G30まで続けたいです!「マビノギ」アップデートに関する開発者直撃インタビュー!

ネクソンは、人気MMORPG「マビノギ」において、6月23日にアップデート・「G14S3」を実装。それに伴い、OnlineGamer編集部では韓国の同社開発チームと運用チームにインタビューを行った。

6月18日のオフラインイベントにて今後実装予定のアップデート情報が発表され、6月23日には待望のアップデート「G14S3」が実装されたばかりの「マビノギ」。

今回は韓国開発チームのリーダーであるチョ・ドンヒョン氏と、「マビノギ」サービスチームのリーダーであるキム・ヨン氏の来日に合わせて、「マビノギ」運用チームの平原亮太氏も交え、アップデートに関する直撃インタビューを敢行してきた。

次回大規模アップデートに関する最新情報も含め、盛り沢山な内容となったインタビューの模様を余すことなく届けしよう!

なお、アップデートの内容については既報のオフラインイベントの記事を参照してもらいたい。

実装ホヤホヤのジェネレーション14シーズン3(G14S3)について

――新ストーリークエストの「ゴルバン」はシェイクスピアの未発表作品、という位置付けのお話だそうですが、どんなストーリーが展開していくのでしょうか?

キム氏:このストーリークエストには“ゴルバン”と“アシュリン”という紙人間が登場するんですが、この2人の悲しい恋物語が主軸となってストーリーが進行していきます。「マビノギ」の世界に古くから存在する神様たちの対立も物語に絡めていますので、これまでとは一味違った話が楽しめると思いますよ。ちなみに、これまでのストーリークエストは「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」といった世界的に有名な文学作品をモチーフとしていたので、プレイヤーの皆さんにはある程度内容が予測できる部分が多かったと思うんです。でも、今回は未発表作品ですので、皆さんに未知のストーリーを楽しんでいただき、感情移入しやすくなるように仕上げました。

――いろいろ注目すべきところはありそうですが、このストーリーの見所といえばずばりどこですか?

キム氏:このストーリークエストは最終的に演劇ミッションである「神々の看守」につながっていくんですが、その「神々の看守」の舞台となるダンジョンへ入るためには、クエスト中に登場する“神の羊”と呼ばれる羊の毛を刈って、そこから入手する“神々からのメモ”を集めなければいけないんです。この、「羊の毛に神々からのメッセージが隠されている」というギミックは今までにないものなので、プレイヤーの皆さんにはどんなメモが手に入るのかワクワクしながら羊の毛刈りを楽しんでもらいたいですね。

――演劇ミッション「神々の看守」について詳細を教えてもらえますか?

キム氏:「神々の看守」は難易度が初級、中級、高級、ハードの4段階に分かれていて、プレイヤーの実力に合わせて挑戦することができます。最終的に“ゴルバンのために”というジャーナルタイトルを報酬として用意しているので頑張ってクリアを目指して欲しいですね。

――「神々の看守」では、「ロミオとジュリエット」で出てきた“ブラン”が再び敵として登場するそうですね?

キム氏:そうなんです。戦闘のスタイル自体は変わっていませんが、AIやパラメータは一新したので、以前に戦ったときとはまた違った印象を受けると思いますよ。「ロミオとジュリエット」で登場した時は、プレイヤーの皆さんから“ブラン”に関して大変多くの要望が多く寄せられたので、それらを反映したうえでの再登場となりました。

――主要人物となる“ゴルバン”と“アシュリン”はそれぞれどんなキャラクターなんですか?

キム氏:ふたりはまさしくロミオとジュリエットのような恋人関係にあるんですけど、「ロミオとジュリエット」のお話しとはまた違った恋愛模様が展開していきます。紙人間という弱々しいイメージの通り、ふたりともナイーブで気弱な性格の持ち主ですね。

――なかなか他では見られない設定のキャラクターですけど、この紙人間というアイデアはどこから生まれたんですか?

キム氏:皆さん文章や物語を書き記す際、紙に書きますよね。おそらくシェイクスピアも物語の執筆中はそうであったろうと。そうして彼が紙に書き綴った物語の登場人物、という点から発想をふくらませ、紙人間というキャラクターが誕生したんです。

――シェイクスピアの未発表作品という位置付けでオリジナルストーリーを1から作り上げるのは大変だったんじゃないですか?

キム氏:そうですね、そこは確かに苦労しました。ですが、すでに実装している「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」では、面白いという声の一方で、「なんでマビノギオリジナルのストーリーがないの?」といった意見もあったんです。その要望に応えるためにも、今回はオリジナルのストーリーを頑張って作ってみました。

――オリジナルストーリーの「ゴルバン」に過去のシェイクスピア作品という設定を盛り込んだのは何故ですか?

キム氏:実際にシェイクスピアは消息不明になっていた時期があったので、その時期ならば世間には出ていない未発表作品があったのではないか……、という発想のもとに今回の「ゴルバン」が生まれることとなりました。未発表作品というのはあくまで設定上のことですが、そうした設定と相まって、「ゴルバン」が皆さんにどのように楽しまれることになるのか、今からとても楽しみですね。

ジェネレーション15へと繋がる重要なエピソード、シーズン4(G14S4)の中身とは?

――シーズン4で新たに登場する、カブ港について詳しく教えてもらえますか?

チョ氏:ジェネレーション15の舞台となるベルバスト島を結ぶ交易の拠点として実装することになったのが、このカブ港です。ベルバスト島にはこのカブ港からの航路が繋がっているので、ジェネレーション14と15を結ぶ重要な町という意味合いも持っていますね。シーズン4で新たに「収集日記システム」が追加されますが、この項目のひとつである「釣り」も、港町なら盛んに行われていてピッタリだろうということで、町中では至る所に釣り場を設けています。

――カブ港を実装するにあたって特に力をいれたのはどこですか?

キム氏:カブ港にはランドマークとなる灯台があるんですけど、この灯台から見渡すカブ港の夜景はちょっと頑張りました(笑)。とても綺麗なのでカブ港を訪れた際は是非ともこの夜景を堪能してもらいたいですね。

――カブ港ではどのようなストーリーが展開していくのでしょうか?

チョ氏:カブ港の灯台で灯台守を務めている“アスコン”という老人がいるんですが、カブ港でのストーリークエストでは、彼と協力して灯台をさまざまなトラブルから守ることになります。その過程で、次第に彼の過去が明らかになっていくんですね。彼は子供のころ、ベルバスト島の海賊に誘拐されてから60年もの間、ずっと行方不明だったんですが、この波乱の60年間の内容がムービーとともに紹介されていきます。

――60年って、かなりハードな人生ですね。現在の彼はどういう人物なんですか?

キム氏:“アスコン”のイラストを見てもらえばイメージしやすいと思いますが、外見通りとても穏やかで親しみやすい人物です。すでにシーズン4が実装済みの韓国でも彼の人気は非常に高いですね。

――シーズン4で登場するもうひとりのNPC“アニック”について教えてもらえますか?

キム氏:“アニック”はカブ港にある酒場の女主人です。港町で海の男たちを相手に商売しているだけあって、非常にタフで肝が据わっている姉御肌なキャラクターとなりました。こうしたキャラクターの背景は開発チーム共通のイメージからきているんですよ。ちなみに彼女もカブ港で発生するさまざまなクエストに関わってくるので、楽しみにしていてください。

――個性的なNPCが続々登場していますが、韓国では誰が一番人気ですか?

キム氏:やっぱりシーズン4の“アスコン”の人気が一番ですね。ストーリークエストで彼の過去が明かされてから感情移入してしまうプレイヤーが多かったようです。日本でも結構彼の好感度は高いんじゃないでしょうか。

――「将来の希望システム」が初心者を対象に新たに実装されますけど、これはそういう要望が多かったからですか?

チョ氏:韓国では、次に何をすればいいか分からなくて困っている初心者がよく見かけられたので、初心者向けのガイドラインが必要だと思ったんです。その中でも職業の選択に悩んでいるプレイヤーが多いようだったので、この「将来の希望システム」でプレイヤー個々のスタイルに合わせた職業が選びやすいようにしています。ここで希望する職業を選べば、レベル100までは専用の装備をもらえるし、スキルも自動で覚えていくので誰でもすんなりその職業について理解することができると思います。

平原氏:日本でも最近のメインストリームだとひとりで遊べたり、プレイヤーのレベルに応じて難易度を選べたりできるようになっていますが、昔はとにかく難易度が高くてクリア出来ないプレイヤーも少なからずいたんですよ。だから、今回のように初心者でもすんなり入りこめて、楽しめるようなシステムは必要だと思いますし、実際に求める声も多いですね。「将来の希望システム」ならその職業になるとどのように能力が変化して、どんなスキルを使えるようになるのかも分かるので、すごくプレイしやすくなったのではないかと思います。

詳細はベールに包まれたままのジェネレーション15(G15)に迫る!!

――ジェネレーション15では、「ベニスの商人」がモチーフとなっているようですが、この作品を選んだ理由を教えてもらえますか?

チョ氏:チャプター4のメインテーマが“シェイクスピア”なので、これまではシェイクスピア作品の重厚なストーリーをプレイヤーの皆さんに提供してきました。しかし、今回はちょっと趣向を変えてストーリー中心ではなく、もうちょっとマビノギらしいコンテンツが提供できるエピソードを探そうということになったんです。ちょうどジェネレーション15では、「交易」という新システムを組み込もうと計画していたので、それに合うエピソードならば「ベニスの商人」しかないということで、この作品を取り上げることになりました。

――原作になかったオリジナルストーリーも用意されているのでしょうか

キム氏:実は、原作の話も含めてストーリー部分はあくまで序盤の導入部としての役割が強く、コンテンツの主題となるのはこの“交易システム”なんです。ですからモチーフとして「ベニスの商人」を拝借していますが、そこにマビノギらしい味付けをしているので、ジェネレーション14の時よりもさらにオリジナル要素は強くなっていますね。

――舞台となるベルバスト島について教えてもらえますか?

チョ氏:ベルバスト島はウルラ大陸とイリア大陸のちょうど真ん中に位置する島で、2つの大陸を結ぶ中継都市として機能しています。ジェネレーション15では、当面の間ベルバスト島の一部地域しか公開しないんですが、その地域に住んでいるのは魔族を祖先に持つ人たちなんですね。今では魔族特有の邪悪さ、残虐さというのはほとんど残っていませんが、ジェネレーション15ではそんな彼らと取引しながら「交易」を進めていくことになります。

――それでは「交易システム」の内容について詳しく教えてもらえますか?

キム氏:プレイヤーは自分の足で世界中を旅して回り、現実世界同様に「交易」を行うことができます。お金を稼ぐだけではなく、経験値も手に入るので、非戦闘系キャラクターでもしっかり成長させられる点もメリットですね。交易中にはプレイヤーを狙って盗賊が襲ってくるといった、突発的な戦闘イベントも取り入れようかと検討しています。まだあくまで検討中ですが、もし実現されれば戦闘が好きなプレイヤーにも楽しんでもらえると思いますよ。

――新ペットとして“象”が登場するようですが、どのようなメリットがあるんですか?

キム氏:“象”は交易専用のペットで、そのまま乗り物としても使うことができます。また、“象”がいることでアイテムインベントリが増えるので、一度にたくさんの商品を仕入れることも可能になります。ただし、そう簡単には手に入らない仕組みになっていますので、頑張って交易を繰り返して入手してみてください。しばらくは周囲のプレイヤーの目を釘付けにできると思いますよ(笑)。

今後のマビノギはどうなるの?

――シェイクスピアの作品を導入してみてプレイヤーからの反響はいかがでしたか?

チョ氏:韓国での評判は「もっとシェイクスピア作品のストーリーが見てみたい」というものがあれば、「マビノギの世界には合ってない」という否定的な意見もあったりと、賛否が真っ二つに分かれましたね。「マビノギ」はもともとケルト神話をベースにストーリーが作られているんですが、日本、韓国ともにケルト神話に馴染みがないため、いまいちストーリーに没入しきれないプレイヤーも多かったようです。そこでプレイヤーにも親しみやすい世界的メジャーな作品で、なおかつなおかつゲームコンテンツとの親和性も高い、というものを探しているうちにシェイクスピアにたどり着いたんですが……、なかなかプレイヤー全員に満足してもらうのは難しいですね(苦笑)。

平原氏:日本のプレイヤーでも「シェイクスピアは良かったね」と言ってくれている方は多くいるんですが、「もともと展開していたマビノギのストーリーの続きが気になる」という意見も多く出ていますね。このあたりは韓国と似たり寄ったりといったところでしょうか。

――ジェネレーション15以降もシェイクスピア関連のストーリーが展開していくのでしょうか?

キム氏:一応「ベニスの商人」に続く次のエピソードはもう決まっていますが、それ以降はまだ何も決まっていない状態です。新たな追加コンテンツやプレイヤーの皆さんからの反響なども見つつ、より面白いストーリーを提供していきたいですね。

――プレイヤーから寄せられる要望の中で、もっとも多いものは何ですか?

チョ氏:よく目にするのは武器のシステム強化ですね。既存の武器をもっと強化できるような「精錬システム」を追加して欲しいとか、戦闘に関するものが多いと思います。現在、韓国でも新しい「精錬システム」を8月頃に追加しようと考えていますので、日本でも10月頃にはお披露目できるんじゃないかと思います。

平原氏:日本のプレイヤーは武器の要望だけじゃなく、「ロマン農場」みたいな箱庭的なシステムも好評なので、今後はそちらにも力を入れたいと考えています。いわゆる「生活系」と言われるような、ほのぼのとしたファンタジーライフを楽しんでいる方も多いようですね。

――今後の目標や意気込みなどを教えてもらえますか?

キム氏:プレイヤーから寄せられた質問の中に「ジェネレーション30までは続くんですか?」というものがあったんですが、その質問に答える意味でもジェネレーション30まで続けていきたいですね(笑)。あとは、開発サイドの具体的な目標として、プレイヤー数を今の2倍まで増やしたいと考えています。これは決して簡単なことではありませんが、実際にプレイヤーが増えれば、課金システムや売上に関する問題など、運営を取り巻く環境も自然と解決していきますしね。ですから、今はプレイヤーの皆さんに楽しいと感じてもらえるコンテンツをどんどん増やしていって、1人でも多くのプレイヤーを獲得していけるようなゲームを作っていくことに力を入れています。

平原氏:我々もオフラインイベントなどを通じて、プレイヤーの皆さんは「マビノギ」に大変熱い思いを持っておられて、すごく細かなところまで注目して下さっているということを肌で感じることができました。そんな皆さんの期待に応える意味でもストーリーなども綿密に練って、より良いものをお届けしていけるように頑張っていきたいと思います。

――最後に読者の方へメッセージをお願いします

チョ氏:日本では6周年を迎えましたが、ここまで長く「マビノギ」を続けることができたのは、やはりプレイヤーの皆さんが支えてくれたからこそだと思います。オフラインイベントもそうですが、こうしたインタビューを通じて、日本のプレイヤーの方と接することができるのはとても光栄です。これからも我々開発陣とプレイヤーの皆さんが一緒になって「マビノギ」を作っていきたいと思っていますので、皆さんにはこれからも「マビノギ」を愛して頂けるようよろしくお願いします。

平原氏:日本人プレイヤーの皆さんは積極的に協力してイベント盛り上げてくれるのでとても感謝しています。今後のメインストリームや追加コンテンツにも期待していただきたいと思っていますし、オフラインイベントももっと楽しめるものを企画・提供できるよう努力しますので、応援よろしくお願いします。

――本日はどうもありがとうございました。


オフラインイベントからほとんど間を置かずにアップデートの実施と、今まさに大きな盛り上がりを見せている「マビノギ」。今回のインタビューではアップデート情報だけでなく、開発に関わるスタッフたちの「マビノギ」にかける意気込みや情熱までもがヒシヒシと伝わってきたインタビューとなった。G30まで続けるというキム氏のメッセージ通り、まだまだこの勢いが止む気配はなさそうだ。

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