我々が作っているのはサービスとしてのゲーム―「HAWKEN」を運営するMeteor Entertainmentシニアプロデューサーのポール・ロインド氏へインタビュー

我々が作っているのはサービスとしてのゲーム―「HAWKEN」を運営するMeteor Entertainmentシニアプロデューサーのポール・ロインド氏へインタビュー

2013年06月22日 00:00

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Meteor EntertainmentとAdhesive Gamesが開発した「HAWKEN」。現在オープンβテスト中であり、2013年7月にはテキストが全て日本語に翻訳されたローカライズ版がリリース予定の本作について、シニアプロデューサーのポール・ロインド氏へインタビューを行った。

「HAWKEN」はロボットに乗り、一人称視点で戦うFPS。基本プレイ無料モデルながら、ハイクオリティなグラフィックを特徴としている。ローカライズ版のリリースに合わせてゲーム内で日本円が使えるようになるほか、登録やコード特典の入手なども含めゲームコンテンツの全てが日本語に対応する予定となっている。

先日のテクニカルセッションでは、NVIDIA PhysXを使った本作の特徴などについてお伝えしたが、今回はセッション時にゲームの紹介を行ってくれたポール・ロインド氏へのインタビューをお届けする。

今後実装予定の内容も語られたポール・ロインド氏へのインタビュー

ポール・ロインド氏
ポール・ロインド氏

――ローカライズ版のリリース前ですが、現段階でどれくらいの日本ユーザーがいるのでしょうか?

ロインド氏:正確な数はお答えできませんが、日本ユーザーの方は結構大きな割合を持っています。

――ローカライズ版の日本語化は全部社内で行われているのでしょうか?

ロインド氏:翻訳はベンダーを通してやっています。日本に向けたコンテンツのローカライゼーションについてはできていませんが、本当であれば実施したいため、日本でもパブリッシャーを持ってやれたらいいなと考えているところです。

――日本では中国や韓国のオンラインゲームが多いですが、それらの国を意識したことはありますか?

ロインド氏:中国も韓国も多くの人がゲームを楽しんでいますので、もちろん重要視しています。韓国はまだですが、中国ではまさにリリースの作業を進めている段階です。

――ユーザーの国別にプレイスタイルの違いを感じたことはありますか?

ロインド氏:日本プレイヤーに関して言えば、メカの操縦(ゲームの操作)などの習得が非常に早いですね。メカの特徴的な動作である「避ける」「加速する」といった操作もいち早く習得していると感じていますし、トッププレイヤーの何人かは日本にもいますよ。

――特に強いユーザーが多い印象の国はどこでしょうか?

ロインド氏:やはりアメリカが多いです。ただ、これは単純に一番ユーザー数が多いからだと思います。実際トッププレイヤーはヨーロッパにも、日本にもいますから。

――ポールさん自身の腕前はどれくらいですか?

ロインド氏:実は私もトッププレイヤーの一人です(笑)。

――そうだったんですね(笑)。せっかくなので普段はどの機体を使っているか教えてもらえますか?

ロインド氏:軽量で素早く動けるので、BERSERKERを使っています。クロースコンバット(近接戦闘)が好きなので、スピードで出し抜いたり、周囲を動き回って相手の隙を作って倒すスタイルで戦っています。遠距離から相手をロックオンして倒すスタイルも好きなので、BRUISERも使っています。こちらは特にヘルファイアミサイルがお気に入りです。

――自身のスタイルやゲームとしての性能に関係なく、興味として好きな武器は何でしょうか?

ロインド氏:バルカン砲はやっぱり音がカッコいいので好きですね。それから私は昔から日本のアニメに触れてきましたので、ロボットからミサイルが発射されるとき、煙を巻いてホーミングしていく軌跡が分かるような表現をする日本のロボットをよく見てきましたし、それを思い返させてくれるヘルファイアミサイルも好きです。

――ゲームを始めたばかりの人が上手くなるために意識すると良いポイントはありますか?

ロインド氏:dodge(ドッジ、避けること)ですね。特にタイミングよくドッジすることが重要になってきます。まだゲームに慣れていない人は避けてばかりいることが多く、すぐにゲージを消費してしまい、動けなくなったところを狙われてしまいます。うまいプレイヤーはドッジするタイミングをしっかり見極めていて、わざと相手を避けさせて、その回避先を狙うといった攻撃方法を取ることもありますので、タイミングよくドッジできるようになることが重要です。

――なるほど。うまいプレイヤーだとチーム内の連携も重要視していると思いますが、ヘッドセット(ボイスチャット)の使用率はどれくらいでしょうか?

ロインド氏:それについては、実は我々も正しいデータを持っていないんです。というのも、多くのプレイヤーは外部のソフト、例えば「Ventrilo(ベントリロ)」や「TeamSpeak(チームスピーク)」というものを使ってコミュニケーションを取っているからです。

――ユーザーで人気の機体と武器についてはどんなものがありますか?

ロインド氏:機体はINFILTRATOR(インフィルトルーター)、SHARPSHOOTER(シャープシューター)、REAPER(リーパー)、BRUISER(ブルーザー)、BERSERKER(バーサーカー)辺りが人気です。武器はSABOT RIFLE(サボライフル)、SLUG RIFLE(スラッグライフル)、FLAK CANNON(フラックキャノン)、ASSAULT RIFIL(アサルトライフル)といったものが好まれています。

――皆が同じ機体を使ってしまうと面白くなくなってしまいますが、そうならないよう日頃からバランス調整に気を使っているのでしょうか?

ロインド氏:メカには近距離型であったり遠距離型であったり、あるいはエリア制圧型であったりと、それぞれに特徴を持たせています。武器についても同じで、それぞれの特性に応じて調整をしています。こうした調整については、頭の中で考え、科学的アプローチをするだけでは十分ではなく、実際にサーバーに反映させ、皆さんがどのように使っているかを見て、学ばなければいけません。コミュニティの反応なども見つつ、何度も繰り返し調整しています。

科学的アプローチということについては、数学的にDPS(1秒間あたりのダメージ量)を求める公式を使い、まずはこの数値が機体ごとに一定になるようにしていきます。ただ、単純に数値を揃えたからと言って、DPSはあくまでアベレージで出すものなので、武器によって特性が違います。例えば、短時間で多数の弾丸を発射して大ダメージを与えるかわり、長い冷却期間を持つ武器の場合、相手のライフが少ない時であれば一気に相手を倒すことができます。こうした瞬間的に相手に与えるダメージといったことも考慮しています。

――ポールさんは過去にゲームテスト会社に勤務されていたとのことですが、その時の経験が生きたと思う部分はありますか?

ロインド氏:やはりその時の経験は非常に役立っています。デザイナーとQA(Quality Assurance)は、デザイナーが「ゲームをこういう風にしたい」と思って作り、QAは「これがあなたの作ったもので、こう動きます」と伝える、そんな関係で動いているんですね。私はQAとして仕事をしていましたので、テストについて実用主義的なやり方を学ぶことができました。さらにテストをすること自体も、探検的な行為のようで面白いんです。これを起こしたら実際にどうなるのか、そう思って試してみる、実験的なアプローチを多く取る、そういった考え方が今のゲーム作りでも大きく役立っています。

――現在オープンβテスト(OBT)ですが、一般的なオンラインゲームと比べてOBTの期間が長いような気がします。その理由は何かあるのでしょうか?

ロインド氏:昨年の12月に出したタイミングでは、開発は非常に初期の段階でしたし、多くのものをゲームに追加しなければならない状態でした。システムの開発についてもゼロから作っていただけでなく、プレイヤー数が増えるにしたがってシステム側の規模を増強することを考えて作らなければいけなかった、という理由があります。

私は最近、多くの会社がゲームを最終的に商品として出すことに注力しすぎていると感じています。急いで出してしまおうとしていると。ですが、そうした行動は、結果としてユーザーを残念がらせてしまうことがあり、さらに会社を苦しめることに繋がってしまう可能性もあります。満足しないものに対してユーザーはお金を払ってくれなくなりますし、Free to Playタイトルにおいては非常に重要です。

そのため、我々が作っているのはサービスとしてのゲームです。絶えず改修を行い、ゲームを良くしていくことを継続してやっていきますので、終わりはありません。その点はコンソールゲームと大きく違うところだと思います。

――現状でユーザーの反応はいかがですか?

ロインド氏:批評ももちろんいただいていますが、嬉しいことに一番多いのは「HAWKEN」を好きだというような反応ですね。フォーラムのスレッドでは、どのメカが好きか、どういった遊び方をするのかといったことについて話すことを、すごく楽しんでいる様子が伺えます。

――新しいゲームモードを追加してほしいとか、要望の面からはいかがですか?

ロインド氏:リクエストは絶えずありますが、コミュニティーマネージャーが偶然出くわし、我々が「HAWKEN fight club」と呼ぶことなった面白いエピソードがあります。これはチーム戦であるにもかかわらず、ユーザー同士が暗黙の了解のもと一人ずつ出てきて、一対一のデュエルを行うというものです。その様子を見たところ非常に面白い遊びだと分かり、実際にゲームモードとして搭載してしまおうと、今開発に注力しているところです。

――対戦ゲームと言えば大会に期待する人もいると思いますが、今後世界大会などの予定はあるのでしょうか?

ロインド氏:まさに今取り掛かっていることのひとつとして、e-Sportsでの利用を考えています。大会会場でトーナメントが行えるようにサーバーとして機能する、専用のビルドを作っているところです。e-Sportsの動きは大きくなっていくだろうと予想していますし、「HAWKEN」はそれに適したゲームだと思っています。

――バランス調整は随時行っていくと思いますが、大型アップデートはどれくらいのスパンで実施したいといった目標はありますか?

ロインド氏:大型アップデートは1年に2回ぐらい、できれば四半期ごととかにやりたいですね。新しいモードやメカ、マップの追加といったものは当然手間がかかりますので、今申し上げたぐらいの期間が必要になってくると考えています。

――先日のテクニカルセッションでは壁や床が破壊できるAPEX Destructionの話がありましたが、それ以外にも何か考えているものはあるのでしょうか?

ロインド氏:そうですね、APEX Destructionを使ったものは12月の予定ですが、今年の別のタイミングで新しい要素を追加する予定です。

――具体的な内容を教えていただけますか。

ロインド氏:今は対人戦のみですが、Co-opで敵AIと対戦ができるモードを考えています。このモードについては本当はまだ言いたくないのですが(笑)、単純なミッションではなく、メカをどこかにおびき寄せ、別の場所から狙撃するといった戦略が必要になってきたりと、楽しいものに仕上がると思います。AI戦というと簡単なものを想像されるかもしれませんが、AIにも注力しており、レベルが上がると世界のトッププレイヤーぐらいしか倒せないようなものになる予定です。

――そのモードの参加人数と、ストーリーの有無についても教えて下さい。

ロインド氏:人数については4人必要になります。ストーリーがあるかについては…一応あるとお伝えしておきます(笑)。ただ、どうなるかは今はお話しできないので、実際に遊べるようになるまで待っていてください。

――AIモードの開発で苦労している部分はどこでしょうか?

ロインド氏:やはりAIの実装は非常にトリッキーなので多くの問題に直面していますが、ラッキーなことに「Gears of War」のハードモードのAI設計者がチーム内にいるので、彼が複雑なAIの設計を担当してくれています。

AIのロジックは、通常のマルチプレイヤー対戦にも投入する予定です。現状のマッチングでは、人が集まらないと元々定められているスキルレンジから離れたところ、実力が大きく離れた人も含めてマッチングするようになりますが、そのギャップをAIで埋めようと思っています。マッチングに時間を取られずゲームを早く始められますし、よりフェアと言いますか、レベルを均一に保った状態で対戦してもらえると考えています。

――人間が戦うFPSだとメディックだけがライフを回復できるという仕様が多いですが、本作では自分の機体を自分で修理することができます。この仕様を入れたのはなぜでしょうか?

ロインド氏:それはTechnician(テクニシャン)の存在に関わってきます。もし自分で機体を回復できなければ、テクニシャンがいないと誰も回復することができない状態になります。そうすると、例えば3:2という状況になった時、基本的には人数の多い方が勝利します。単純に人数差でどうにかなるといった話にしたくなかったので、それぞれが回復できる余地を持たせました。

ただ、テクニシャンはサポートタイプなので自身は弱く、狙われる存在となってしまいます。そのため、テクニシャンの場合は、味方を回復させると同時に自分のライフも回復できるようにすることで、生存率が高くなるようにしています。

――なるほど。テクニシャンがいれば後方支援ができるけど、テクニシャンがいないチームでも戦い方次第で自分で自分の機体を回復することができるチャンスが作れる、といった感じにしているんですね。

ロインド氏:そうですね、そういった認識です。テクニシャンがいれば、それを活かした戦い方ができるし、いなくても問題ないようにバランス調整をしています。テクニシャンはひとつのメカしか回復できないようになっているので、実際には重量級の機体の後ろについて戦うスタイルがメインになると思います。

重量級機体とテクニシャンがタッグを組んだ相手がいる場合も、後ろにいるテクニシャンを狙うこともできるし、無理に相手をせず、別の場所にいるテクニシャンが付いていない機体を狙いに行くといったことも可能です。自機を回復できる手段があることから、テクニシャンの存在意義は今でも意見が分かれていますが、そうした意見も含めてバランス調整はずっと続けていきます。

――日本ユーザーがプレイする際、どのサーバーでプレイする人が多いですか?

ロインド氏:Asia Northに繋いでくれればと考えていますが、実際には多くの人がUS Westに繋いでいますね。日本からUS Westに繋ぐとpingは200msぐらいでラグを感じることもあると思うのですが、US Westサーバーでプレイする人が多いです。

――そういえば今週末の6月22日に来日イベントがありますが、日本に来ての印象はいかがですか?

ロインド氏:I love Japan!(笑)。昔から日本の文化に慣れ親しんでいて、小さい頃に「将軍」という本を読んでサムライの姿に感銘を受けました。そこで描かれている忠誠心や物事に対するこだわりは、当時から面白いと感じていました。日本に来てから人々のフレンドリーなところであったり、街の作りも気に入っています。山の木々がいっぱいあるところも、生まれ育ったシアトルを思い起こさせてくれるので、その部分も気に入っています。

――最後に日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

ロインド氏:ぜひ「HAWKEN」をプレイしてください!

(C)2013 Meteor Entertainment, Inc. All rights reserved. HAWKEN, Meteor Entertainment, Adhesive Games, and all associated logos and designs are trademarks or registered trademarks of Meteor Entertainment, Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.

メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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