選手をカード形式で集め、手持ちのカードでオーダーを組み……というシステムは、もはやオンラインの野球ゲームでは当たり前であるが、「データとしてのみ存在するカード」ではなく、「実際に店頭で売られているカード」を持ちこめるようにしたのが、このゲームの「表向きの」最大の特徴である。
一応プレミアム会員的な要素も実装予定のようだが、恐らく主な収入源として考えているのがこのカードの販売だろう。
実際、カード3枚で315円はこの手のカードとしては高い部類である。
カード1枚にウエハースつきで105円は……食玩としては無難な線か。
ともあれ、「ゲームそのものに課金する」のではなく、「リアルにカードを販売して収益を得る」ビジネスモデルである以上、主なターゲットは一般的なオンラインゲームの顧客層とはだいぶ異なってくる。
平たく言えば、そこまでゲームに詳しくない・慣れていない層をも「ゲーム『も』遊べますよ」と引き込みたいのが本音だろう。
幸い、パソコンならOSを問わずプレイでき、また携帯からでもプレイできるシステムのため、間口は驚くほど広い。
実際のプレイに関しても、一軍に登録する選手を手持ちのカードから選び、ローテーションやオーダー、控え選手の起用法などを決めれば、勝手にチームの傾向から采配傾向が割り出されるため、そこまでややこしいことを覚える必要はない。
あとは、肝心のゲーム自体がどうか、だが。
プロ野球の結果をインターネットで、それもリアルタイムで調べたことはあるだろうか。
動画ではなく、Yahoo!などの一球速報であるとか、一打者ごと、あるいはイニングごとに更新される速報であるとかだ。
このゲームは、まさに「それ」である。
「試合が行われている時間」にログインすると、今まさに試合が進行していくのを、パソコンからなら一球速報ならぬ一打席速報で、携帯からならイニングごとの途中経過で見ることができる。
まるで本物のプロ野球の試合の途中経過を見ているような感覚。
これはこうして試合の途中経過を調べて一喜一憂した経験のある人間以外にはきっと説明してもわからないし、逆にその経験がある人間には「あれか!」とすぐに共感してもらえることと思う。
一見チャチにも思えるグラフィックも、ポンポン出力される定型のテキストも、まさに「それ」以外の何物でもない。
ほぼ年中無休で「それ」が味わえるというのは、プロ野球ファンにとっては至福でありまた拷問でもある。
これがこのゲームの「本当の」最大の特徴であると言えよう。
こうした演出まで含めて非常に優れたシステムだとは思うが、反面まだゲーム開始から日が浅いせいか、シミュレーション部分のバランスがまだ今一つな点も多々見受けられるためその分を減点し、期待値込みで3に近い4。
グラフィックは演出の一部と考え、単独で評価するには不適当と判断して評価なし(3のまま)。
サウンドも存在しないので評価のしようがない(3のまま)。
イベントについては、現状「始球式が当たるキャンペーン」「野球好きの芸能人によるリーグの運営」そしてカードパックの初回特典(1リーグ使い切りのスーパースターカードのコード)くらいで、特にいいとも悪いとも言いがたいので3のまま。
料金は、ウエハースならそう高い気もしないし、カードの方も「やや高めの野球カード」と割り切……れるかは微妙なところだが、減点するほどでもないのでひとまず3とした。
そして運営に関してだが、運営を担当しているのが「いわゆるオンラインゲームを専門とする会社ではない」せいか、バグ報告等に対するレスポンスや対応が(他のゲームと比較すると)異様なまでに早い。
さすがはバンダイと言うべきか、何にしても安心して遊べることは確かである。
プロ野球ファン以外には全く食指の動かないゲームであると思うが、プロ野球が好きで、特にネットで試合結果を追うのに慣れているプレイヤーには最適なゲームかもしれない。
評価
総合評価 | 3.50 |
---|---|
システム | 4.00 |
グラフィック | 3.00 |
サウンド | 3.00 |
イベント | 3.00 |
料金 | 3.00 |
運営管理 | 5.00 |
投稿者情報
投稿者 | k3saitoh(15) |
---|---|
プレイ期間 | 1ヶ月未満 |
状態 | 活動 |
投稿日 | 2010年3月19日 |
更新日 | 2010年3月23日 |
プロ野球 オーナーズリーグサービス終了
本レビューは2010年3月19日に投稿、2010年3月23日に更新され、現状と異なる場合があります。また、ユーザーの投稿をそのまま表示しているため誤った情報が掲載されている場合があります。ご自身の責任においてご利用下さい。