「ソウル・オブ・ジ・アルティメット・ネイション」の開発者が語る大型アップデート“エピソードII”の全貌を公開

ゲームオンは、「ソウル・オブ・ジ・アルティメット・ネイション」において、大型アップデート“エピソードII”について開発者インタビューを実施した。

スピード感あふれる戦闘アクションと豊富なコンテンツで多くのファンを魅了する「Soul of the Ultimate Nation(以下、「SUN」)」。4月末に公開テストなどが行われるなど、早い段階から実装が望まれていた“エピソードII”へのアップデートが、7月中に行われることが明らかとなった。

そこで、今回は開発元のWEBZEN社・チョン・マンソン氏と、国内での運営を手掛けるゲームオン・稲垣順太氏にインタビューを敢行。果たして“エピソードII”は「SUN」にどのような変革をもらたすのか? また、新システムや今後の方向性について詳しく語っていただいたので、その様子をタップリ紹介していこう。

ついに“エピソードII”が実装決定!ゲームシステムに大幅な変更が!

――まずは7月中に行われるアップデートの内容について教えていただけますか?

稲垣氏:今回のアップデートは、以前より告知をしてきました“エピソードII”の実装がメインになります。この内容には2つの柱がありまして、1つが新たなストーリーの追加。もう1つはゲームシステムの大幅なリニューアルとなっています。

――新たなストーリーについて、簡単に解説していただけますか?

稲垣氏:かつては救世主とまで呼ばれ、これまでもプレイヤー側で戦っていた“イグニス”ですが、“エピソードII”では敵として連合軍が倒すべき相手になっています。謎の行動を取った“イグニス”の秘密を探るため、プレイヤーが“アルドル遠征隊”の一員となって新たな大陸である“セリエント大陸”に赴く、というのが大まかなストーリーです。

――もう1つの柱であるゲームシステムのリニューアルについても教えて下さい

稲垣氏:「スキルシステム」と「ソケットシステム」のリニューアル、さらに新システムとして「キューブシステム」と「カスタムパッシブシステム」の導入を考えています。

稲垣氏:まず「スキルシステム」ですが、これまではレベルアップで得られるステータスポイントを熟練度に振り分け、さらにその後スキルポイントに振り分けるという仕組みになっていました。この2段階の行程がプレイヤーの皆さんに余計な手間をかけていたため、これを簡略化し、レベルが上がるごとにスキルポイントだけを振り分けてスキルを習得する、というシンプルな形へとリニューアルしています。また、プレイヤーがスキルを見やすく、さらに使いやすくするため、スキルツリーも導入していきます。

――スキルはまったく違うものになりそうですね。「ソケットシステム」も同様に大きく様変わりするんでしょうか?

稲垣氏:「ソケットシステム」については、これまでプレイヤーの皆さんが望む効果が十分得られていませんでした。そこで今回のリニューアルでは、「水」は「火」に強いといった「属性間に相性」を新たに設定し、これらをうまく組み合わせることで、より戦略性に富んだ戦いができるようにと考えています。

新たに実装が決まった「カスタムパッシブ」と「キューブシステム」とは?

――次に、新しいシステムについても教えて下さい

稲垣氏:「カスタムパッシブシステム」ですが、こちらは状況に応じて好きなパッシブを装着する、というシステムです。たとえば、「今日はクエストを進めたいから移動速度アップのバフを装着しよう」とか、「バトルゾーンで戦うから攻撃力増加などの戦闘関連のバフにしよう」といった具合に、プレイヤーの行動に応じて自由にパッシブをカスタマイズできるのが、このシステムの最大の特徴ですね。

続いて「キューブシステム」ですが、これは今まで倉庫の肥やしになっていたアイテムを再利用させよう、という目的で導入したシステムです。戦闘中に敵がドロップしたアイテムなどは、イベントリを圧迫するという理由で放置されることも多かったんですが、このシステムにより、不要なアイテムを“ザード”という新たなアイテムに変換できます。

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この“ザード”は、さきほどご説明した「ソケットシステム」でパッシブを装着するのに必要なアイテムで、元となったアイテムによって「火の属性の攻撃力アップ」や「防御力を大幅にアップ」などさまざまな効果を持っているため、不要品も有効にリサイクルできるようになると考えているんです。

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――今回のアップデートでもっともこだわった点や、苦労した点をお聞かせ下さい

チョン・マンソン氏:今回とくに意識したのは「プレイヤーのニーズにマッチしているか」という点です。プレイヤーの皆さんから寄せられる要望や意見などを取り入れ、認識にズレがないかを重視しました。この認識のズレを埋めていくことがもっとも苦労した点ですね。大幅なリニューアルだったこともあり、プレイヤーの皆さんにどうすれば理解してもらえるのか、という点でも頭を悩ませました。もちろん、今回のアップデートは「SUN」が飛躍していくための布石である、という点も強く意識しています。

――いくつかスキルがなくなることを心配しているプレイヤーも多いようですが、その点についてはどのようにお考えですか?

稲垣氏:たしかにスキルの総数は減ってしまうんですが、既存のスキルで効果が重複したものを統廃合した結果、と考えてもらえば皆さんにも納得してもらえるのではないかと思っています。たとえば、属性こそ違うものの、追加効果でスタンにするスキルが複数あったとしますよね。それぞれの効果を考えると、これらはひとつにしたほうが使い勝手は良くなると思ったんです。もちろん、シンプルになったぶん、スキル回しや使いどころにも変化が現れると考えているので、新たな戦術が楽しめるようになるのでは、と期待しています。新たなスキルの追加もありますし、実際プレイしていただければ、それほど「スキルが少なくなった」と感じることもないと思いますよ?

――新たに導入されるスキルで「これがオススメ!」というものはありますか?

チョン・マンソン氏:私自身、“エレメンタリスト”、“ヴァルキリー”、“シャドウ”あたりを好んでプレイすることが多いのですが、スキルで「これが一番オススメ!」というものはないですね。というのも、先ほど稲垣が説明したように、今回のリニューアルでは「カスタムパッシブシステム」の導入やスキルのバランス調整などを行ったことで、プレイヤーの自由度がこれまで以上に高くなっています。プレイヤーが自分のスタイルに応じて自由にカスタムできるため、人それぞれまったく違う構成になっていくと思うんですよ。戦略に応じてスキルを変えていくことも、オススメスキルを挙げられないひとつの要因といえますね。モンスターの属性に合わせて、弱点属性の攻撃力を強くしていくとか、移動速度が遅いモンスターに対しては、自身の移動速度を速くすることで有利に立ち回れるようにするなど、その時々の状況に応じてベストな組み合わせを考えていくのもひとつの楽しみなのではないでしょうか。

――たしかに仰るとおりですね。では、各クラスのバランスについてはどう調整されるご予定でしょうか?

稲垣氏:このバランス調整は継続的に行っていくつもりです。7月中のアップデート以降も大きな変化があるかもしれないですね。また、各クラスの固有武器についてもバランス調整をしていきます。たとえば、“ドラゴンナイト”のワンハンドソードなら攻撃速度が速く攻撃回数が多い反面、一撃の威力は小さいといった武器ごとの特徴付けがありましたが、こうした良い点はそのまま残し、さらなる個性化を図っていけるよう調整を考えています。

――オプションについては廃止の噂も出ていましたが?

稲垣氏:オプションが廃止になる、という噂が広まり、プレイヤーの皆さんを戸惑わせてしまったことについては私たちも承知していまして、説明不足が招いた結果と反省しています。たしかにいくつかのオプションは無くなってしまいますが、そのフォローも含めてしっかり調整していきますので、安心して下さい。

――韓国ではすでに“エピソードII”が実装されていますが、その反応はいかがでしたか?

チョン・マンソン氏:開発側としてはプレイヤーのニーズを集約してアップデートをしたつもりでしたが、あまりにも変化が大きすぎたのか、受け入れてもらうのに少し時間がかかりましたね。その後、プレイヤーを含めたさまざまな意見を取り入れ、段階的に修正をしていったことで、今では多くのプレイヤーから大変ご好評をいただいているようです。“エピソードII”導入後に、あるプレイヤーの方から「新作のMMOにも劣らない」という評価をいただいた時は、本当に嬉しかったですね。

――日本では4月に公開テストを行いましたが、このときの反応はどうでしたか?

稲垣氏:正直なところ、反響は思っていた以上に大きかったです。賛否両論ありましたが、これまでやってきた公開テストに比べるとナンバーワンの手応えだったことは間違いありません。ちなみに4月に行った公開テストですが、この時は韓国で実装されている仕様をそのまま試してもらいました。プレイヤーの皆さんがどのようなニーズを持っておられるのか、実際の仕様を体験してもらうことで、よりリアルな意見をいただけるものと考えたからです。結果、プレイヤーの皆さんからは「ここが良かった」「どうしてこう調整しちゃったの?」という意見も多く頂戴できましたので、これを開発サイドとの連携でフィードバックし、調整を進めてきたつもりです。

チョン・マンソン氏:私も公開テストで日本の皆さんがどんな反応を示すのか大変興味がありましたので、2ちゃんねるのスレッドやツイッターなどで出回っていた情報をすべて翻訳してもらい、じっくりと読ませてもらいました。中には衝撃的な書き込みもありましたが(笑)、生のご意見に触れることで皆さんの意見や感想をきちんと理解できたので、それを今回のアップデートにもしっかり反映できたと思っています。

今回のアップデートから伺える「SUN」の目指す方向性

――今回のアップデートを踏まえ、今後の展望についてお聞かせ下さい

チョン・マンソン氏:“エピソードII”を開発するにあたって、まず「プレイヤーがなぜMMORPGを遊んでいるのか?」を考えてみました。そもそもMMORPGはプレイヤー同士のコミュニケーションが盛んであり、ひとつのコミュニティともいうべき関係性がゲームを通じて深くなっていきます。この関係性が構築されていくことで、とあるコンテンツに対して驚いたり、騒いでみたりする、という感情の共有が可能になります。こうした多くの思い出を作れることがMMORPGの面白さではないでしょうか。これまで「SUN」の開発に携わってきましたが、コンテンツの追加に注力するあまり、そこにばかり偏ってしまったのではないかという思いもあります。そこで、今後は「MMORPGが持っている良い面」をもっともっと引き出していきたいと考えています。もちろん、そのためにはたくさんのプレイヤーが楽しめるよう、内容を充実させなければなりません。低レベルのプレイヤーが成長していくためのクエストを用意し、システムを学びつつレベルを上げていくような調整をしていきたいですね。そして高レベルになったら、今度は豊富なコンテンツを用意して、みんなでワイワイ楽しめるようにしたいと思っています。

――すばらしい展望ですね。1プレイヤーとして本当に楽しみです。今後の追加コンテンツにはどんなものを考えられているんですか?

チョン・マンソン氏:高レベル向けにギルドコミュニティの機能やコンテンツを強化したり、ユーザーに人気の高い地域占領戦やバトルゾーンのリニューアルを開発する構想はあります。ただ、いずれもまだアイデアレベルの話なので、具体的な実装の次期などは勘弁して下さい。

――モバイルコンテンツのサービスも提供していますが、今後連動していく予定はありますか?

稲垣氏:じつは連動企画を考えています。具体的にいつからとか、こんな内容で、というところまでは決まっていませんが、たとえばモバイルでプレイしたポイントをPCで還元できるようなシステムなどができればいいな、とかですね。せっかくPCとモバイルでそれぞれサービスを提供しているんですから、今後うまく活用していきたいですね。

――最後に日本のプレイヤーに一言お願いします

チョン・マンソン氏:すでにプレイして下さっている皆さんにとっては、今回のアップデートで「SUN」が大きく生まれ変わったことを実感していただけると思います。あまりに急な変化で戸惑う方もおられるかもしれません。ですが、これまでに積み上げてきた「SUN」の世界をまったく無視した変化ではありませんので、プレイしていただければきっとその楽しさが伝わると信じています。私たちはこれからも皆さんの声に積極的に耳を傾けていくつもりですので、どうかたくさんのご意見、ご感想を聞かせて下さい。また、これまで「SUN」をプレイしたことのない皆さんには、どうしても「SUN」は一昔前のゲームに写ってしまうかもしれません。しかし、最近のゲームと比べてもグラフィック、操作性、システムなど決して劣るものではないと自負しています。これからも進化を続ける「SUN」をぜひ楽しんでみて下さい。

稲垣氏:最初の公開テストから3カ月あまりと期間は開いてしまいましたが、おかげで皆さんから頂戴した意見をしっかり反映することができたと思っています。今後も皆さんからのご意見は、開発元であるWEBZEN社と共有し、積極的に取り入れていきたいと考えていますので、たっぷりプレイしていただき、どんどんフィードバックをお願いします!

――本日はどうもありがとうございました

いよいよ間近に迫った“エピソードII”を前に、お二人から熱のこもったお話しをタップリと伺うことができた。まもなくヴェールを脱ぐ「SUN」の第二幕は、全国のプレイヤーたちの目に果たしてどのように映るのか? 今は新たな時代の幕開けを指折り数えて待つことにしよう!

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