2017年は理想の形にすることができなかった―「BLESS」新職業“ミスティック”や新ダンジョンも明かされた運営チームインタビューをお届け

ゲームオンがサービスするMMORPG「BLESS」について、2017年の振り返りや今後の展望を、運営プロデューサー・箕川学氏、運営チーム・中村直樹氏に聞いた。

2017年11月2日にオープンサービスを開始したMMORPG「BLESS」は、久方ぶりの大型MMOの到来ということで、注目度も非常に高いものがあった。だが運営が思うようにいかないことも多くあったようで、多大なる迷惑をプレイヤーにかけてしまったと運営チームは語る。

そんな「BLESS」の2017年の振り返りや今後の展望について、運営プロデューサー・箕川学氏、運営チーム・中村直樹氏にインタビューを実施した。

箕川学氏(左)中村直樹氏(右)

――まずは2017年を振り返ってみてどうでしたか?

箕川氏:2017年を一言で表現すると「僕たちが理想としていることがほとんど出来なかった」、この言葉に尽きます。プレイヤーの皆様には多数の不具合、そして不具合修正が結果的に下方修正の形になってしまうなど大変ご迷惑をおかけしました。

僕たち運営チームも「こういうものを実装したい」という理想があったのですが、開発元と協議していく中で実装が難しかったり、実装に時間がかかってしまっている事が多々ありまして、先程申し上げたように、やりたい事が出来ず皆様に多大なる迷惑をかけてしまったというのが、2017年の振り返りになります。

――その部分はこれから改善できそうですか?

箕川氏:開発元もリソースが限られているので、正直に申し上げますと劇的に変えるのは難しいと感じています。ただ、そこをどうハンドリングするかが僕たちの仕事なので、プレイヤーの皆様の意見を開発元にしっかり伝えられるように努力します。もちろんシステム的にどうしても難しいこともありますが、できる限り去年の反省を活かして、2018年は良くしていきたいです。

――プレイヤーの方からの意見にはどのようなものがありましたか?

箕川氏:一番多かったのは、ゲーム内の金策が少ないという意見です。先程お話した不具合修正の中で金策が削られていった、というのが大きな要因です。その点に関しては、少しずつですが改善しているところで、先日3月14日のアップデートでも報酬やドロップアイテムの調整が行われました。金策に関しては継続的に改善していきます。

――不具合が多発したとのことでしたが、どういった部分に原因があったのでしょうか?

箕川氏:運営チームと開発元共に、タイトなスケジュールの中での作業進行になったことが原因だと分析しています。12月のアップデートから3月のアップデートまで期間を置いたのも、このまま運営していても不具合が続くだけだから立て直そうという目的がありました。今後は、開発元はもちろん、運営チームもデバックを強化して不具合の発生率を抑えていけるように努力したいと思います。

――カーストラ攻防戦についてはどうでしょうか?

箕川氏:カーストラ攻防戦に関しては、引き分けが多いという意見と、陣営間に人数差があると入場できないという意見がありました。前者に関してはもう少し様子を見たいので少々お時間をください。後者に関しては事前入場を促進する仕組みの導入に向けて動いています。実装時期は明確に申し上げられませんが、間違いなくその方向で進んでいますのでご安心ください。

最大200人という大規模で行われる陣営対抗の“カーストラ攻防戦”。

後はそもそもの戦闘システムが単純で退屈な戦闘だとの声もありました。これはCBTの頃から皆様に言われていたことで、僕たちも開発元に改善をお願いしていた部分でもあります。

――それでOBTの時にエフェクトや効果音が追加されましたよね。

箕川氏:そうですね。ただそういった部分だけでなく本質的な部分についてです。この点に関しても改善をしていきます。僕たちもまだ実際の動作を見られていないのですが、ダイナミックな戦闘が楽しめるように変化します。後はモンスター側のAIにも、様々な戦闘パターンを用意して戦闘に幅がでるような方向で進んでいます。

OBT開始時にエフェクトや効果音が追加された。

――クライアントの挙動に関しては何か意見がありましたか?

箕川氏:ゲームが重い、ローディングが長いという意見がありました。こちらに関しては継続的に対応中です。ちなみに3月14日のアップデートでも、どことは明確に言えないのですが、作業を実施しました。

――ポジティブな意見はありましたか?

箕川氏:プレイヤーの方にゲームプレイに関するアンケートをとったのですが、多くの項目で満足していないという意見が多数を占めていました。僕たちもこれはやっぱりなと感じているので、結果を開発元と共有しながら改善していこうと考えています。

――皆さんが一番多く遊ばれているコンテンツはなんでしょうか?

箕川氏:「戦歴の誇り」という、モンスターを討伐していくコンテンツです。正直僕たちは、これが1つのコンテンツとして盛り上がるとまでは考えていなかったので意外な結果でした。おそらく効率よく報奨を得られるから、というのが理由だと考えています。

「戦歴の誇り」は、指定されたモンスターを一定数討伐することで報奨を得ることができる。

――では、今後「戦歴の誇り」を拡充していく予定はありますか?

箕川氏:明確にはありませんが、達成の段階を増やすとか対象モンスターを増やすなどの施策をやっていけたらと思っています。

――「戦歴の誇り」が多く遊ばれているのは、インスタンスダンジョンの効率が良くないということなのでしょうか?

箕川氏:そこは使い分けですね。装備を取得するためにインスタンスダンジョンは活用してもらっています。

また、インスタンスダンジョンに関して、ランダムダンジョンという自動マッチングシステムがあるのですが、一部のロールが不足してマッチングしないという意見も多々もらっています。これは僕たちも想定内だったので、パーティマッチングのシステムについて代替案を考えているところです。

ランダムダンジョンは指定のロールが揃わないと出発することができない。

――どういった仕様を検討されているのでしょう?

箕川氏:現在のシステムは、プレイヤー視点でどのロールが不足しているか知るすべが無いんですよね。それを可視化することができれば、緩和に繋がるのではないかと考えています。

――その他、なにか意見はありましたか?

箕川氏:ワイバーンの速度を上げて欲しいという声が多かったですね。これは既に計画中です。

――それでは今後の運営方針を教えて下さい。

箕川氏:新しいコンテンツをどんどん追加していくというのは当たり前のことなんですが、それだけでは現状に不満を持たれている皆様や、既に引退された方のケアにはまったくならないと考えています。まずは既存の問題点を改善し、その上で新しいものを追加していこうと思います。

――ちなみに新しいコンテンツはどういったものを予定していますか?

箕川氏:ハウジングです。これは日本側からもかなり前から要望を出していました。皆さんから頂いた意見のおかげもあって、いけそうな流れになっています。もちろん「アーキエイジ」のようなものを期待されると難しいとは思うのですが……。

※イメージ画像

――逆にあれがきたらびっくりです。

箕川氏:そこは「BLESS」の特色を打ち出したハウジングにしたいなと考えています。まだ明確なことは決まってないのですが……。あとは、空を活かしたコンテンツも計画中です。僕たちも“空に浮かぶ島”としか聞いていないのですが。他にも、海を活かしたコンテンツも計画中です。

現状でも、飛ぶこと泳ぐことは可能。ここに新しいコンテンツが入る……?

――どういったコンテンツになるのでしょうか?

箕川氏:現状だとまだ不明です。ただ面白くなければコンテンツを入れる意味がないというのも事実です。実は元々テイミング関係のコンテンツで実装予定のものがあったのですが、実装を見送ったものがありました。

――確かに2016年に行わせていただいた開発元へのインタビューの時は、テイミングできるモンスターが3つの種類に分かれていたと記憶しています。

箕川氏:そうですね。現在テイミングできるモンスターは“愛玩”と“騎乗”の2種類ですが、本当でしたら“ミニオン”という手下のようなものが存在していました。この“ミニオン”は、もっと早い時期にリニューアルして実装する予定だったのですが、まだまだ完成度や面白さの部分でより追求できると考え、実装を一時見送りました。そういった経緯もあり、まだテイミングできないモンスターが存在しています。お待ち頂いている皆様には申し訳ないのですが、実装がゴールではなく楽しんで貰うことが目的なので、作り直しまでお時間を頂ければと思います。

――新種族や新職業の追加はありますか?

箕川氏:新種族、新職業ももちろん控えています。新職業は回復支援系の「ミスティック」になります。また、新ダンジョンの実装や、レベルキャップ解放も予定しています。

新職業「ミスティック」を画像で紹介

キャラクタービジュアル

スクリーンショット

※開発中の画像のため実装時とは異なる場合があります。

新ダンジョンを画像で紹介

※開発中の画像のため実装時とは異なる場合があります。

――実装時期はいつ頃になるのでしょうか?

箕川氏:大体この辺でというのは考えていますが、具体的にはまだお話できません。

――「BLESS」はゲーム内イベントなどが少ない印象を受けます。

箕川氏:大変申し訳なく思っているのですが、まずはゲームの仕様改善を優先して進めていきたいと考えているので、もう少しお待ち下さい。もちろん、今後に向けてこういうイベントを作って欲しいと要望はしています。

――アバターなどの反応はどうですか?

機工都市の技師
機工都市の技師

箕川氏:3月14日にスチームパンク風の「機工都市の技師」というアバターを実装したのですが、これは非常にご好評をいただきました。

このアバターは、プレイヤーの皆様にどういう衣装が欲しいかと、Twitterで聞いた案を元にデザインされたものになります。他にも皆様のご意見を反映したものも、かなり実装させてもらっているので、今後もご意見を頂ければと思います。

オープンサービス前から言っていた「『BLESS』は未完成な部分があるので、皆で作り上げていきましょう」というのは、2018年も継続していくつもりです。

――「BLESS」は戦闘がメインコンテンツというお話がありましたが、今後もメインに据えていくのは戦争系になるのでしょうか?

箕川氏:戦争系のコンテンツは「BLESS」の中心になると考えていますので今後も追加していく予定です。それが陣営vs陣営なのかギルドvsギルドなのかという違いはありますが。

――戦争系コンテンツの参加率はどうですか?

箕川氏:コンテンツによりますね。少人数のコンテンツは、参加者があまり多くありません。逆に100対100のカーストラ攻防戦の参加率はいいですね。3月14日に追加された「エメラルド海資源争奪戦」は、15対15だったので心配ではあったのですが、今の所多くの皆さんに遊んでもらっています。毎週ルールが変わるので飽きずに遊べるというのが大きいのかなと考えています。

エメラルド海資源争奪戦

――今流行りの100人のプレイヤーが生き残りをかけて戦うというルールを追加する予定はありますか?

箕川氏:今凄く流行っていますもんね。「BLESS」でやるなら最初はワイバーンに乗って空から降りてくる感じになるのでしょうか(笑)。でも凄く面白いと思うので開発元に提案してみます。

――システム的なゲーム内イベントは現状難しいという話でしたが、GMイベント的なものを実施する予定はありますか?

箕川氏:現状だとまだ難しいかなと考えています。というのもオープンサービス前より忙しいという現状があり、開発と運営共にあまり余裕がありません。僕がTwitterで呟かなくなったのもそれが原因でして……。本当だったらゲーム内でプレイヤーの方と遊びたいのですが、正直そこまで手が回っていません。ただ、GMイベントは現在企画中です。

――オフラインイベントなどを行う予定はありますか?

箕川氏:僕は凄くやりたいと考えているので、何とか今年は実施したいと思います。ゲーム内の改善点が多い中オフイベなんかやってる場合か、というご意見も尤もだと思いますが、そういう状況だからこそ、プレイヤーの皆様と交流を図っていきたいと思います。

――生放送などは予定していますか?

箕川氏:生放送もどこかで考えていますので、もう少々お待ち下さい。また、僕の個人Twitterも少しずつ復活したいなぁと思っています。今までのように全てにリプライ返しは難しいのですが、移動中やご飯中などにできるだけTwitterで呟いていきたいですね。

――公開できるロードマップなどはありますか?

箕川氏:現状公開できるものはまだありません。言えることとしては、「BLESS」は現状3ヶ月スパンでアップデートを行っていますが、今後はもう少し短い期間でアップデートを実施していこうと考えています。オープンサービスからずっとバタバタしていたので、一度立ち止まって改善案を整理するのに時間を頂いておりました。

――それでは最後にコメントをお願いします。

箕川氏:不具合修正や新コンテンツの実装は発元にもリソースの問題や方針もありますが、僕たちはそこを理解しつつも、プレイヤーの皆様の意見に耳を傾けて、これからも三者一体となって「BLESS」を作り上げていきたいと思います。

――ありがとうございました。

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