「フォーセイクンワールド」開発会社・完美世界を訪問!第1回は「完美世界ってどんな会社?」

シーアンドシーメディアがサービスを予定している「フォーセイクンワールド」、その開発会社であるPerfect World. Co., Ltd. (以下:完美世界)へのインタビューならびに開発風景を、全3回に渡りお届けする。第1回は「完美世界ってどんな会社?」。

完美世界は、「パーフェクトワールド -完美世界-」や「LEGEND OF CHUSEN 2 -新世界-」などを発表した、中国を代表するオンラインゲーム企業。そして、同社が最新作として現在開発中なのが、日本国内ではシーアンドシーメディアがサービスを予定している「フォーセイクンワールド」だ。

今回、完美世界に訪問し、同社の展開や中国のオンラインゲーム事情、そして本作の開発に関してさまざまな話を伺う機会が得られた。その模様を全3回に渡りお届けする。

第1回では、同社の取り組みや中国のオンラインゲーム市場、そして日本のオンラインゲーム市場について、完美世界上級副社長・竺 琦氏にお話を伺った。

完美世界について

中国で開発・運営を行なっている同社は、2004年に設立された(コンソールゲームにおいても1997年から開発を行っていたとのこと)。また、開発のチームは、中国で有名な清華大学の卒業生を中心に集められており、それは中国でも完美世界のみであると自負していると語った。

そして、竺氏は、世界に製品を輸出することは大事であると考えており、アメリカではPerfect Worldを設立、日本ではシーアンドシーメディアを子会社としている。また、今後も各地に子会社を作って、全世界に展開していきたいという。

現在、同社のタイトルは世界60地域に輸出されており、そのタイトル数は11タイトル、各地域ではのべ100以上にものぼっている。

さらに、完美世界はオンラインゲームだけではなく、映画会社も設立し、国内の有名女優を起用した映画では、興行収入が1億元を超えたという。今では映画だけではなく、ドラマも製作している。

そして、その成長を表すように同社は2007年にナスダック上場を果たす。これは中国でも最短のスピードだという。この年は、日本で「パーフェクトワールド -完美世界-」のサービスが開始した年でもある。

また、竺氏は、同社が抱えている中国とアメリカの合計で約3500人にも及ぶ開発スタッフがおり、その一端として、2008年には中国の開発会社「昱泉」の子会社を買収、2010年にはディアボロの開発者も所属しているという北米の開発会社「Runic Games」の過半数の株を取得している。そして、今後はブラウザゲームも開発していきたいとの考えも述べた。

2012年の中国国内のオンラインゲーム市場のシェア率では、完美世界は7.8%の4位に位置している。また、2006年から海外輸出にも注力しており、そのシェアは4年連続1位を維持し、中国国内での輸出シェア率は40%にまで上っているという。

そして、先述したとおり、同社は映像作品をはじめとしたエンターテインメント事業にも注力しており、現在は下記のコンテンツを展開している。

また、グローバル戦略の成果として、韓国、日本をはじめ、アメリカやロシアなどでも成功していることを強調。ブラジルでは連続3年シェア率1位を獲得、ロシアでは「World of Warcraft」の同接を超えたとのことだ。

日本支社であるシーアンドシーメディアについて

シーアンドシーメディアの社員数は、2010年12月までに80人。グループ内で開発したオンラインゲームだけでではなく、韓国、アメリカなどのゲームも運営していきたいという。

また、これからはIP(知的財産)の輸出を行っていきたいという。日本は、アメリカについで2番目のIP輸出国であり、特にアジア地域においては、日本のIP、特にアニメは影響力があるとのことだ。

同社では、2007年からパーフェクトワールド -完美世界-、夢世界、LEGEND of CHUSEN -誅仙-、SEKIHEKI、タルタロスなど5タイトルを運営している。2011年は、「フォーセイクンワールド」を含め、2、3タイトル用意しているとのことだ。そして、現在はオンラインゲームのみの運営だが、今後は、ブラウザゲームやモバイルゲームにも注力していきたいとも述べた。

中国のオンラインゲーム市場について

中国のオンラインゲーム市場は過去10年間で大きく発展し、10の会社がアメリカナスダックに上場した。特に、2005年からは飛躍的に成長しており、2010年には323億人民元を達成した。

323億元は単純なオンラインゲームのみの規模だが、ハードウェアなどを含めると1000億人民元を超えているという。さらに、2009年のオンラインゲームユーザーは9000万人にも上っている。

竺氏によると、オンラインゲームユーザーの人数の増加速度は遅くなっているという。しかし、課金率が増加し、都市だけではなく、地方部にも浸透、将来はさらに売上が上がっていくだろうとの見解を示した。

アイサックという調査会社のデータによると、中国ユーザーはアクションRPGや西洋ファンタジーを好む傾向にあるという。同社は、そのデータに基づいて、MMORPGを中心に開発していくとのことだ。

また、中国のユーザーにオンラインゲームをプレイする理由を聞いたところ、ファッションのきれいさ、ギルドコンテンツの豊富さ、そしてリラックスできるかなどが根拠になっているという。これからも日本のユーザーたちの好みを調査して、日本のユーザーに楽しんでもらえるよう開発していきたいと述べた。

そして、今後は中国の国内市場ではなく、海外輸出の金額も成長していることから、今後は韓国にも追いついていきたいとの展望を示した。また、スマートフォンユーザーとオンラインゲームユーザーの変化にも注目し、これからはスマートフォンの時代になると考えているという。

質疑応答

――映画や小説、ドラマなどに加えて、オンラインゲームなどを展開していますが、最も力を入れている事業はどこになりますか?

竺氏:<オンラインゲームに一番力を入れています。そして、映像・小説・アニメなど多方面のエンターテイメントとオンラインゲームを相互作用させていきたいです。

――シーアンドシーメディアでは、韓国やアメリカのゲームを運営するとおっしゃいましたが、アメリカは具体的に何かありますか?

竺氏:アメリカは今検討中ですが、今は申し上げられません。シーアンドシーメディアの中にはアライアンスチームがあり、良いものがあれば、完美世界のタイトルだけではなく、どの会社のタイトルでも運営したいです。

――開発は中国アメリカを合わせて2000名いるとおっしゃっていたが、この人数はすべてオンラインゲームおよびブラウザゲームの開発者ですか?

竺氏:はい、そうです。

――同時にどのくらいのタイトル数を作っているのですか?

竺氏:我々はこれから未来数年間、続々といくつかの市場に向ける違うスタイルのゲームコンテンツをリリースしようとするのですが、現在競合性の原因で具体的な数字を出すのは難しいです。開発したタイトルについては、同時に出すのではなく、時期をずらして発表します。というのも、オンラインゲームであることから、アップデートの人数が必要になるためです。

――中国のスターを使った展開を行っていますが、日本でも行う計画はありますか?

竺氏:日本のオンラインゲーム市場にあわせたタイアップを行っていく予定です。しかしながら、日本のアイドルは高いので、利用しづらいです。

――シーアンドシーメディアの展望の中で、ブラウザやモバイルへの展開があったと思いますが、現在、何か動いてるのでしょうか?

竺氏:日本は、世界で一番のスマートフォンを持っており、普及している国なので、一番良い市場であると考えています。ただ、日本の携帯のシステムは中国とは違うので、それを解決したいと思っており、現在は開発の準備を進めています。

――スマートフォン向けの開発はオンラインゲームですか?

竺氏:スマートフォンはオンラインゲーム、ソーシャルゲームです。

――ソーシャルは、自社のネットワークですか、他社のネットワークを利用するのですか?

竺氏:現在あるソーシャルを利用することになります。

最後に

完美世界は、中国でスタートし、世界に進出し、そしてフォーセイクンワールドで海外に向けて動き出そうとしている。これからモバイルゲームなどグループ全体でさまざまな動きがあり、今後の市場成長がとても楽しめることという。

また、日本の市場については、課金率とARPU(平均課金単価)が高い、すばらしい市場だと考えており、これからも全力でシーアンドシーメディアに注力し、楽しんでもらえるよう頑張っていきたいと述べた。

そして、シーアンドシーメディアについて、竺氏は現地の人が現地のマーケティングを詳しい人がなるべきという持論を持っているようで、日本人を大事にし、日本の会社として大事にしたいという考えを明らかにした。


今後も同社の、そして筆者にとってはより身近なシーアンドシーメディアの展開に期待したいところだ。

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