Aiming&マーベラスAQLに聞く「剣と魔法のログレスの今後について」ロングインタビューを実施、ユーザーの要望が迅速に対応される仕組みとは?

開発にAiming、運営にマーベラスAQLが携わる、現在正式サービス中の「剣と魔法のログレス」。国産ブラウザゲームとなる本作の「今後について」をテーマにしたインタビューを実施する機会を得たので紹介しよう。

インタビューを受けてくれた方々

株式会社Aiming「剣と魔法のログレス」プロデューサー「辻井 康司」氏
株式会社Aiming 大阪スタジオ ディレクター「下川 晶平」氏
株式会社マーベラスAQL オンライン事業部ディレクター「飛塚 剛氏」氏

アップデートについて

――クランシステムについて

Aiming:クランは今後も発展させる予定です。まずベーシックな実装として、親しい人と20人程度のクランを組むこと、さらにクランチャットも実装予定です。クラン同士が競争できるような要素も考えています。

――強ボス専用エリアについて

Aiming:かなり難易度を上げたエリアを実装予定です。レアアイテムドロップの確率上昇や、敵が強いが報酬はとても良い、合成に必要な素材が入手できる、など比較的ハードコアなプレイヤー向けコンテンツを考えています。腕試しができるステージなので、ある程度鍛えたプレイヤーにもぜひ挑戦して欲しいです。

――レイド戦について

Aiming:複数のパーティーが同時にプレイするわけではなく、それぞれの戦闘の結果が反映するイメージです。

――新フィールド追加について

Aiming:雪山です。このフィールドは完全に新規となり、合わせてレベルキャップ開放や新規モンスターもボスが1体、ザコは5~6種類ほど登場する予定で、ほとんどが「雪山」にちなんだデザインになりますね。

――今後はどんなフィールドを?

Aiming:いろいろ企画は提案しているのですが、既存のフィールドと重複しないのが「雪山」ということで、まずは実装します。

――バランス調整について

Aiming:職業バランス調整については、11月17日にすでに実装しました。各職業の弱点を多少補填したイメージです。また、少数パーティーやソロでも楽しめるように調整しています。新職業についてはタイミングを見てから発表・実装となります。

――ガチャ内容更新について

Aiming:今回は追加だけとなります。「敵の能力を下げる効果がつきやすい装備」というわかりやすいコンセプトのもと、装備の追加をしました。今後はバリエーションも増やしていきたいです。

――アバターくじ更新について

Aiming:こちらは毎月実施します。実は来年の更新までのアイテムを作っています。季節ごとの特徴あるものを用意しています。

開発・運営体制について

――ユーザーの意見・要望はどんなものがありますか?

Aiming:まず「移動」の不便さに関して、ワープゾーンの設置で対応しました。パーティーの組みにくさに関しては参戦システムを導入しています。ユーザー側と開発側とが特に意見が合致したものを随時反映しています。

――開発・運営の現在の人数は?

Aiming:純粋にAiming開発側としては25人程度です。CGのベースなどはAimingで作成しますが、デザイン・サウンドなどは外部の会社に依頼しています。Aiming社内ではスタッフが常にゲームにログインし、ガチンコで遊びながら、現状の意見や要望なども吸い上げているのも特徴ですね。

――影響したコンシューマタイトルなどはありますか?(世界観やグラフィックなど)

Aiming:この件に関しては、開発当初にマーベラスAQLさんとガッチリ話をしたのですが、「国産のゲームの雰囲気を大事に開発したい」と話していましたね。あまりとがったデザインは当時も考えていませんでした。

――本作を開発した経緯を教えて下さい。

Aiming:まず弊社の代表取締役社長(椎葉 忠志氏)の思いつきですかね(笑)。そしてブラウザで本格的なMMORPGを作りたいということになり、コンセプターが夢のような要素の詰まった企画書を持ってきたので、それを取捨選択したものが原案となります。さらにそれを大阪のスタジオに持ち込んで現在の形に落とし込みました。ブレはほとんど最初からありませんでしたね。ただ、戦闘や移動などのクオリティーの高さは開発が踏ん張ったおかげです。

――GREEやモバゲーなどソーシャルゲームが流行っていますが?

Aiming:社内でもかなり盛り上がっていますよ(笑)。やはりソーシャル性(他人とのつながり)がゲームを続けるモチベーションを保つ要素になりますね。空いた時間にちょこっと遊べるのは魅力です。(ソーシャル性については)弊社のゲームにも反映できると考えています。会社からのメールと思いきや「助けてください!」という依頼だったり(笑)。

――コンシューマタイトルなども社内でプレイしますか?

Aiming:軽いコミュニティーを形成しているタイトルなどはとても参考になりますね。

――続編などは?

Aiming:アップデートを重ねていけば、続編は必要ないかと思います。対人戦を重視したバージョンアップはもちろん可能です。殺伐とした雰囲気のタイトルも作りたいですね(笑)。

――アニメとのコラボなどは?

Aiming:弊社の開発は2Dの技術が高いので、お話があればぜひやりたいです。いいモノを作る自信はありますが、現時点ではありません。

――マーベラスAQLとのコラボなどは?

マーベラスAQL:正直思っていますが、いいタイミングで組めるタイトルがありませんでした。ただ、お互いのメリットも重要です。

――マーベラスAQLへのアプローチについて

Aiming:多分弊社代表から話がいったと思います(笑)。

マーベラスAQL:「みんなで牧場物語(開発/one-up)」に続き、何かいっしょに作りましょうというのが始まりでしたね。常々情報の交換はしています。運営で「今このような事項が起きている」など「ではこう対応しましょう」と即座に対応・報告を欠かさないようにしています。

――ユーザーの要望を迅速に対応する仕組みのミソはそこですね?

Aiming:はい。僕らが「この事項に関して来週までに対応できます」と話せば、マーベラスAQLさん側で「すぐOK」がもらえるので対応はかなり早いです。まあ報告している時点でほとんど開発が終わっているんですが(笑)。スケジュール的にはもちろんキツイですけどね。大阪スタジオ自体も複数のタイトルを開発・運営しており、ブラウザゲームという新しいチャレンジだったのですが、ある程度の意見・要望は予測していました。想定はしているが、プライオリティを下げて後回しにしているだけで、システム自体は開発が完了していることが多く、それを「どのように実装するか」のタイミングを見計らっています。現時点で想定外のできごとは起きていないと思います。その他の問題についても常に検討しています。

――正式サービスを迎えてかなりアップデートをしていますよね?

Aiming:はい、だいぶ変わってきていると思いますよ。開発のスピードの速さとモチベーションの高さのおかげだと思います。特に弊社のスタッフは本作が大好きなんです。

――本作はどのように進化していく?

Aiming:基本的にはどんどん奥深くなっていくと思います。ボリュームが増え、ユーザーの選択肢も増え、必勝法も通用しない敵が出現したり、クランや友達との横のコミュニケーションも増加していくと思います。

――韓国ゲームショウではタブレットやスマートフォン対応のタイトルも増えていましたが世界に向けてのリリースなどは?

Aiming:現時点では話はありませんが、むしろ韓国でも受けるタイトルになるとは思います。ですが、まずは国内でのサービスのクオリティーを上げてからですね。

プレイしている社員からの質問

――パーティ推奨のバランスとなっていますが、ソロで遊びやすくなることはありますか?

Aiming:11月17日に実装した調整で遊びやすくはなっていますが、やはりパーティーは必須ですね。ただ暇つぶしやソロでさらに楽しめるようなコンテンツなどは随時検討しています。

――アップデートで実装された強ボスを倒すための想定レベルはどのくらいですか?

Aiming:レベル20以降ですね。その時点でのユーザーの状況によって調整することは可能です。社内スタッフにはレベル20後半の人もいますよ。

――ハンターランクにさらに上のランクが実装されることはありますか?

Aiming:あると思います。新しいエリアが解放されれば、それに必要なフラグももちろん準備しなくてはなりませんね。

――装備の変更をするときの操作がシビア(ダブルクリックでも上手く反応してくれず、何度もクリックすることになる)が、改善はできますか?

Aiming:フラッシュの処理上の問題が大きいですね。今後、改善する予定ではありますが、混んでいる・空いているチャンネルでのバランス調整がむずかしいので、現時点では「空いているチャンネル」に行って遊んでくださいとしか言えないですね。混んでいる場所にわざわざ集まることはあまりメリットはないかも知れないです(笑)。

――職業によっての優劣はこれからどのように調整していきますか?

Aiming:物理攻撃職のファイターの救済をメインとして、かつ今まで各職業の構成を考えないとなかなかレベル上げしにくかったところを、「ナイトがそこそこ回復をできる」などの調整を実施しています。実装したあとの反応を見つつ、また調整を重ねていきます。

――バランス調整の苦労などはありましたか?

Aiming:やっぱり魔法使いが頑張れば強いんですが、ファイターも頑張れば強くなれると(笑)。マジシャンは「火に弱い敵」に対して「火に強く」すれば戦いやすくなりますよね、ファイターは直接攻撃がメインなので、効率が悪くなる傾向もあります。ベストではないけどベターな編成を考えて遊んでもらいたいですね。ただ、勇者は作りません(笑)。

――ユーザーの属性などは?

Aiming:MooGチャンネルは今までオンラインゲームを遊んできたユーザーが多いです。Yahoo!Mobageチャンネルではコンシューマやブラウザ、SNSしか体験したことがないユーザーもいますね。「パーティーってなんですか?」という超初心者の人も全然いますね。ギルドチャットなどで基本的な要素を覚える人も多いです。初心者がフレンドを作りやすいシステムや環境をゲーム内で形成することにも力を注いでいます。

――クエスト中心のゲームですが、これから軸になるストーリーが追加されることはありますか?

Aiming:大きいストーリーは考えていないです。オンラインゲームということで今後どのようにアップデートなどで変化していくかは分からないので、一本の道筋は作りたくなかったこともあり、大枠のストーリーだけ考え、クエスト内でそれっぽいことをNPCがほのめかしたりしますが、追っていくとクリア、というシステムは導入しません。

マーベラスAQL:マーベラスAQLのRPGではストーリー重視の作品を作ってきましたので、本作にもストーリーを入れたいとも思いますが、ユーザーが今後ストーリーを求めてくる傾向が強くなれば辻井さんは実装しちゃうと思います(笑)。

Aiming:使命感を持たせるようなギミックを用意するつもりではあります。ただストーリーが絡むと「あの敵が弱いと話が成り立たない」というバランスの崩壊が生まれてしまうので、慎重に調整はしていくと思います。

――携帯型ゲーム機などへの移植などは?

Aiming:Aimingはオンラインゲームであればなんでもできますから。しっかりとしたニーズがあれば可能だと思います。

――倉庫の量が少ないですが、これから増える予定はありますか?

Aiming:もちろんまだ増やせますが、今すぐとなると課金になっちゃいますね。全体量のバランスを見ながらこちらも慎重に調整します。

――戦闘中でなければ回復アイテムが使えませんが調整される予定はありますか?

Aiming:今のところはないです。戦闘以外で回復ができてしまうと、他のアイテムのバランスや価値も変わってしまいますので。ただそのアイテムが入手しやすくなる調整はあると思います。

――中盤以降になると経験値やお金がたまりにくくなりますが、バランス調整はありますか?

Aiming:基本的に長く本作を遊んでもらいたいと思いますので、あまり調整は考えていません。クランやレイドボスなどレベル上げ以外の遊び方は随時実装していきますので寄り道して楽しんでください。また、エンドコンテンツとして僕らが考えているのが「収集」なので、レアなアイテムを集めるところから、本作の奥深さが始まるのかなと考えています。まずは合成などに手を出してみてください!

――OnlineGamer読者にメッセージをどうぞ。

Aiming:本作は、性別問わず受け入れられるグラフィックと直感的にプレイできる遊びやすさが特徴です。初心者でもまず触れてみて、他のプレイヤーと交流して楽しんでください。インフォメーションをクリックしていけばとりあえずスライムは絶対倒せますよ(笑)。

マーベラスAQL:本作は特にチャットが楽しいゲームです。「よろ」「おめ」だけで十分楽しむことができます。ゲーム内はとてもフレンドリーなので、怖がらずに飛び込んでください。

――ありがとうございました。

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