【オンゲをめぐる】第7回は「セガNET麻雀 MJ」で御無礼

新旧・ジャンルを問わず、さまざまなオンラインゲームのプレイレビューを、毎月15日に紹介していく連載企画【オンゲをめぐる】。第7回目は、セガゲームスがサービス中の本格麻雀ゲーム「セガNET麻雀 MJ」をピックアップ!

世間では、四角く切り取られた世界の先を行く、VRなるものが取り立てられています。まあ、PS VRを予約できなかった私が書かせていただいておりますOnlineGamerの連載企画【オンゲをめぐる】は、「私が」「オンラインゲームを」「毎月1本」「プレイして」「ちょっと感想をかく」、いつも通りの四角い箱からのお届けとなります。

今日はですね、実はいたんですよ、社内に。誰がって、そりゃあもちろん“打てる人”ですよ。麻雀(マージャン)を。それも私を含めて、4人。なら、打つしかないですよね、背中が煤けるまでさ……。てなわけで今回は、上も下も無礼講! 勝つか負けるかだけが人生の花道を決める! 「セガNET麻雀 MJ」に挑戦です!!

注:今回はゲームの説明はしますが、麻雀の説明はしませんのでご注意を。

第7回「セガNET麻雀 MJ」

第7回で紹介しますのは、「セガNET麻雀 MJ」。セガゲームスがPC/iOS/Android向けにサービスしているネットワーク対戦麻雀ゲームです(※アーケード版も稼働中)。

リアル指向の画面、ド派手な演出、耳心地のいい効果音のキレと、その実力は深夜3時40分頃に浴びせかけられる立直・タンヤオ・ドラ8(上家のカン)の如しです。ふざけんな。

本作は麻雀ゲームらしく、やっぱり麻雀オンリーです。なので、麻雀部分に触れないかぎりは大きく説明できることもありませんが、一通りの遊べるモードだったりを紹介しておきましょう。

麻雀といっても、全国対戦ができる「Free対戦」、基本ルールが学べる「トレーニングモード」、気兼ねなく遊べる「CPU戦」、煤けるまで争う「プライベート戦」のほか、段位をかけて戦う「段位認定戦」、プロ雀士も現る「トーナメント」、駆けつけ一杯の手軽さ「一局戦」に、名前からして怖そうな「ギャンブル卓」などなど、さまざまな対戦メニューが用意されています。

また、対局中のきらびやかな演出表示を設定したり、自身のアバターを好みにコーディネートしたりと、オンラインゲームらしい要素もふんだんに取り入れられています。PC/スマートフォンと端末を選ばずに遊べる点も踏まえると、ちょこちょこと弄ることができそうですね。

「きたぜ、ぬめっと…」

幼気なプライドの骨身すらも残さずしゃぶり尽くしてしまう魔性の遊戯、それが「麻雀」です。ある人は親の付き合いで、ある人は学校の部活帰りで、ある人は大学のサークル内で、またある人は社会に出てからの接待でと、さまざまな場所で出会ってきたことでしょう。

そして、牌を打つもの同士が集ってしまえば、思わず打たざるを得なくなる――。さすれば、得意技をもって相手を打ち負かさなくては気が済まなくなる――。それが魔性に魅入られた影を背負う輩ども「雀士」というものなのです。

そして今宵、我がOnlineGamerでも、その身に巣食う“オニ”の昂ぶりを抑えきれない4人の餓鬼どもが、眩く輝かしい勝利の悦楽を賭けて、辿りつく先も故も知らぬ、くらいくらい窯の底へとその身を投じるのでした……。

プライベート戦ではルームを作って、そこに入ります。
テキストボックスがもうちょっと使いやすいとありがたいです。

今宵の挑戦者たち

エントリーNo.1「小倉」選手

闇より舞い降りた光の堕天使――それが「小倉」。麻雀を打つのは年に1回、お正月に友人と朝まで打つだけ。「符計算? 婦警さん?」とは口先三寸で相手の心を揺さぶるおどけたリリックに違いありません。恐ろしきはその眼差しの奥に潜めた、「とりあえず、手成りで整えてからリーチでもします」という、王道を往く反逆の標にあります。

エントリーNo.2「tomioka」選手

「敗北ですか? 提供元はどこでしょうねぇ……」とは涼しげな目元からの第一声。営業スキルをいかんなく発揮したポーカーフェイスの裏柄で、虎視眈々と弱った人への満貫直撃を狙う、飢えたハイエナのような野郎です。ちなみに最近、第一子が産まれました。おめでとう。パパは素寒貧にして返すけどね!(※当企画では金銭等の授受は一切行われません)

エントリーNo.3「ささみ」選手

「麻雀ですか? できますよ。だって『saki-咲-』を読みましたからね――」。この一言から企画が走り出したといっても過言ではない、題材キャリアーこと、となりの席のささみくん。ネット麻雀で遊んだことはあるけど、リアルで卓を囲んだことはない、高度デジタル情報社会が生んだ現代の歪みです。強制参加を告げられてから早10日間、やる気と学習の成果がここに発揮されます。カードゲームばっかやってんじゃねえぞ!

エントリーNo.4「ガッキー」選手

ここにいる誰よりも麻雀漫画を読んだことだけはあるやつ。「ネット麻雀で調子に乗っていたら、高校・大学時代と友達相手にちょい負けばかりしていた経験」を活かし、相手を口車に乗せて逃げ帰る術だけを磨いてきました。麻雀はそれなりに好きだけど、徹夜は辛い。というか、環境が整ってないと麻雀ってめっきりやる機会が無くなるよね? そのため、この場で学生時代の逆恨みをぶつけるべく、彼ら雀士を招集したのだ。

最初に言っておきますが、みんなド素人にナヨッとした小汚い毛が生えた程度の腕前です。全員、点・符計算の術式はセピアに色褪せた時代に置いてきています。攻撃はいざ知らず、麻雀で最重要である防御など素知らぬ顔。ドツッパするか、あからさまにベタオリするかの、誰が一番大きな泥をぶつけられるかを競争するだけの哀れな生き物たちです。

それでも、今夜は、荒れるぞ――(ここからダイジェストでお届け!)

東風戦 東一局

出足はドラ2。「吹いてるな、風が」と思っていたら想像以上に進行が早く、操作に慌てふためきます。画面右下に持ち時間があるので、手番のときは緑のバー(毎回使える制限時間ボーナス)をうまく利用しつつ、制限時間を使い切らないように進めていくのがコツです。

まずは考えなしに筒子を無限回収していたところ、対面のtomiokaが戦いの火ぶたを切って落とす先制リーチ。河を見る。さっぱり分からん。後は交通事故待ちだ。上家の小倉もベジタリアンのように健康野菜色に染めているのが透けていますが、どうせブラフですので無視です、無視。

そして、ささみが考えなしに撃ちこんだ七萬に「そいつだ」といわんばかりのロンが。立直・タンヤオ・ドラ3の親満直撃により、一発目からささみの生命力がごっそりと削られました。ちなみに小倉は発のみでした。ほらね。

東風戦 東一局 1本場

場が硬直した2本場。「白・ドラだけでオナシャス」と進めるものの、早くも流局希望です。しかし、そんなことは許さないtomiokaが2回目の親番リーチ。大人げない。

鴨なりの仕返し「一萬3連打」でやり過ごそうとしていると、ささみが華麗に振り込み。しかも、振り込み先は小倉。初心者がよくやる「ハイテイでとりあえずテンパイとっとこ」を、抜け目のないタンヤオで仕留めました。5,200点を搾り取られたささみ。早くも格差社会に突入です。

東風戦 東二局

牌効率という言葉は知ってますが、できるとは言ってません。本作には「ポン」や「チー」で鳴けるときに表示される確認ボタンの有り無しのほか、安全牌検索や代走などのアシスト機能もあります。公式サイトには初心者ガイドも完備されてますので、そこからはじめるのもよさそうです。

そんな現実逃避にかまけていると、時代を切り裂く一手が小倉から飛び出しました。親番で張り切るのは万国共通のことですが、子たちが「そこは自重しろよ」と思うのもまた万国共通のことです。振り込んだのはtomioka。点棒セレブたちの醜い争いでした。

東風戦 東二局 1本場

赤ドラが集まってくれるのは嬉しいのですが、素人にはそれらをくっ付ける術がない。危険な火種に怯えていると、tomiokaがまたもやリーチ。七対子狙いが三暗刻に手変わりしたらしく、最後も鮮やかなツモで決めます。小倉もダマテンを仕込んでいたらしく、2人の狩人と2人の獲物の構図がことさら浮かび上がってきました。

哀れなささみは、6シャンテンからのスタートでした。

東風戦 東三局

那須高原のせせらぎのように、九十九里のしおさいのように、MJの神様から愛されボディを授かったといわざるを得ない、ドラ4スタート。ブクブク肥えさせてあげていた点棒畑に収穫のカマを入れるときがきたのです。途中、1人だけスマートフォンで遊んでいた小倉が回線不良でCPU代走に。端末によっては電池消費も大きいようなので、環境を踏まえておくのは大切そう。

そして、グングンと素直に手が伸びた私の初リーチ。「ほら! どうした! こいよ!」とオフィス内での口プレイも絶好調です。途中、ささみの不憫さを見かねた別の編集部メンバー(ばかいぬ氏)が、彼にアドバイスを捧げていましたが、温まったささみは「余裕っしょ!」「イケるっしょ!」と、若気の至りを見せます。暗雲に巻かれていますね。

ここで、ダメ押しのドラカンで威力を高め、じっと待つ。待つ。待つ。待つ。かかった! ドラ爆! tomioka! 立直・ドラ5という意識低い系の手ではあったものの、初あがりは跳満となり、上位陣に天誅を食らわすことができました。

東風戦 東三局 1本場

3連続で1本場。勝機はここです。手牌も綺麗です。隣の席のささみとアドバイザーが小うるさいものの、こちらも負けじと「どうせカンチャン待ち! 絶対そう! どうせカンチャン!」と相手の待ちを揺さぶるファインプレーで流れを呼び込みます。

このとき、小倉は「平和を目指す」を掲げた世界平和の論者に、tomiokaは字牌ツモりまくりのグダグダ配牌に、ささみは痩せ細った人参のような気配だったので問題なし。ウサギのような繊細さを持たぬものどもに、この一盃口は避けられまい……! tomiokaのライフ、残り2,000。

東風戦 東三局 2本場

あ、私の流れが終わりました。いい感じの手牌をまったく活せないタイムに突入です。しかし、画面上では牌を切るごとに各プレイヤーの位置から手が出てきますが、臨場感ありますね。tomiokaも「配牌がゲームゲームしていない感じ、いいですね」とコメントしております。

小倉はドラ南2枚の好スタートでしたが、イーシャンテンで停滞。一方、素寒貧になったtomiokaは逆襲の3連続ペンチャン鳴きです。ささみは酸素水の中の酸素くらい空気です。tomiokaの最終形は綺麗なものでしたが、誰も鳥を落とさず流局。1人テンパイで3,000点を稼ぎます。

東風戦 東四局

ささみの初手ドラ南切りからはじまった最終局。思わずアドバイザーも説教。実際、こういう字牌ってどこまで抱えるのかが難しい。東ポンの特急券でスパッと終えたいのですが、ささみが脂っこい二筒・五筒を吐き出した後に、二筒・五筒待ち。気が緩むことを祈るほかありません。

しかし、ここで「俺は元1着なんだぞっ!」と吼えたか、小倉が2着確定の安手の一打を放ちます。ドラにかけた思いは見事に裏切られ、打点は3,200点。またもやtomiokaから搾り取り、フィナーレを飾りました。ささみはヤキトリです。

最終結果は、1着「ガッキー」、2着「小倉」、3着「ささみ」、4着「tomioka」と、ドラに祝福された私が1着と相成りました。正直、ネタレベルになるほどのゴミ雑巾にされる覚悟で臨んでいたので、やっぱり素人麻雀は運ですよね、運。

まあ、その運に小数点以下の確率を積み重ねていくのが麻雀の技術であり、醍醐味です。それを顧みずに「前勝ったし、いけるっしょ」と思って調子に乗ると、大体は大負けするんです。なので、麻雀をより楽しむためにはしっかりと勉強することも大切でしょう。

「セガNET麻雀 MJ」の感想

今回は「セガNET麻雀 MJ」というゲームの紹介よりも、麻雀のプレイダイジェストという形になりましたが、麻雀を知っている人から見ると画面上の河の状況とかありえないことになっていると思います。目の毒になってしまうので気を付けてください。

ネット麻雀はそれこそ、全自動卓以上に「なんか操作されている気がしてならないデジタルさ」を感じずにはいられないものですが、今回「セガNET麻雀 MJ」をプレイした私としましては「麻雀をやっているとよくあること」が絶妙に再現されているようで、いってみれば自然観を感じ取れました。登録の類もパパッと終わりますので、気になる人はぜひどうぞ。

というわけで! 今後もジャンルや記事の切り口も含めて、さまざま方向でオンラインゲームの魅力をお届けしていきます。毎月15日掲載を予定しておりますので、頭の片隅で覚えていましたら、この連載企画【オンゲをめぐる】に目を通していただけると幸いです。おしまい!

最終局の4着の親番。「中を起点に連荘」「打点の高い一発」、どちらを選びますか?

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