「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」の音楽はいかにして生まれたのか―クラシック楽曲のアレンジに挑戦した光田康典氏へインタビュ...

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「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」の音楽はいかにして生まれたのか―クラシック楽曲のアレンジに挑戦した光田康典氏へインタビュー

「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」の音楽はいかにして生まれたのか―クラシック楽曲のアレンジに挑戦した光田康典氏へインタビュー

2014年02月14日 16:00

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カプコンが2013年12月19日より正式サービスを開始している「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」。本稿では、数多くのゲーム音楽を手掛けており、「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」では作中で使用される楽曲のアレンジを担当した、光田康典氏へのインタビューを紹介する。

光田康典氏
光田康典氏

「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」は、中世ヨーロッパをモデルにした、架空の世界「ユーロ大陸」での英雄たちの戦いを描いた“愛と悲しみの中世騎士道シミュレーションRPG”。

ジャンヌ・ダルクなどが活躍した百年戦争を元にした世界観はもちろん、デフォルメ化された英雄たちが隊列を組んで行うバトル、緻密に描かれたグラフィックなど、随所に魅力のある本作だが、数々のクラシック楽曲をアレンジしたBGMも大きな特徴だ。今回、楽曲のアレンジを担当した作曲家・光田康典氏へインタビューを行い、普段とは違う収録風景や、クラシックに対する思いなど、さまざまな話を伺ってきた。

――まず、「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」の楽曲アレンジを担当することになった経緯を教えてください。

光田氏:一昨年の話になりますが、カプコンさんのサウンドチームから、「ゲームに使用するクラシック楽曲のアレンジをしてほしい」という依頼がありまして、それがきっかけでしたね。私自身クラシックの楽曲をアレンジするという経験はなかったですし、「これは面白いことができるな」と思い、引き受けることになりました。

――では、「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」の内容については、どのような印象を持ちましたか?

光田氏:一番初めにプロデューサーの方とミーティングをしたときには、「とにかくテーマが重いゲーム」という印象でした。この重いテーマをクラシックでどう表現するかについては、相当悩みましたね。

一般的なクラシック音楽は、「百年戦記 ユーロ・ヒストリア」で語られる百年戦争に比べると若く、どう折り合いをつけていくか、最新のゲームに合わせたクラシック音楽とはどんなものか…これはなかなか一筋縄ではいかないなと思いました。加えて本作は、中世を舞台にしながらファンタジー色は薄いので、歴史に対する理解を深める必要性も感じました。

――「テーマが重い」という話ですが、具体的にそのテーマを音楽でどのように表現しようと考えましたか?

光田氏:元々クラシック音楽は、重いイメージの楽曲が多いのです。当時の時代背景が反映されていますし、作曲家の思いも色濃く表現されています。なので、原曲をそのまま使用してもこの作品には合うと思いましたし、そのイメージを崩さないように努めました。

ただ、クラシックにバトルミュージックに合う楽曲があるかというと、どうしても少ないですから、そこは軽くなり過ぎないレベルで、現代に合ったアレンジを考えていきました。

――ちなみに光田さんは、実際にゲームは遊ばれましたか?

光田氏:ええ。グラフィックと私たちのアレンジした楽曲が非常にマッチしていて、「ここまでハマるのか」と驚きました。また、インストール不要で始められるオンラインのゲームといえど作り込まれていまして、できることも多いので末永く遊べそうですね。

――では、ご自身の音楽の使われ方も想定通りだったと。

光田氏:想定通りというより、予想以上でした(笑)。あたかも、最初からこの曲が用意されていたかのように馴染んでいますよ。

――今回はパソコン向けオンラインゲームとなりますが、これまでのゲームと比較して、楽曲制作に対する意識に違いはありましたか?

光田氏:いえ、特になかったです。パソコン向けオンラインゲームだからといって制約があるわけでもなく、高級感のある仕上がりになったと感じています。むしろ、納品した音源のスペックを見ると、コンシューマ向けの楽曲よりも高かったと思います。

もちろんユーザー様の使うパソコンのスペックや、インターネットへの接続環境が向上したおかげもあるとは思いますが、「ここまで出来るようになったか」と、驚きつつも喜んでいます。

――スタッフサイドから「こういう音楽にしてほしい」といった要望はありましたか?

光田氏:どのような方向性で音楽を作っていくか、という打ち合わせはしましたが、私とカプコンさんの間で、目指しているものは初めから合致していたんです。そのため、初期の段階ではほとんど要望もなく、自由に制作させてもらいました。

ただ、クラシックのメロディーは、どれも高いレベルで完成しています。なので、当初はほぼ原曲通りのアレンジを考えていたのですが、「もっと大胆に変えても大丈夫です」と言われましたね。その次からは少しずつアレンジのしかたを見直していきました。

作曲家としては、クラシック音楽をいじるのは非常に勇気がいる作業なんです。あまりやり過ぎると魅力が消えてしまいますし、だからといって同じものを作ってしまっては私たちがいる意味がなくなってしまいます。自分たちがやるからには個性も出しつつ、メロディーの魅力も残して…という、普段の楽曲制作とは違った難しさがありました。

――やはり、一から作曲するのとはまったく感覚が違うのでしょうか。

光田氏:違いますね。さらに言えば、同年代の作曲家の方が作った楽曲をアレンジするのとも違う、独特の感覚です。やはり大御所の中の大御所、大先生の音楽ですから、私が手を付けていいのだろうかという気持ちもありました。

――なるほど。では、実際の収録となった際、苦労した点はありますか?

光田氏:いざ収録となると、むしろ普段よりも楽な部分が多かったです。というのも、普段だとミュージシャンの方にスタジオへ来ていただいて、演奏してもらうのですが、オリジナル楽曲の場合、楽譜を見るのはそこが初めてなんですよ。

しかし、ミュージシャンの方々は当然クラシックの勉強をしてきていますし、楽譜も熟知されていますので、意思疎通の面ではオリジナル楽曲よりも遥かに楽でしたね。自分で作曲したものだと、「ここはこのように盛り上げてほしい」と指示を出さなければいけませんが、今回に限っては譜面を出すだけで、どこでどんな音を出してほしいか、すぐに理解してくれたのです。

――勝手知ったる楽曲だからこそのエピソードですね。

光田氏:そうなんですよ。ひょっとしたら、メインメロディであれば楽譜を見なくてもレコーディングは成立したかもしれませんね(笑)。あと、オリジナル楽曲のレコーディングよりも、音量が大きかったんです。初見の曲だとどうしても手探りの状態で演奏するので、音量が小さくなりがちなのですが、今回はそんなこともなく、最初から皆さん大音量で弾いていました。

――光田さんにとっても馴染み深い楽曲ばかりだと思いますが、その中でも思い入れのある楽曲はありますか?

光田氏:メインテーマにもなっているドヴォルザークの「新世界より」は、さまざまな方向性のアレンジを試行錯誤しながら完成したもので、ひときわ悩んだ楽曲でもあります。そのおかげもあって、メインテーマにふさわしい仕上がりになっているので、思い入れは強いです。

プレイヤーのみなさんにとっても、ゲームを遊んでいる最中に知っている曲が、まったく違うアプローチで流れてくるので、面白い体験になると思います。

――無料で楽しめる作品ですから、音楽から興味を持った人が遊ぶというケースもありそうですね。

光田氏:とりあえず遊んで、曲を聞いてみようと思ってもらえたら嬉しいですね。ただ、軽い気持ちでゲームに触れてみても、すぐに熱中してしまうと思います(笑)。

――では、収録に使用した楽器や機材に、こだわりはあったのでしょうか?

光田氏:題材がクラシックである以上、ストリングスは絶対に生で録音したいと考えていました。また、バッハの「ブランデンブルグ」では、ブズーキを自分で弾きました。大体の楽曲がオーケストラ調に仕上がっているのですが、「ブランデンブルグ」だけは特殊で、アイリッシュ音楽をイメージしたアレンジになっています。というのも、この曲は酒場で使用するという話だったので、民族楽器を使用したほうが、より雰囲気が出るだろうと考えたのです。

バッハの「ブランデンブルグ」が使用される酒場のシーン

――原曲のイメージだけでなく、使われる場面も想定していたと。

光田氏:事前に使われるシーンの情報はいただいていたので、アレンジの方向性は考えやすかったですね。アレンジする前は、話を聞いて「これをバトル曲に使うのか」と意外に思ったものもいくつかありましたが、実際に収録を重ねていくと、想像以上にしっくり来て、「こういう考え方もあるのか」と、新たな発見がいくつもありました。

仮に私が依頼する側の人間だったら、恐らく今回生まれた楽曲の発想は出てこなかったと思います。また、譜面を一から見直すきっかけにもなりましたし、自分自身の勉強になった収録でした。

――勉強になる収録というのも、なかなか珍しいのではないでしょうか。

光田氏:そうですね。普段の収録ですと、より良い音を出すための録音方法など、技術的な勉強がほとんどですが、今回は純粋に音楽の勉強ができました。

――今回は光田さん以外に、土屋俊輔さん、桐岡麻季さん、亀岡夏海さんもアレンジとして参加していますよね。そちらの楽曲はお聞きになりましたか?

光田氏:ええ、もちろん。クラシックという元の楽曲があるにしても、アレンジの方向性がバラバラだとゲームの世界観にも悪影響が及びます。その辺はしっかりと打ち合わせをして、お互いの楽曲を確認しながら制作していました。結果的に、複数の作曲家が参加しながらも、バランスは取れていると思います。

――他の作曲家からインスピレーションを受けることもあるのですか?

光田氏:「こんな斬新なアレンジがあったか!」といった具合に、いつも驚いてますよ(笑)。不思議とその人の個性が出てくるので、面白いですね。

――個性というお話ですが、光田さんは、ご自身の個性がどこにあると思いますか?

光田氏:「ここが個性だ」という具体的なものは、実は私自身もよく分からないのですが、できあがった音楽を聞いてみると、「自分の音だ」と思えてくるんですよ。まったく同じメロディーを使っていても、音を少し変えただけで、いわゆる「光田サウンド」になるんです。そこはアレンジの不思議であり、面白い部分だと思います。

――今後、自身のアレンジした楽曲が追加されるとなったら、どのような楽曲に挑戦したいですか?

光田氏:私が大好きなラヴェルの楽曲はアレンジしてみたいです。ラヴェルの完璧な楽曲をアレンジして、違う楽曲にするというのは、恐れ多いものがありますが(笑)。あとはシューマンですとか、エリック・サティの「ジムノぺディ」も面白そうですね。

――最後に、プレイしているファンの方へのメッセージがあればお願いします。

光田氏:皆さんに馴染みのある曲が、ゲームを遊んでいると自然と耳に入ってくるようアレンジしました。プレイした際には、ぜひ感想を聞かせていただけると嬉しいです。

――ありがとうございました。

(C)CAPCOM CO., LTD. 2013 ALL RIGHTS RESERVED.

メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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