美麗ビジュアルと壮大なストーリー!そして奥深い戦闘と三拍子揃ったRPG「崩壊:スターレイル」レビュー

崩壊:スターレイル」をレビュー。HoYoverseからリリースされたスペースファンタジーRPG。ビジュアルの美しさをはじめ、RPGとしての総合的な完成度が高い一作。そんな本作の魅力に迫る。

「崩壊:スターレイル」は、HoYoverseからリリースされたスペースファンタジーRPG。本作でまず目を引くのが、ビジュアルの美しさだろう。アニメタッチで壮大な世界観が描かれており、キャラクターデザインの完成度も高い。そして実際にプレイしてみると、完成度が高いのはビジュアルだけではないことに気づかされる。本作は、ソロRPGとして総合的に高い完成度でまとめられた一本だ。確実におもしろい作品なので、プレイしないのはもったいない。だからこそこのレビューでは、ビジュアル以外の部分も含めて本作の魅力を紹介したい。

壮大なスケールを実感!銀河を舞台にしたストーリー

「スペースファンタジーRPG」というジャンル名が示す通り、本作の舞台は宇宙。宇宙といっても我々の住むこの宇宙とは異なっている。星神(アイオーン)と呼ばれる神や、災厄をもたらす「星核」といったものが存在するファンタジー的宇宙なのだ。

プレイヤーの操る主人公は、星から星へと走る「星穹列車」に乗って「開拓」の旅へ出ることになる。この旅で立ちはだかることになるのが、災厄をもたらす「星核」によって生み出されたモンスター。ただ、「星核」は主人公の体にも埋め込まれている。主人公に埋め込まれた「星核」はどうなってしまうのか? そもそも「星核」とはどんな存在なのか? そして、「開拓」の旅はどんな結末を迎えるのか…? 本作のストーリーはこうしたテーマを縦軸に、様々な登場人物の物語を描いていく。

本作の魅力のひとつは、宇宙という舞台の壮大さをしっかり実感させてくれるところだろう。本作をプレイしている時、自分は確かに宇宙を旅していると感じることができる。「設定だけ宇宙にしました」という代物ではまったくないのだ。

どこから壮大さを感じられるかといえば、やはり影響が大きいのはビジュアルだろう。しかし、ただビジュアルが美しいから壮大に感じられるわけではない。本作は、構図的な演出が巧みなのだ。スケール感を出すために有効な、遠景までしっかり入った「引き」の構図。そしてキャラクターの感情を感じさせる「寄り」の構図。この使い分けが上手いため、壮大な宇宙を旅している主人公たちに自然と感情を重ねることができる。

また、ストーリー的な演出も巧み。世界が壮大ということは、必然的に未知の部分が多いということになる。用意された世界が物理的に広大だとしても、既視感のあるものばかり登場すると、壮大だとは感じられない。むしろ「狭さ」を感じてしまうだろう。この点本作は、ストーリー上で突発的な事件を起こしたり、「星核」をはじめとした未知の専門用語をストーリーに織り込んだりといった手法によって巧妙に未知の部分を作り出していると感じた。

美麗ビジュアルもさることながら、ストーリーや設定がしっかりしているからこそ壮大な世界を臨場感たっぷりに味わうことができる。これはまさしくRPGの醍醐味といえる部分だろう。筆者的には、もうこれだけで本作をプレイする価値があると思う。だが筆者の思う本作最大の魅力は他にある。それは、RPGの華といえる部分。…そう、戦闘システムだ。

属性・行動順・キャラクター特性を特性を活かして戦う奥深い戦闘システム

本作の戦闘システムは、ターン制のコマンド選択方式。キャラクターや攻撃には属性が設定されており、苦手属性を突くことで戦況を有利にすることができる。…と、表面的なところだけみれば、ごくごく一般的…場合によってはやや古風な戦闘システムに思えるかもしれない。しかし、細かな部分が練り込まれており、実に奥深い戦闘が楽しめるものに仕上がっている。

本作の戦闘に奥深さをもたらしている要素は、属性・行動順・キャラクター特性という要素だ。属性については、今やほとんどのRPGが標準的に持ちあわせている要素だが、本作の属性要素は一味違う。敵にはHP以外に「靭性」というゲージが設定されており、弱点属性で攻撃するとこの「靭性」を削ることが可能。削りきると、属性に応じた特殊効果が発動する。たとえば「虚数」属性で「靭性」ゲージを削りきった場合は、その敵が「束縛」状態に。束縛」状態となった敵は、行動順が遅延した上で速度が低下する。

ちなみに、行動順遅延は「束縛」だけが持つ効果ではない。たいていの属性で「靭性」ゲージを削りきった場合に発動する効果となっている。つまり、「敵の弱点属性を突くことで行動順を操る」というのが本作の戦闘の基本設計だ。

そしてこの行動順コントロールをおもしろくしている要素が、各キャラクターの持つ「スキル」と「必殺技」。「スキル」はキャラクター固有の特殊行動で、主人公含め比較的多くのキャラクターが持ち合わせている行動が、複数の敵への同時攻撃。このため「スキル」を上手く活用すれば、複数の敵の「靭性」ゲージを同時に削ることができる。

「必殺技」はEPゲージを貯めることで発動できるようになる、強力な効果を持つキャラクター固有スキル。これだけだと「スキル」の強化版にしか見えないが、最も特徴的な要素として、必殺技は行動順を無視していつでも発動可能。「必殺技」も属性を持っているため、敵の行動直前に繰り出せば敵の行動順を遅延させることができる。

ただ「スキル」も「必殺技」も万能ではない。使用するためにはスキルポイントが必要で、スキルポイントはパーティー全体の共有リソースとなっている。このため「スキル」や「必殺技」を各キャラクターにガンガン使わせていると、すぐに枯渇してしまう。では出し惜しみして切り札的に使えばいいのかというと、そうではない。スキルポイントは通常攻撃を出すことで回復していく。なので、行動順を見て誰にどんな行動を取らせるのかという戦闘の組み立てが重要。通常攻撃でスキルポイントを貯めるのは誰か? それはいつか?そして、いつどのキャラクターがスキルや「必殺技」を使うのか? こうしたことを考えるのが非常に奥深く、楽しい。

ここまででも相当よく練り込まれている戦闘だと思うが、本作の戦闘はここで終わりではない。本作の戦闘をさらに奥深くしているのが、キャラクターの持つ「天賦」という特性だ。たとえば本作のヒロイン的存在である「三月なのか」の天賦「少女の特権」は、スキル「バリア」で保護中の味方が攻撃された場合、カウンター攻撃を行うというもの。本作には敵から狙われやすくなる「ロックオン」という状態があるため、「ロックオン」中の仲間を「バリア」で保護すれば、「三月なのか」の攻撃回数を大きく増やすことができる。

また、シナリオの流れによって一時的に仲間となる「姫子」は、仲間が「靭性」ゲージを削りきった際に追加攻撃可能。「靭性」ゲージゼロで発動する属性効果に「姫子」の攻撃加わるため、その効果は圧倒的。さらに「必殺技」による行動順スキップも組み込めば、一方的に敵を攻撃することが可能だ。これは気持ちイイ。

この「天賦」要素は、単純に戦略的な面白さを持っているだけでなく、キャラクターへの愛情が深まるという効果も持っている。キャラクターの特性を知ることが戦略的な楽しさに紐づいているため、自然とキャラクターを知ろうというモチベーションが沸き上がってくるのだ。そして、思い通りに戦闘を展開できた楽しさが、キャラクターたちへの愛情へと変化する…。ストーリー重視のRPGにとって、かなり理想的な戦闘システムになっていると感じた。正直なところ、ビジュアルやストーリーを度外視してこの戦闘だけみたとしても、本作はプレイする価値があると思う。

ビジュアル・ストーリー・戦闘!三拍子揃った傑作RPG

ここまで紹介してきた通り、本作はビジュアル、ストーリー、戦闘のすべてが高い完成度でまとまっている。まさに、プレイしないのはもったいない一作だ。対応プラットフォームを持っているなら、是非一度はプレイしてみてほしい。なお、現段階での対応プラットフォームはスマートフォンとPCとなっているが、後日PS5やPS4へ対応予定とのこと。スマートフォンでいつでも気軽にプレイするのもいいが、大画面でこの壮大なスケールを味わうのもオススメだ。

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