「攻殻機動隊」らしいサイバーパンクな魅力が詰まった「攻殻機動隊SACオンライン」プレスカンファレンスレポート

ネクソンが2016年11月の正式サービス開始を発表した「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX - First Assault Online」。本日9月6日に、ニコファーレにて本作のプレスカンファレンスが開催された。

本発表会では、本作のプロジェクトマネージャーを務める村下優氏よりゲーム概要の紹介、およびサービススケジュールの発表が行われた。また、プロゲーミングチーム「DetonatioN」のメンバーであるDustelBoxさんも登場し、プロゲーマーによるプレイのもと、実機でのゲーム説明も行われた。

オーウェン・マホニー氏
オーウェン・マホニー氏

まずは、ネクソンの代表取締役社長であるオーウェン・マホニー氏が登壇し、本作に対する意気込みを語った。オーウェン氏は同社の方針として、「高品質のゲームを提供することはもちろん、それらを長期的にサービスし続けて成長させることが重要」と切り出し、続けて「講談社やProduction I.Gと協力しながら、同社の強みであるPCオンラインゲームのノウハウとグローバルな事業基盤を活かして、本作を日本だけでなく欧米を始めとした全世界に向けて配信していく」と語った。

オーウェン氏は自身も「攻殻機動隊」シリーズの大ファンであることを明かした上で、「『攻殻機動隊』のような素晴らしい作品のゲームをネクソンからユーザーに発信できることを誇りに思っている。本作は、戦略的なチーム戦を特徴としたFPSゲームで、特に原作の個性豊かなキャラクターの特徴を再現したスキルと、それらのスキルを戦闘中に味方に共有できる“スキルリンクシステム”が大きな魅力となっている」とコメントした。

村下優氏
村下優氏

ここでオーウェン氏は降壇し、入れ替わりに本作のプロジェクトマネージャーを務める村下優氏が登場。本作のゲーム概要の紹介を行った。

本作は、アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を原作としたオンラインFPSゲームだ。アニメに登場するキャラクターや光学迷彩、義体のカスタマイズといったアニメの世界観を活かした要素が盛り込まれており、既存のFPSタイトルとは違ったゲームプレイが体感できると村下氏は語った。

また、本作はアニメと同様の声優陣が起用されており、ゲームプレイ中はさまざまな状況に合わせてキャラクターのセリフを聞くことができる。また、戦況を教えてくれたり拠点の状況をアナウンスしてくれたりと、プレイヤーをサポートしてくれる一面もあるので、本当に“公安9課の一員”になったような気持ちでプレイすることができる。

続いて、本作に用意される3つのゲームルール、「チームデスマッチ」「デモリッション」「コンクエスト」が紹介されることに。

「チームデスマッチ」は、最大8対8の16名による対戦で、相手を倒して(キル)先に一定のポイントに到達したチームの勝利となるルールだ。FPSの最も基本的なルールであり、シンプル故にFPSの醍醐味を味わうことができる。

「デモリッション」は、敵の陣地に爆弾を設置する攻撃側と、それを阻止する防衛側に分かれて戦うルールだ。2つの拠点があり、攻撃側はどちらかの拠点に爆弾を仕掛けて拠点を破壊することが目的となり、防衛側は制限時間内に拠点を守り切ることが目的となる。両チーム共、敵を全滅させても勝利となる。

「コンクエスト」は、一定時間毎に出現する拠点を多く制圧したチームが勝ちとなる、いわゆる陣取りゲームだ。拠点を制圧するには、拠点範囲内にチームの誰かが一定時間入っていなくてはならない。拠点に攻め込む攻撃的な行動と、制圧中に味方を守る防御的な行動が瞬時にシフトする、難しくも非常に戦略性に富んだルールとなっている。また、拠点を制圧すると「攻殻機動隊」のマスコット的存在、タチコマを呼び出して支援を要請することが可能になる。

なお、このほかのルールについても制作が行われている最中とのことなので、続報に期待しておこう。

本作に登場するマップについては、アニメに登場する場所や舞台をモチーフとしたデザインで作られている。アニメを舞台とした魅力的なマップは、今後も続々と追加される予定だ。

DustelBoxさん
DustelBoxさん

ここで、プロゲーマーのDustelBoxさんが登場。本作の最大の魅力であるキャラクターとスキルについて、村下氏の口頭での説明とあわせて、DustelBoxさんによるゲームプレイで紹介されることに。

まず始めに紹介されたのは、公安9課の実質的なリーダーである“草薙素子”。素子のスキルは光学迷彩で、自身の身体を一定時間透明化することができる。透明化といっても完全な不可視になるわけではなく、大きく動いていたり、よく目を凝らすとその姿を捉えることができる。また、射撃中は光学迷彩が解除されてしまうので注意しよう。射撃を中断すると再度透明化が開始され、スキル発動中であればこれを何度も繰り返すことができる。

両目の義眼が特徴的な“バトー”のスキルは、腕から強力なグレネードを発射するアームランチャーだ。放物線を描きながら進むグレネードは弾速こそ遅いものの、ヒットすると一撃で敵を倒すことができる。範囲も広いので、集団を一掃するのにもうってつけだ。また、先述したタチコマや、後述するセントリーガンなどの特殊なオブジェクトを破壊するのにも非常に適しているので、チームに1人は欲しいキャラクターとなっている。

一部の電脳化以外ほとんど生身で、メンバーの中で唯一の妻帯者という課の中では異色な“トグサ”は、スキルを発動することでシーカードローンを呼び出すことができる。このドローンは呼び出すと自動で敵の元へ前進し、補足した敵の目の前で爆発する。かなり攻撃的で強力なスキルであることはもちろんだが、ドローンを利用して敵の位置を察知したり、ドローンを囮にして側面や裏面から敵を奇襲したりと、さまざまな用途に使えるのも特徴だ。

左目と左腕を義体化した、トグサの次に義体率の低い“サイトー”のスキル ヒートセンサーは、一定時間壁越しの敵を視認することができるというもの。やや離れた敵の位置も赤く浮かび上がって視認することができるので、待ち伏せや出会い頭での撃ち合いで大きなアドバンテージを得ることができる。また、敵の位置が分かっていれば、逆に自身が敵を待ち伏せて迎え撃つこともできる。ただし、敵の姿は一定時間おきに表示され、この更新間隔はやや長めなので過信は禁物だ。

情報戦のエキスパートながら軍属であった経歴もあり、兵士としても優秀な“イシカワ”は、スキルを使用することでセントリーガンを設置できる。セントリーガンは、範囲内の敵を自動で攻撃してくれる固定砲台だ。デモリッションやコンクエストなど、どこかを防衛する場面があるときに心強い味方となってくれるはずだ。セントリーガンは一度設置した後に回収し、再度別の場所に設置し直すこともできる。状況に合わせて設置する場所を適宜変えていこう。

バトーと同じように義眼を装着し、体格も大柄な“ボーマ”のスキルはナノゲルアーマー。使用すると体力が瞬時に回復するほか、通常100までしかない体力が110に増強される。また効果中はHPが回復し続けるので、1対1での撃ち合いで優位に立つことができる。ちなみに、コワモテな見た目とは裏腹に、原作ではイシカワと同様に情報集などの電脳戦を得意としているちょっとかわいいキャラクターなのも特徴だ。

クールで無口な愛煙家の“パズ”は、ナイフを用いた格闘術が得意という特徴から、スキルは自身の移動速度を大幅にアップさせる加速疾走となっている。スキル発動中は跳躍力も向上し、普段は乗り越えられない障害物や登れない場所などにも辿り着くことができる。思わぬ場所からの奇襲、速度を活かして一気に懐に飛び込んでからの格闘による急襲はもちろん、拠点にいち早く到達するなど、プレイヤーの使い方次第で用途が広がるスキルだ。

また、スキルにはTier1、2のレベルがある。左下に表示されるスキルゲージが青いとTier1、オレンジでTier2の状態で、Tier2のスキルは1よりも効果時間が延長されるなど強化されている。また、Tier2の状態でスキルを使うとスキルシンクが発動する。スキルシンクは、近くにいる仲間に自身のスキルを共有させることができ、逆に仲間からのスキルをシェアすることも可能。(例:素子の光学迷彩をバトーとトグサにスキルシンクすると、バトーとトグサも一定時間透明化する。)

スキルシンクが発動するのは、素子の“光学迷彩”、サイトーの“ヒートセンサー”、ボーマの“ナノゲルアーマー”、パズの“加速疾走”のみとなっている。また、複数のスキルを同時にシェアすることも可能なので、スキルの使い方次第で戦況は大きく変化するだろう。

このほかにカスタム要素として、村下氏は義体のチップセットと武器のアタッチメントを紹介した。各キャラクターの義体にはソケットと呼ばれるものがあり、ここにチップセットを装着することでさまざまなステータスを上下させることができる。たとえば、「スキルの持続時間を○%増加、スキルの再使用間隔を○%増加」というように、必ずどのチップセットにもメリットとデメリットが存在する。どの性能を引き上げてどれを犠牲にするか、自身の戦い方に合ったキャラクターを作ることができるというわけだ。

武器のアタッチメントは、レーザーサイトや高倍率スコープなど、FPSではおなじみのものが多くラインナップされている。アタッチメントは純粋に武器の性能を引き上げてくれるもののほか、チップセット同様にデメリットが含まれるものも混在しているので、自身が扱いやすいようにチューンしていこう。

今後のスケジュールについては、既報の通り11月2日よりオープンβテストが開始される。その後、11月末に正式サービスが開始される予定だ。なお、クローズドβテストは予定されていない。

スタイリッシュでクールなゲームデザインが魅力!

最後に、今回実機での体験プレイができたので、少しだがそのプレイフィールを紹介しよう。

今回体験できたのは、「コンクエスト」と「デモリッション」の2つのルール。キャラクターはパズとイシカワを使用した。

スペースキーでのジャンプ、Shiftキーでのダッシュ、Ctrlキーでのしゃがみなど、操作感については基本的なFPSと同じなので、既存のタイトルで幾多の戦場を戦い抜いてきた兵士たちならすんなりとプレイできるだろう。スタミナなどがなくダッシュも無限にできるので、FPSとしてはややスピーディーな、「攻殻機動隊」らしいスタイリッシュなゲームデザインになっている印象だった。

堅実なデザインのFPSであるものの、やはりスキルの存在が大きな特徴付けとなっており、ほかとは一線を画す重要な要素となっている。

定期的に拠点が出現し、攻守が目まぐるしく入れ替わる「コンクエスト」では、イシカワの“セントリーガン”が猛威を振るうのは想像に易いが、パズの“加速疾走”も大きなアドバンテージになると感じた。ふいに出現する拠点にいち早く辿り着けることはもちろん、リスポーン後に迅速に味方の援護に駆け付けられるのも非常に心強い。複数人が同時にキルされた状況などでも、Tier2状態の加速疾走なら味方と一緒に瞬時に前線に復帰することができる。素子の“光学迷彩”と合わせても面白い動きができそうなスキルだ。

また、スキルはゲーム開始直後から使用することができるので、「デモリッション」でも使い方次第で強力なスキルになるだろう。加速疾走を使うかどうかで、直線的に拠点を目指した場合の敵との接触ポイントが大きく前後する。これにより、敵が加速疾走を使うことを想定していつもより手前で待ち伏せるか、それとも使わないことを見越して拠点に進むか、あるいはこうした敵の思考の裏を突いて背後から奇襲するかなど、さまざまな読み合いが生まれるだろう。

「コンクエスト」同様、戦闘開始直後に使用して敵よりも先に拠点に入るという使い方が強力なのは当然だが、「デモリッション」ではスキルがあるかないかの読み合いも発生するはず。そのうえでチームとどういった行動を取るか、スキルはまさにチームプレイが魅力の本作を特徴付ける要素になっていたと感じた。

攻殻機動隊SACオンラインサービス終了

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