ファイナルファンタジーXIV 足掛け3年の作り直しで、ようやく平凡な量産型MMOレベルに。

【良い点】

正直、あまり見当たりませんでした。

強いて挙げるなら、ゲーム全体の固有名詞・世界観・各種概念などが
徹底的なまでに過去のFF作品からの流用要素のみで構成されており、
初期からのFFファンであれば、ノスタルジーに浸る事は出来るかもしれません。
（特に、FF2からは戦闘音楽・のばら・帝国など多くの流用があり
　フィールド音楽の中にも、モチーフ単位で流用したものが多く見受けられます。）

かく言う私自身も30年来のゲーマーであり、
当然、FFも初代から全てリアルタイムで経験してきた身ですので、
いくらか心揺さぶられる所もありましたが…

しかし残念ながら、全体的な心証としては
「ああ、もう今のスクウェアには新しいものを作り出す力は残っていないんだな」
「過去の名作達を墓場から掘り起こして凌辱するのは、もうやめてくれ」
という、近年続いているスクウェアの堕落に対する無念がより一層強まるだけのものでした。

このFF14というゲーム、本当に隅々まで
「自力で世界を構築して”新たな価値を生み出す”事は諦めて、手っ取り早く他の権威に縋ろう。」
という姿勢が徹底されています。
こういった形のコンテンツを楽しめる人というのも、いくらか存在するのは事実でしょうが…
一体、何が”新生”だったのでしょうか？

【悪い点】

ここまでに述べた要素は、人によっては楽しみともなり得るものでしたので
ここからは誰にとっても不満としかならないような要素を挙げていきます。

●装備が常に一択で、アセンブルの楽しみが全く無い
いきなり致命的です。これはゲームとして致命的にも程があるでしょう。
何故、10年以上も昔の作品であるFF11から見てすら劣化しているのか？
武器、防具、アクセサリ、どれもこれもレベル帯ごとに常に一択なんですよ。
韓国／中国製の量産型MMOでも、もう少しはマシというものです。

●とにかくダルいお使いクエスト
クエストは基本的にこの形しかありません。とにかく走る。下手すると何度も往復を強いられる。
シナリオ進行上必須となるイベントで、同じ場所を3～4往復ほどさせられた時は
流石にその時点で止めようかと思いました。

●異常なまでに少ないシステム発行ギル
まぁ、これはインフレ対策として必要な事ではあります。
しかし、本質的に重要なのが”発行と回収のバランス”である事は言うまでも無いでしょう。
このバランスが完全に崩れています。
そして、システムによるギル回収は主に”移動料金”を通して行われる、という形が
問題をより深刻にしています。
つまる所、各地を移動しているだけであっという間にギルが枯渇するんですよ。
この移動面に於ける悪環境の中で、前述のお使いクエストの嵐…
必然的に、マラソンゲーになるという訳です。

●今作の目玉システムの一つであるFATE
これは、基本的には中々よく出来たシステムです。
各エリアで常に、時間限定のランダムイベントが発生したり消滅したりしている、というものですが
しかしこのイベント、そのエリアに居るプレイヤーならば誰でも達成可能＝消滅となるので

おっ、FATEが発生したか、と走って現場に向かう
↓
既に他の誰かがやっていて、到着直前に消滅する
↓
しょうがない、次に期待しよう…おっ、今度はあっちで発生か！ダッシュ！
↓
やはり既に他の誰かがやっていて、到着直前に消滅する

といった、笑えないギャグの様な展開が多発します。
今まで長々とβテストをやってきて、何故に
「他人が着手したFATEはその進行状況を表示し、既に終了直前なら無駄足を回避できる様にする」
という当然の結論に辿り着けなかったのでしょうか。

【総評】

”新生”という事で、いくらかの期待を込めてプレイしてみましたが
結果としては残念な内容でした。

お使いクエストでマラソンを繰り返しながら、配給される一択の装備を順番に付けていき、
毎回同じ職構成になるオートマッチングで、内容固定のインスタンスダンジョンをひたすら反復…

これでは流石に眠くなるというものです。
お疲れ様でした。