メイフマスターズあらゆる意味でツラかったゲーム

「愛着型」をうたうかわいらしい雰囲気のMMO。
　世界観的には「なんちゃって石器時代（石器時代風なのにバス停や銃やギターが存在する）」のような感じで、まあ個性的と言えば個性的で面白い。

　ウリである「メイフ」は結構な種類があり、卵も適度に敵からのドロップなどで入手できるため、いろいろなメイフを育てられるのはなかなかに楽しい。
　まだ詳細な進化の分岐条件などがわかっていないこともあり、第一段階の赤ちゃんメイフから第二段階に進化する際は結構ドキドキである。
　また、メイフには「騎乗型・非騎乗型」の区別や、様々な属性などがあり、状況に応じてメイフを入れ替えて戦う必要があるのも戦略的で面白いと言えるだろう。
　ちなみに、戦闘時・非戦闘時を問わず、このゲームのメイフ（や敵モンスター）はわりとよく喋る（セリフが出る）。
　その内容は必ずしもかわいらしいグラフィックにあったものではなく、あまりのシュールさに苦笑せざるを得ないようなものもたまにある。

　と、そういった辺りは確かに独特で面白いのだが、それを除くと、実は基本システムやプレイアビリティ関連、そしてゲームバランスなどはボロボロである。

　トンネル状になった橋はしょっちゅう移動先指定が天井に行ってしまって逆方向に走り出すし、マップを表示しないと画面右上に常駐しているレーダーでは自分の向きくらいしかわからない。
　NPCに用事がある際はまずその相手を選択した後に「頭上に表示される丸いアイコンから用件を選ぶ」のだが、カメラ位置によってはアイコンが画面外に出てしまって全く反応がないように見えることもある。
　いろんなモンスターが入り乱れて生息している様は眺めている分には賑やかでいいが、実際その中から特定のモンスターを狩るとなると結構大変だったりするし、アクティブな敵とノンアクティブな敵、それも見た目だけでは判別できないような敵が入り交じっているところではちょっとでも気を抜くとアクティブかつ比較的高レベルな敵に奇襲されてあっという間に戦闘不能、もある。
　そして戦闘不能になればなったでデスペナルティがあまりにもきつい……というより、レベルが12を越えた辺りからレベルアップに必要な経験値が恐ろしく多くなる（＆それを基準に算出されるデスペナルティも多くなる）のに対して、敵を倒してもらえる経験値があまりにも少なすぎる。
　その上、正式サービスに移行しても相変わらず1サーバ1チャンネルしか開いていないせいか、だいたいの「いい狩り場」は人口過密状態であった。

　課金アイテムは（あくまで個人的な感想だが）他のゲームと比べても明らかに高い印象があり、ガチャも当たり前のように実装されるなど、何か力の入れどころを間違った印象のあるゲームであった。

　……とまあ、課金やら何やらはさておき、少なくともゲームバランスに関してはプレオープンβやオープンβでこのレベルに達したプレイヤーが少なかったせいか、問題が表面化する前に正式移行してしまってどうにもならなくなった印象が強い。
　やはりオープンβを（予定通りとはいえ）1週間で打ち切って正式サービスに移行したことはどう考えても失敗だろう。

「ペットを育てて一緒に戦う」という内容を中心に扱ったのは悪くないと思うが、いかんせんそれ以外の部分がボロボロすぎて、正直誰にも勧められない状態だった。
　結局あっという間にサービス終了という憂き目にあったのだが、思い返してみればそれもやむなし、といったところか。