タワー オブ アイオン特別連載「いまからAION」第10回ノベルが完結っ!「オカエリナサイ!電脳妄想ノベル風・ひとりアイオン2」

エヌ・シー・ジャパンの誇るスタイリッシュなファンタジーMMORPG「タワー オブ アイオン」。特別ページ内の1コーナーとして全13回お届けする連載第10回は、「オカエリナサイ!電脳妄想ノベル風・ひとりアイオン2」

アイオンの天界都市「エリュシオン」に突然飛ばされてしまった東京の普通の女子高生「塔野 アイ」。変な白い動物に連れてこられたはいいが、まったく状況がわからないうちにエリュシオンでさまざまな人と出会い、なんとか帰る手段を探している。果たして、彼女は元の世界に無事戻れるのだろうか…?

※これから語られるストーリーは前回に引き続き、まったく・なんらアイオンのストーリーとは関係なく、筆者の頭の中だけで展開される話を文字化しただけのものとなりますのでご了承くださいませ。

不良な動物たちから「荷物・張り紙・ギャルルン」というヒントをもらったあたし。とりあえず「張り紙」から調べてみよっか…。あっ、なんかあたい名探偵みたい?ちょっと憧れてたんだぁ、女刑事(デカ)!行きますよ、デカ長っ!

ふむふむ…。なんだかわかんないけどあのフンのおかげで文字も読めるのね…。なんでもアリってことね。えーと…踊りと呪文の詠唱…?えいしょうってなに?呪文なんか使えねーから!

まったくこの世界ってゲームの中みたい。弟が遊んでたゲームもこんな風にへんな人やへんな建物があって、不思議な魔法で敵をやっつけてたっけ…。もしかしてあたしもまほうのことばでぽぽーーーんって魔法少女になれるかも!!

とりあえず「そこの荷物に向かって唱えよ…アル・イル・オム・ンル…オムライス?デミグラ・デミグラ・ガーリック」

あたしはなんかテキトーに作ったようなへんな呪文をとなえた…。するとなんと横に置いてあった荷物がボボボーンとピンクの煙に包まれて、ドーン!!

なんじゃコリャー!助けてーーーッ!いきなり大きな仏像に変わっちゃったの!ちょっとこんなことばっかりしてるとぶつぞー!ってシャレってる場合じゃなくて…。

「貴様か、汝の眠りを妨げる者は」

ギャああああ…像がしゃべってるぅ。もう何でもアリアリなのね…。だんだんビビらなくなってきたわ…。とりあえずこのままじゃラチがあかないから話してみよう。

「余はまだ目覚める時ではないのだ。天秤の間へ行き、女の話を聞け。」
「エッ?なに?なに??うわっ!」

像の目が一瞬光ったと思うと、そこは大きな天秤がある部屋だった。

「いたたたた…もう超腰痛いんですけど…」

「あなた、もしかして向こうから来た人…?」

腰を強打してよろよろしながら立ちあがったあたしに話しかけてきたのは同い年くらいの女の子だった。

「超竜神さまに飛ばされたのね。ヤンキー動物にウソ情報教えられたのね。」
「あんのヤロー…」
「でも大丈夫、ここはちゃんとした人が働いているところだから。広場のほうにはユニークな人が多かったでしょ。」
「う…うん、ユニークっていうか、ヤバいっていうか。でもちゃんと話せそうな人がいて良かった。」
「私も同い年くらいの召喚娘で嬉しいわ」
「召喚…娘?」
「うん、なんかねこの国の王様が魔道士を使って古代の魔法であなたたちを召喚してるんだって。なんでかはしらないんだけどね…。」
「えええええっ、やっぱそのせいであたしこの世界にきちゃってるんだ。どうやって帰ればいいの??」

くっそー、やっぱりこっちのせいじゃない!こうなったらその王様ひっつかまえて話聞くしかないな~。でも王様ってどこにいるんだろ…。

「そのカウンターの2人も前に来た召喚娘のお世話をしたのよ。話を聞いてみるとイイかも。」
「うん、ありがとね!」

「キミが今度の召喚娘…?」
「かわいいっ!よろしくね」
「あ…はい、どうもどうも」

カウンターみたいなところで店番をしている2人はさわやかにあたしと話してくれた。ホント普通の人で良かった。いろいろ聞いてみよう!

「あの…?あたしどうやって東京に帰ればいいんですか…」
「それはね…あっ!団長?」
「君が今度の召喚娘か。私が説明してあげよう」

ちょっと偉そうな団長と呼ばれるオッサンが登場!でも意外とやさしい話し方♪この人もまともそうで安心…さっそく…。

「このオードを飲んでみなさい。」
「飲む…の?ちっちゃいケド大丈夫…?」
「大丈夫。体に害はない。」
「分かりました…エイっ、ごくん。あ、リンゴ味♪」
「ふふふ…必ずあなたの助けになるはずですよ。この先に大きな花びらの噴水の下に読書をしている少女がいるからその子と話しなさい。」
「…??はい、行ってみます。」

なんだか赤いオードを飲んだら落ち着いたみたい。とにかくその子に合うために花びら噴水の前に行ってみた。

噴水の下にあるベンチにはちょっとセクシーな女の人が座ってた。

「あの~?」
「…ぶつぶつ…」
「あ、あの~~~!?」
「えっ!?あ、ああごめんなさい、気がつかなくて。私に何か御用かしら?」
「団長って人がここに行けって言われて…」
「あっ!あなたがあの召喚娘?若いのね。帰り方が知りたいのね。」
「えっ、なんで分かるんですか??なにも言ってないのに。」
「この前自分の世界に帰った召喚娘もね、最初はそんな表情をしてたから。私はあなたたちを導く仕事をしているの。」

優しいそうな女の人は、抱えた大きな本をパラパラ開いてあたしを見つめる。

「オードは飲んだ?」
「はい、赤いヤツですね。飲みましたよ」
「そう…じゃああそこに見える塔に登ることができるわ。その資格を得るためのクリスタルだったの。」
「塔…ってあそこまで遠いんですケド~。」
「大丈夫。ちょっとくらいは飛べるから」
「飛べませんから~~~」
「あらオードを飲んだなら羽が生えるはずよ。」
「ああ、羽ってこれですね…っておい!!羽生えてるぞ!!!」
「知らなかった?でも元の世界に戻ったら消えちゃうし、この世界でも数10センチしか浮けないから。」

ま、まあ羽くらい生えてもいいか。こんなファンタジーの世界じゃ羽とか角なんて当たり前なのね…。ま、ひたすら歩いていくしかなさそ…。みんな優しいんだけど手伝ってはくれないみたい。

「あの塔はRA・SE・Nの塔。この国の王様が作ったんだけど、召喚娘は必ずあそこまで自力で辿り着かなければならないの。だから頑張って。」

へいへい、分かりましたよ。行けばいいんでしょ。タクシーとかバスとかないワケ…。あたしはなんとか塔の近くまで辿り着いたの…。

「おほっ!イイ女!」
「はっ!何かの視線を感じる…でもまわりに人はいない…どこ?どこなの?」
「お~~~い、ココだよココ!う・え!う~~~え!」

ダミ声のするほうを見るとなんと!塀の中からニョキっと現れたのは恐竜?本で見たことしかないけどたぶん恐竜。恐竜がなんで?とかはもうあんまし思わなくなってたのが不思議。

「キミはもしかしてそこのRA・SE・Nの塔に行くのかい?じゃあもうすぐこの世界ともお別れなんだね?むふふ~~ん」
「お別れって、東京に帰れるってこと!?」
「だってこの塔に登れるってことはこの世界での役目を終えて帰る準備をするってことでしょ?師匠が言ってた。むふん」
「じゃあ資格がないと入れないってこと?ってか役目って何?」
「役目は赤いオード~~とにかく塔に入ってみて~~」
「わかったわよ、じゃあね。」

あたしはへんな恐竜に別れを告げ、塔に入ったのであ~る。

塔の入り口はショップになっていて、めずらしいアクセや武器が売っていた。

「いらっしゃ~い。召喚娘の現実世界へのお土産にどうですか?」
「ここで買わないとこの先は売ってないよ!限定だよ!」

ん?お土産?この世界のものを持って帰れるの?じゃあ1つくらい買っていってもいいよね。友達にも自慢したいし、何より証拠になるもんね!週刊誌にインタビューされてそのまま「ミステリアス召喚娘。」とかアイドルになれちゃうかも!マジパネェ~。

値段わかんないけどどれか買ってみようか?どれも東京ではみたことないようなあるような微妙なグッズだらけ。悩んでいると、

「オイ!もう帰るのか?」

ん?なにこの弟系の無邪気な声?イタチ?フェレット?ふさふさした子があたしに話しかけてきた。

「うん、もう帰りたいの。」
「次のゲートが開くはもう少しあとだよ。ボクといっしょに遊ぼうよ。」
「お姉さんとなにして遊ぶの??」
「う~ん、じゃあキミがなんで召喚娘なのかの謎を解こうよ!」

おい、意外と大人じゃね~か、もしかしたらあたしのほうが年下?ちょっとナメられてる?謎を解く、ってそうだ!いままでなんにも謎が解けてなかったじゃんか!スッキリしないと帰れるもんも帰れないわ!教えて白いの!

「じゃあ、ボクについてきて!」

白くてニクいアイツについていくと塔の地下にある大きな図書館みたいなとこに着いたの。先に歩いていた白いのはどこかにいってしまったみたい。

「ちょっと~~アンタが誘っといてどこかくれてんのよ~~」

図書館には目の前の椅子に座ってるイケメンが1人。

「すいません、このへんで白いふさふさしたの見ませんでしたか?」
「いいえ、見ていませんよ」

シブくてセクシーな声の彼はあたしを見ないままそう返事をすると本を読みふけっていた。

「…く、クククっ……」
「??」
「プププっ!あははっ、ごめんごめん、ボクだよボク!」
「!?」

いきなり笑いだしたイケメンはなんと…!?
ぼんわわわ~~ん!
煙の中から現れたのは、さっきのふさふさ…。

図書館で目の前に座ってイケメンはさっきの白いのだったの!

「ごめんごめんだますつもりじゃなかったんだけど…どっちもボクのホントの姿なんだ。ボクたちの種族はみんな2つの姿をもってるんだ。」
「なんなのよ~最初に教えてよね~。びっくりしたぁ。ねえねえ、それはそうとさ、なんでここに連れてきたの?」
「ここにはね、召喚大全が置いてあるんだ。その本にはなんで異世界から女の子が召喚されているか書いてあるらしいんだ。」
「へ~~じゃああたしがここに飛ばされた理由もわかるわけ?」
「うん。まあ読めれば、ね」

図書館の真ん中には大きく開いた本がどーんと置かれていた。あたしはちょっとのぞいてみたけどチンプンカンプン。

「ねぇ…読めないんだけど…!?」
「う~ん、じゃあボクが王様から聞いた話を教えてあげるよ。この国は見ての通り綺麗で人も多いでしょ。でも年々この街をささえている大陸が小さくなっているんだ。どんどんまわりから崩れていってるんだ。もともと空中に浮かんでいるところだから近いうちに消滅してしまう。でもこの塔にある3つのオードに異世界の人間の力を注げば新たな大地が生まれて消滅しないで済む、っていう言い伝えがあるんだって。」
「なんかどっかで聞いたような話ね…」
「そうなの??でももうこのエリュシオンも限界に近いんだ。早くクリスタルに選ばれる人間を見つけないといけないんだけど、キミじゃないみたいだね。」
「えっ??なんで…??」
「飲んだでしょ、オード」
「あっ!そういえば…??」
「あのオードを飲んで適性があれば体もろともクリスタルに同化して光を放つんだもん。」
「そうなんだ…。」
「でも大丈夫。適性がない人はすぐに元の世界に戻れるから」
「でもでも、エリュシオンはどうなるの??」
「……」

あたしはずっとこの世界から帰ることだけを考えていた。ここの住人はとっても明るくて変な人が多かったけど、運命を受け入れていたのかもしれない…。でもあたしには適性はない…。

「大丈夫、きっと見つかるよ!だからキミは早く元の世界に!」

白いやつはあたしをどんどん引っ張って神殿の奥へ連れてく。なにやらエレベーターのでっかい版が真ん中にあった。

「ねえ、アンタはどうするの?東京に送れる装置があるならみんなで東京にくればいいじゃん!住むところはいっぱいあるよ!」

ちょっと感情的になったあたしを白い彼はエレベーターに乗せた。

「それは…できないよ。キミたちの世界はキミたちのもの。ボクたちはいけないよ。」
「でもそれじゃあ…」
「消えてしまうのならそれも運命だよ。キミがオードにならなくて良かった。今はそう思うよ。さあそろそろゲートが開く。気をつけて…」

エレベーターはうなりを上げて光、あたしが声を上げる前に一気に上昇してしまった…。ゆっくりゆっくり上がっていくとまた最初の頃のように白い光に包まれて…。

眼が覚めるとそこは東京タワーを見降ろす夜空の上だった。

「いやああああああああ~~~~~!!!!」

ゆっくり夜の空中を落ちていくあたし。

「もうダメ~~~死ぬぅぅうううう~~」
「大丈夫、ゆっくりこっちを向いて」

その声はさっき別れたばかりの白いヤツの声だった…。

「振り向いたらどっちの姿なのかしら?イタチ?イケメン?」
「振り向いてのお楽しみ♪」

オカエリナサイ、東京…そして新しい日々が始まる…!

2回に渡ってお送りした妄想ノベル「ひとりアイオン」楽しめましたか?描いているほうもいったいどうなるのか迷走しながらひたすら書きました。つじつまとか伏線の回収とか抗議のおハガキはノンノン!事故だと思って楽しく読むだけにしてほしいであります。次回はどんな記事になるのかナッ!?。お楽しみに!!それではまたお会いしましょう~~。

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