す。人間であるプレイヤーは神族と手を組み古神族へと立ち向かうことになる。

本作は2.5Dで描かれたマップを見下ろす視点でプレイするノンターゲティングアクションゲームだ。マップ上にはさまざまな罠やギミックが設置されており、それらを回避したり効率的に活用しながら、次々と現れるモンスターや強力なボスを倒し、奥深く進んでいく。

職業は、「戦士」「魔道士」「聖職者」「盗賊」の4種類を確認することができた。各職業ごとに職業スキルが用意されているのだが、本作では武器スキルも存在し、武器を習得し鍛錬することでスキルランクを上昇させることができる。キャラクターは5頭身で同社のタイトルの中ではややリアル寄りな印象を受ける。

戦士 魔道士
聖職者 盗賊

これまで王道タイプの3DオンラインPRGをリリースしてきた同社だが、本作は見下ろし型のクォータービューを採用し、ハック&スラッシュに近い。操作感もアクション性が高く、クリックして攻撃するだけではなく、モンスターの動きや地形を把握しながら適切な行動をとるなどプレイヤースキルが求められそうだ。

日本的な可愛らしいデザインは健在で、グラフィックとサウンドもより美しく進化していた。特に水面に映るキャラクターの姿や、木々の影、町中の小物のディティールなども良く表現されており没入感を増してくれそうだ。開発も順調に進んでいるそうで、近いうちにサービス開始の発表があってもおかしくなさそうだ。

仲間の行動を俯瞰して見ることができるので、パーティプレイが一層盛り上がりそう

本社は駅直結ビル!日本にいると錯覚するショッピングモールも

X-LEGENDが本社を構えるのは台北市の松山駅に直結した駅ビルCITYLINK。松山駅は、台北市中心部の北東に位置し、電車での移動はもちろん空港へもアクセスしやすい。地下が駅、1~3階がショッピングモール、4階から上がオフィスフロアとなっており、この上なく便利なロケーションだ。CITYLINKが2013年にオープンしたばかりとあってとても綺麗なのだが、驚くのは日本でのおなじみのテナントの多さだ。セブン-イレブン、ドトール、CoCo壱番屋、大戸屋、らあめん花月嵐といった飲食店のほか、ユニクロやQBハウスまで店舗を構えていた。駅の周辺には地元に密着した店舗が多く、何をするにも困らない便利な場所だ。

訪問したのは旧正月前だったこともあり、駅の入口には新年の挨拶が中国語、英語、そして日本語で掲示されていた
半数以上が日本でもお馴染みの店舗 4F以上がオフィスフロア

未経験でも就職可能!? 社内の様子をレポート

オフィスフロアは、ビル中央の吹き抜けを囲うように執務室が並ぶ構造で、同社は3フロアを使用している。エントランスにはこれまで開発してきた各タイトルのグッズが展示されており、日本のグッズや声優のサイン色紙なども置かれていた。ちなみに、タイトルによっては台湾版のクライアントであっても日本語音声に切り替える機能が備わっており、プレイヤーが自由に切り替えて楽しむことが可能だ。

受賞トロフィーやグッズを展示したエントランス
エレベーターの扉に描かれたキャラクター
ビルの中央は吹き抜けで、完成したばかりということもありとにかく綺麗
エントランスの黒板。コスプレしたりと社内でさまざまなイベントを行っているそうだ
お馴染みのキャラクターのイラストが会議室の目隠しになっていた
モーションキャプチャースタジオも完備。いろんなポーズや動きを撮影可能だ


置き場所がないのかフィギュア専用ラックまであった
置き場所がないのかフィギュア専用ラックまであった

ARTスタッフが業務を行う執務室には、大勢のスタッフが並んで黙々と作業をすすめていた。どこの開発会社でも日本のフィギュアやグッズを多く目にするのだが、ここでは数が多く、なによりも最新の作品までカバーしている点が印象的だった。

また、フィギュアを箱に入れたまま積み上げている人が多く、飾るためだけに1人分の席を占拠している人も。飾って楽しむのはもちろんだが、所有していること自体がステータスなのかもしれない。

執務エリアを見ていて感じたのがとにかく自由だということ。ぱっと見ただけでは黙々と作業を進めているのだが、机の上にはお菓子や飲み物が置かれていたり、ヘッドホンで音楽を聞いていたりと、質の高い仕事を行える環境を自由に整えていた。

全員が一方を向く珍しい配置。プラスチックのシンプルな椅子が流行っているらしい
何を聞いているのか気になる

ARTスタッフには、経験やスキルを問わず誰でも応募が可能で、入社時には全くの素人だった人も多いのだとか。そんな人でもやる気があれば入社してからも学ぶことのできる環境が整っており、“日本のコンテンツが好き”という強い思いを持った人が集っているのだという。こんな、日本好きな開発者たちが作り上げる次回作にも注目だ。

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