「モンスターファームオンライン(以下MFO)」のサービス休止から一年、新たにスタートした「モンスターファームラグーン」は、よくも悪くもコンシューマー版のモンスターファームとはほぼ別物であり、またMFOとも別物であった。
システム面では、前作で「わかりにくかった」と思われる「特徴的な部分」を大幅に簡素化。
エサはあくまで成長&体色変化のためのものとし、「腐る」仕様を廃止。
習熟度も能力値ごとではなくモンスターごとに統一し、行動ごとではなくフロアのクリアごとに獲得できるシステムに変更。
モンスターの寿命についても「高齢になると育ちにくくなる」というだけに留め、望む限り同じモンスターを育てられるようにした。
MO部分は全てステージクリア型にし、そのほとんどのステージのクリア条件を「敵の全滅」とした。
また、モンスターへの指示の「GO-WAIT-COME」も廃止され、モンスターはブリーダーの後をついてくるのみとなった。
課題とされたコミュニケーション面でも、早期にギルドシステム&ギルドファームを実装。
さらに、MO部分でのドロップを各プレイヤー個別とし、習熟度もPT人数にかかわらず一定とすることで、「わざわざソロでやる数値的メリット」を廃し、いわゆる「野良PT」が生まれやすい環境を作った。
こうして見れば、MFO時代の課題はほぼクリアされていた、はずなのである。
例え、その「特徴的な部分を大幅に簡素化」したことが、ある程度「もともとの持ち味」を犠牲にしてしまっていたとしても。
昨今のMOないしMMOで、いわゆる「ペットシステム」が存在するものはもはや珍しくもなんともない。
そのペットを育成できるシステムがあるゲームも、その中には数多くあるだろう。
だが、それをゲームのコンセプトの中心に据えたゲームとなると、このゲームを含めてせいぜい数作程度であったろうと思う。
だからこそ、そこに愛着を持っていたプレイヤーも多数いた。
今だからこそあえて言うが、このゲームは悪いゲーム、つまらないゲームではなかったのだ。
MFO時代から「どこで課金させようと思っているんだ?」と首をかしげるくらい、商売が下手だったこともあるだろう。
版権元のテクモがコーエーと合併したという事情もあるだろう。
ゲームポットがタイトルの入れ替えを進めていた時期に当たってしまったこともあるだろう。
ゲーム自体も……まあ、完全無欠とはいえず、「ストーリーが短く、レベルのカンストが早い」「対戦の際、全員が準備できていなくても開始されてしまうため、読み込みが遅いと不利」「せっかく野良PTを組んでも、クリアもしくは全滅と同時に勝手に解散になるためその後に何も残らないことが多い」などの欠点もあるにはあった。
それでも、(MFO時代ほどではないにせよ)多くの「他にはない個性」を持っていたゲームだったし、プレイしていてそれなりに面白いゲームでもあった。
そして何より、やっぱりモンスターがかわいかった。
まるまる一年開発に専念した結果が一年間もたなかった、というともはや悪い冗談でしかなく、「三度目の正直」がある可能性は限りなく低いだろう。
そうは思いつつも、自社でオンラインゲームの運営ノウハウを持っているコーエーあたりが「今度は自社で展開するぞ!」とか突然言いだしはしないかと、実は内心期待していたりするのである。
評価
総合評価 | 3.50 |
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システム | 3.00 |
グラフィック | 4.00 |
サウンド | 4.00 |
イベント | 3.00 |
料金 | 4.00 |
運営管理 | 3.00 |
投稿者情報
投稿者 | k3saitoh(15) |
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プレイ期間 | 13~24ヶ月 |
状態 | 引退 |
投稿日 | 2008年6月24日 |
更新日 | 2010年10月19日 |
モンスターファームラグーンサービス終了
本レビューは2008年6月24日に投稿、2010年10月19日に更新され、現状と異なる場合があります。また、ユーザーの投稿をそのまま表示しているため誤った情報が掲載されている場合があります。ご自身の責任においてご利用下さい。