HOUNDS とっつきやすさ以外に褒める場所がない

結論を先に言えば、このゲームをやる意味は薄い、というより全く無いです
同様の、それも上位互換に近いゲームはいくらでもありますのでそちらで遊ぶことを推奨します

【良い点】

●とっつきやすさ
特に複雑な事は無く、TPS未経験者でも導入の敷居は低い
レベルアップによってキャラの能力が上がっていく(PVPでは反映されない)ため、システムを全く理解していなくてもある程度までは難なく突破できる

●武器の導入がわかりやすい
武器の性能はカテゴリーごとに全て固定である為、武器一つ一つの大まかな性能さえ把握してしまえばなんとかなる

【悪い点】

●チープなグラフィック
オンラインゲームである以上はある程度の妥協が必要なものの、それでもグラフィック自体はごくありふれたもので最低限の出来

●武器バランスが非常に悪い
PVP・PVE共に武器バランスが劣悪極まりない
ただしPVPに関してはとある理由から劣悪な環境にせざるを得ない状況になっている（詳しくは後述）
簡単に言えば、一部の武器が強すぎて他が息をしてないという状態

●武器の性能は上位互換と下位互換の二通りだけ
所謂「DPSは高いが精度に難あり」「DPSは控えめだが高精度・低反動」等といった同一カテゴリー内における武器個性が一切無い
一応課金武器には固定オプションという形で無課金武器と差別化がされているものの、一部の能力が強力すぎてそれ以外は役に立たず、そもそも無課金ではその選択肢を取ることが難しい
また、上位武器はただ攻撃力が高いという差別点しかなく、詰めていけば下位の武器の出番は一切無い

●覚えゲー・数と耐久力に頼ったゴリ押し気味なPVE
細かいことを考えずにひたすら撃ちまくるゲームではあるが、防衛でもなんでもこれに終始するので後半へ進めば進むほど作業感が強くなる

●装備の制作が極めて困難
PVEのクリア報酬で武器の設計図のようなものを手に入れ、素材を消費して武器を制作する
これだけなら普通ではあるが、素材の数とドロップ率が尋常ではない
通常のプレイでは1か月かけて武器の1つをやっと作れるといった具合

●内容が薄い
ステージそのものがあまり多いとは言えず、かなり早い段階で全てのステージを一巡出来る
そしてその後やることと言えば装備を作るかPVPをするかぐらいしかなく、前述のように装備作りは一種の苦行であり、後述するようにPVPは非常にお粗末な状況と救いが無い

●PVPは課金者が極めて有利
課金者が耐久力・攻撃力の双方で極めて有利(耐久面で顕著)
無課金はDPSも耐久力も劣っているので、スタートラインに立てていない状態

●PVPにおける突出しすぎた武器の存在
結論から言うと、このゲームのPVPはAIMの良し悪しや駆け引きの上手さ以前に、強力なスキルがある武器カテゴリーを装備しているかどうかが勝敗の分かれ目となる
尚、こうしたバランス崩壊武器によって課金者と無課金の戦力差が埋められているという事実もある
当然これは褒められたことではないが、このようなバランス崩壊武器たちが修正されれば、今度は無課金の勝利が果てしなく遠いものとなる
しかしそのままこれを放置すればユーザー離れは止められず、劣悪な武器格差として不評は広がり続けるという八方塞がりな状態

●運営の管理体制の杜撰さ
チートを使うユーザーへの対処が非常に遅い
不正者や迷惑ユーザーへの対処も当然のように遅く、またそういったユーザーが一向に処罰の対象にならないというパターンもあり、運営の信用は地に落ちているも同然

●イベントの単調さ
イベント専用マップといったものは定期的に実装されてはいるが、既存のPVEをクリアしてクリアポイントを得るという内容が殆どであり変化に乏しい
何よりも同じマップをグルグルと回り続け、対象のマップが変われば今度はそちらをグルグル・・・といった感じで普段と何も変わらない

【総評】
他のレビューでも言われている通り、調理方法を間違えた典型
そのバランスの劣悪さや単調さはある意味貴重と言え、オンラインゲームにおける反面教師として適任であると言える