ファイナルファンタジーXIVのレビュー・評価合う人には良い。合わない人には取り付く島もない。

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 オンラインゲームとして完成度は高いと思いますが、敷居が果てしなく高く、かなり人を選ぶゲームになってしまっています。場は素晴らしいものの、空気に問題があるといった感覚です。

 このゲームは遊び方が画一化されていて、それに沿えないプレイヤーは弾き出されます。常に最適解のみを完璧に再現し続けることがゲーム内の法であり、守れないものは淘汰されるのがFF14の摂理です。「うわーごめん!やっちまった(泣)」「ああいいよいいよ、次頑張ろうぜ!」なんて和やかには決していきません。
 よく一人でも遊べますと言う人がいますし、そのためのCF(コンテンツファインダー・高性能自動マッチング機能)という機能だったのでしょう。が、残念ながらそれを利用して万が一、ほんの些細なミスでもしようものなら、語るのが憚られるほどの暴言が飛んできます。一人でも手軽に入っていけるようにと開発者は考えたのでしょうが、その意図とは全く逆の結果になってしまっているのが残念です。メインクエスト中で暴言なんて見たことがないという人は、それなりに運に恵まれている人なのでしょう。このゲームでの暴言は文化であり公用語です。
 ちなみに新コンテンツの自己開拓が許される(らしいw)、ごく少数のトッププレイヤー間では、その攻略法について「自分が正しい!いや自分の方法こそ絶対だ!」という争い(公用語の投げ合いw)になることがあるそうです。プレイヤーとしてのレベルを問わず、空気自体に大差はないみたいですね。

 ゲーム(各種競技・ギャンブル類・政治経済学術の用例は含まず日本での一般的な意味合い)とは遊びの一種で、余暇を充実させるための手段の一つであるはずですが、このゲームは果たしてそれに当てはまるか? 各種媒体での情報収集などの事前準備は当然として、失敗は一切許されない。常に完璧を義務化されるFF14プロフェッショナルのみ存在が認められるようなものを、果たして遊びといえるのでしょうか?
 生活に必要な対価の発生する職業だというなら理解するべきですし、チーム制のeスポーツなら競技だからそういうものと言えるでしょう。しかし、FF14のプレイヤーに求められているものは、プレイヤー個人の金銭的利益や紛糾紛争ではなく、協力しあって楽しむことのはずです。協力するためにプレイヤースキルを磨けという意見は、遊びとしてのゲームである以上、もっともらしく聞こえますが少し違います。みんな結果を出したいのですから努力は当然されるでしょう(それが面白さの一つ)が、遊びではそれを強要する権利は誰にもありません。相手が拙いと思う人は平和的(急用とか言えば良いかと)に去り、納得いく相手を探せば良いだけです。逆に何度もメンバーに抜けられる人は、自分には何か問題があると考えたほうが良いでしょう。

 ゲームとしてはかなり面白く、ビジュアルやサウンドはもちろん、システムやシナリオ等全てにおいて高水準なのは間違いありませんから、場としては最高ランクです。しかし、その空気を例えて言うなら、ゲーム界のブラック企業というのが適切かと思います。ただ海外ではそうでもないようなので、残念なことに日本では、日本製であるにもかかわらず、お国柄に合わない部分もあるのかもしれません。

 私は余暇は何かに縛られることなく、心安らかにすごしたいタイプです。模範解答のトレースより、失敗を重ねつつ探求していくこと、またそうしている人に協力することに意義と喜びを感じるタイプでもあります。そして実践しきれてはいませんが、相手の意思も尊重し協調性や寛容さを大切にしたいと常々心がけています。そのためかこのゲームを作品としては高評価できますが、遊びとしては楽しめなかったためオススメはいたしません。

評価

総合評価 4.00
システム 4.00
グラフィック 5.00
サウンド 4.00
イベント 3.00
料金 5.00
運営管理 3.00

投稿者情報

投稿者 kanza(10)
プレイ期間 2~3ヶ月
状態 引退
投稿日 2020年3月24日
更新日 2020年4月23日

ファイナルファンタジーXIV公式サイトAD

本レビューは2020年3月24日に投稿、2020年4月23日に更新され、現状と異なる場合があります。また、ユーザーの投稿をそのまま表示しているため誤った情報が掲載されている場合があります。ご自身の責任においてご利用下さい。

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