大型アップデート「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」の内容と今後の展開について「ラグナロクオンライン」運営チームにインタビュー

ガンホー・オンライン・エンターテイメントが運営する「ラグナロクオンライン」にて、5月19日に実装される大型アップデート「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」をレポートする。

「ラグナロクオンライン」において、大型アップデート「Episode:Memory Record ~ジュピロスと眠る都市~」が5月19日に実装される。今回のアップデートの見どころやポイント、今後の展開などについて運営チームの中村聡伸氏、長澤誠吾氏、千葉亮一氏にお話をうかがうことができたので、その内容をお届けしよう。

ミッドガルド大陸に戻って新たなストーリーがスタート!

まずは、中村聡伸氏と長澤誠吾氏よりアップデートの内容が紹介された。すでに伝えられているとおり、今回のアップデートは「Episode10.0 ファンタスマゴリカ」の名称で紹介されていたもので、3次職以上とスーパーノービスの限界突破、忍者の上位職の影狼・朧であればクエストをプレイできる。

中村聡伸氏 長澤誠吾氏

注目すべきは名称にエピソードナンバーが付いていないこと。これは意図的なもので、約7年という長期にわたる「異世界編」が完結し、今回からミッドガルド大陸に戻って「新しい物語がスタートする」ことから、心機一転の意味を込めて番号を外したのだという。また、エピソードのナンバーが多いと順番にプレイしないといけないのではと新規・復帰ユーザーが抵抗を覚えるのではないかという点も考慮したとのことで、今後は「エピソード○○」というように番号を付けない形でのアップデートを行っていきたいと中村氏は語っていた。

ストーリーにおける最大の見どころは巨大企業「レッケンベル社」の再登場だ。シュバルツバルド共和国の闇の部分をつかさどる組織で、過去のエピソードにもたびたび関わってきたことはご存知のとおりだが、今回のアップデートでは名前だけしか登場していなかった会長の素性のほか、創設の経緯や歴史など、これまで謎に包まれていた部分が初めて明らかになるのだという。

すでにイメージイラストも公開されているが、中村氏によるとこれは今回のストーリーの内容を表現したもので、詳しいことはネタバレになるので言えないものの、エピソードを進めていけば「このシーンのことだったのか!」と思えるものになっているとのこと。イメージイラストはあと2点用意されているそうなので、これらの内容にも大いに期待したいところだ。

こちらがイメージイラスト。「ラグナロクオンライン」では珍しいリアルテイストの画像となっている。

レッケンベル社関連のエピソードをプレイしたことがない人に向けたサービスも行われる。アップデートの実施に先駆けて、レッケンベル社に関わる18個のクエストをクリアすると特別報酬がもらえる、期間限定イベントもあわせて実施される。すべてクリアすると合計で約200Mもの経験値を稼げるうえ、さまざまなかわいらしい衣装装備も入手することができるとのことなので、挑戦のしがいは大いにアリだ。

もちろん、これらのイベントをクリアしていなくても新エピソードに参加することは可能。あくまで今回のシナリオの背景を知っておきたいという人に向けたサービスで、クリア必須というわけではないので安心してほしい。

「シュバルツ転送」というキャラに話しかければ無料で目的地に転送してもらえるなど、
クエストの進行を支援するキャラクターも用意されている。
こちらが期間限定イベントの報酬となっている衣装装備のひとつ「[衣装]たれエリオット」。
これらの報酬は、上記のレッケンベル関連のクエストをすでにクリアずみの人ももらえるようになっている。

ストーリーの概要もネタバレにならない範囲で簡単に触れておこう。今回のエピソードは「ファンタスマゴリカ」と「地下遺跡アドベンチャー」という、ふたつのクエストを柱としていて、これらをクリアすることでレッケンベル社創設の秘密などストーリーの核心に迫っていくことになるのだが、長澤氏によるとさまざまな伏線が張られた濃厚な内容になっているという。

新たなキャラクターも多数登場するそうで、楽園団の団長・アルクイエンのほか、考古学者のアウレス、護衛役のルークラフェズなど、さまざまなキャラクターが冒険のサポートをしてくれる。さらに、クエストを進めていくと、これまで入れなかったレッケンベル社会長のいる部屋に進めるようになるのだ。

これらの新キャラクターたちの関係もストーリーの見どころのひとつだと長澤氏は語る。
レッケンベル社の会長はイメージに反して穏やかな老紳士といった雰囲気(写真左)。
右の写真の人物は会長を補佐する主席秘書官だ。

物語は「ジュピロス」の地下から「ウェルス」という地下遺跡が発見されるところから始まる。レッケンベル社はこの遺跡の調査を計画。おなじみの「楽園団」もプロジェクトに参加することになり、プレイヤーはこの楽園団の一員としてウェルスに向かうことになる。

遺跡内は機械的なイメージのマップになっている。ウェルスの入口にあたる「ウェルス発掘地」はワープポータルのスキルでメモができる場所になっていて、誰かがこの場所を記録しておけば、すぐに来られるようになるとのこと。今までのアップデートではクエストをクリアする必要があるなど移動が大変だったが、今回はかなり手軽になっていると言えるだろう。

登場するモンスターも機械タイプがメインとなっている。いずれも無形に属するので、「無形に有効な装備を用意しておけば戦いが楽になりますよ」と中村氏はアドバイス。また、マップを進んでいくとゾンビタイプの敵も登場してくるとのことだ。

このようなレトロな機械系モンスターが多数登場してくる。
新キャラクターのひとりベリティ。今回のストーリーのキーパーソンだ。
こちらはラスボスとの戦闘シーン。その正体は自身の目で確かめてほしい。

自由なカスタマイズが楽しめる強力アイテム「エクセリオン装備」

入手できるアイテムの中で一番の目玉と言えるのが「エクセリオン装備」だ。「エクセリオンスーツ」と「エクセリオンウィング」の2種類があり、どちらもモンスターのドロップや、デイリークエストなどで獲得可能な「古びた鉄塊」を10個集めると入手できる。非常に手に入れやすくかつ強力なアイテムで、このふたつを身に着けるだけで、かなり能力がアップすると長澤氏は語った。

もちろん、さまざまなカスタマイズも可能だ。モンスターは「古びた燃料タンク」というアイテムもドロップするのだが、これを5つ集めると「設計図」が手に入るガチャが利用可能になる。ここで手に入れた設計図を使ってエクセリオン装備の能力を強化していくわけだ。

設計図の効果はどれも非常に強力で、例えば、「R-Fireの設計図」は「火属性攻撃で受けるダメージ-25%、水属性攻撃で受けるダメージ+25%」でエクセリオンウィングに3つ挿す事ができる。すなわち火属性攻撃で受けるダメージは最大75%カットできるという。そのほかHPやSPの回復、各種パラメータの強化など、20種類を超えるさまざまな設計図が入手可能になっている。

こちらがエクセリオンスーツとエクセリオンウィング。どちらもかなりの能力を誇る超強力な装備だ。
古びた鉄塊と古びた燃料タンクはどちらもデイリークエストの報酬にもなっていて、
わりと入手しやすくなっているそうだ。

設計図によるエンチャント効果を大幅にアップする「ライオットチップ」という装備アイテムも入手できる。例えば、先述のように火属性耐性を上げる設計図を3つ挿し、火耐性を75%上げた状態でこのチップを装備すると、さらに耐性が25%上がって火属性攻撃のダメージを100%カットできるようになるのだ。異なる3つの設計図を挿している場合には、それぞれに増幅効果が発揮されるので、HP、SP、Matkといった複数のパラメータをまとめて強化するなど、自由なカスタマイズを楽しむことができる。

また、「破損したチップ」というアクセサリーも登場。「ライオットチップ」とのセット効果があり、一緒に装備するとスキルディレイを大幅に減少したり、詠唱時間を短縮したりすることができる。このように絶大な効果を誇る「ライオットチップ」と「破損したチップ」だが、どちらもドロップするのはラスボスのみ。しかも、ラスボスの出現するマップはメモリアルダンジョン扱いとなっていて、挑戦できるのは3日に1回くらいの頻度になるという。手に入れるのは簡単ではなさそうだが、長澤氏によるとモンスターカードなどよりは、はるかに入手しやすくなっているそうだ。

ちなみに、長澤氏がおすすめする設計図はMatkを強化する「A-Intの設計図」で、鎧に1つ挿せて、ステータスのintの値と精錬値が高いほどMatkが増加し、最大Matkが195となる。圧倒的な火力を発揮できるので挑戦のしがいがあるが、装備の精錬値は設計図を挿したタイミングで一度リセットされてしまうため、強化したい設計図を入手してから精錬を開始する必要がある。かなり手間がかかるうえ、精錬に失敗した場合は今回も装備が壊れてしまうなど、リスクもけっこうあることを踏まえておこう。

設計図、鉄塊、タンクは売買も可能になっていて、お金稼ぎにも使えるなど、さまざまな利用の仕方ができる。
「ライオットチップ」と「破損したチップ」を装備すれば絶大な効果が得られる。

6月9日に実装予定のメカニック向けのメモリアルダンジョン「チャールストン工場」の概要も紹介された。チャールストンという美少女ロボットたちの謎を探るという外伝的なストーリーとなっていて、前回の決戦アップデートに登場した人気キャラクターのシャルロシーも登場してくるなど、こちらも見どころの多いシナリオになっている。プレイできるのは1日1回で3次職から。前提クエストなどは不要なので、ウェルスに来たらすぐにスタートできるとのことだ。

メカニック向けの装備が入手できるダンジョンで、内部はジュピロスと似た雰囲気になっている。
このダンジョンに登場する美少女ロボット、チャールストン1号と2号。中村氏のオススメだそうだ。

同じく、6月9日にクエストスキル「チェンジカート」を持っている人向けの新クエストスキル「カートデコレーション」も実装される。カートのデコレーションを変えられるというもので、ポリンが積まれたリヤカータイプ、箱にリボンをかけたミストケースに似たタイプ、エンジェリングの姿をしたタイプの3種類を使い分けることができるそうだ。

さらに、5月19日~6月9日の3週間にわたって「Memory Record」関連のクエスト報酬が2倍になるイベントもあわせて実施。鉄塊や燃料タンクなどアイテムの報酬も倍増するそうなので楽しみにしておこう。

左がミストケースに似たタイプのカート、右がエンジェリングタイプのカートだ。

オフラインイベントや次のアップデートの予定などについて千葉氏に聞く

千葉亮一氏
千葉亮一氏

ここからは千葉亮一氏にオフラインイベント開催時期や内容、次の大型アップデート時期などについて語ってもらった。非常に興味深い内容になっているので、ぜひ目を通しておいてほしい。

――今回の大型アップデートで日本なりに変更された部分はどこになりますか?

千葉氏:韓国ではEpisode15.1と15.2のふたつに分かれていたものを合体して提供する形になっています。シナリオのつながりなどを考慮して、15.1だけだと中途半端なところで終わってしまうことから一緒にすることにしました。前回の決戦アップデートも合体提供であり、開発元からもむしろ望ましいと言われています。

「ラグナロクオンライン」に関しては年を追うごとにカルチャライズを強化していて、今回のアップデートはその最たるものだと思っています。先ほど説明しましたエクセリオン装備も韓国にはなかったもので、向こうではメカニック向けの装備がアイテムのメインになっていましたが、日本では3次職全体に魅力を打ち出すアップデートにしたいという思いがありまして、今回の装備を開発元に企画提案させていただきました。結果、共同企画となり、韓国でも今年3月に追加アップデートされました。これからも調整だけではなく、必要であろうというものは新しく作って追加するということを開発元と相談しつつやっていきたいと強く思っています。

――今年のオフラインイベントはどのようなものを予定されていますか?

千葉氏:去年とおととしは「ガンホーフェスティバル」というガンホー全体のイベントと一緒に行っていましたが、今年は「ラグナロクオンライン」単独のイベントを別の時期に開催することになりました。例年なら、ちょうど今頃の時期にオフラインイベントをやって、そこでいろいろ情報も出させていただいていたわけですが、今回は出展しないのでこのような形でお知らせすることになったわけです。

――すでに開催時期や内容は決まっているのでしょうか。

千葉氏:10月3日の土曜日に「ラグナロクオンラインファン感謝祭」と日本最強ギルド決定戦の「RJC2015」を開催します。

RJCに関してはルールの変更もありまして、これまでの7対7から5対5になります。最近はメンバーを7人集めるのが大変だという声があり、組み合わせのセオリーが決まってきているということもあって、この形に変えることにしました。

さらに、他の職業の役割を持てるアイテムを導入して個人の役割や活躍できる幅を広げると同時に、これまではルールで禁止されていた強力な「MVPカード」も一部解禁します。これにより、いろいろな組み合わせの対戦が見られるのではないかと期待しています。もちろん、今回も練習用のサーバーなどを6月以降にオープンしていきます。

――新たな職業を実装する予定はありますか?

千葉氏:「ガンスリンガー」の上位職になる「リベリオン」の2015年中の実装を目指して調整中です。現在、13周年アニバーサリー向けのアイテムを作ろうというオフラインイベントで全国を回っているんですが、そういった場でもユーザーさんから聞かれることが多いので、この場で言っておきたいと思います。

この職業は転生をしなくてもレベル160まで上げられるので、通常の3次職よりも弱くなくてはいけないのですが、ほかのレベル160キャラと一緒に遊ぶことを考えると、ある程度の役割も持たせなければいけません。バランス取りが非常に難しく、久しぶりの新職業ということもあって、ご期待に応えられるよう慎重に調整を行っています。

日本のテスト環境で動き始めていて、このような色違いのビジュアルもすでに作成されている。

――今回の大型アップデート以降の予定を教えてください。

千葉氏:毎年夏には大きなイベントを行っていますが、今年も実施予定です。それと、今回のようなメジャーアップデート以外のタイミングでも……例えば魔法使いのこのレベル帯は狩場が少ないよねとか、こういうアイテムが手に入る場面が少ないよねといった、ちょっと足りない部分を補うニッチなアップデートをやっていきたいなと考えていて、その一環として「ピラミッドナイトメア」の実装を予定しています。

ありていに言うとピラミッドダンジョンのハードモードのようなものですね。狩場が不足しているレベル130あたりの中級者に向けたダンジョンで、メモリアルダンジョンではない通常ダンジョンとして追加しようと考えています。メモリアルダンジョンは1日1回とか2日に1回とか、どうしてもプレイする時間が限られてしまいますから。

また、「英雄の痕跡」という韓国の原作コミックのキャラクターが登場するエピソードで、未実装のものがあと3ストーリー残っていまして、こちらも年内の実装を予定しています。1個1個のストーリーが小さいので全部まとめて実装するか、1個のエピソードをふくらませて大きくするか、まだ決まっていませんが、日本向けのカルチャライズをしっかり行った上で実装していきたいと思っています。

――そのほかに温めている企画などはありますか?

千葉氏:「ラグナロクオンライン」は10年以上遊んでくださっている方がけっこういまして、そうした方に向けて「2004年以前のフェイヨン」を復活させるという企画が進行中です。現在のフェイヨンはリニューアルされたものなんですが、古くからのユーザーさんは昔のほうが使い勝手が良くて好きだという人が多くて、私もそうです(笑)。ただ、プレイ歴9年未満のユーザーさんには今のフェイヨンが当たり前の形なわけですし、現在のマップの形状を使ったコンテンツなどもありますから、さすがにデータを上書きして差し替えるわけにはいきません。ですから、提供方法は未定ですがパラレルのような形にして、ユーザー側が選べるようにしたいと考えています。

こちらが昔のフェイヨン。狭いので見やすく、街としての使い勝手が良いのだという。

――そういえば浅草サンバカーニバルには今年も参加されるのでしょうか。

千葉氏:今年も出る予定ですが、今回も会社の活動としての参加で、申し訳ないのですがユーザー募集は行わないと思います。すでに述べたとおり、10月3日にオフラインイベントを行いますので、ぜひそちらに来ていただきたいですね。

――最新エピソードの内容や実装の時期などを教えてください。

千葉氏:韓国ではEpisode16.1「Banquet For Heroes(仮)」が最新のアップデートになります。舞台はルーンミッドガッツ王国の首都プロンテラで、今回のレッケンベル社のような昔からシナリオに存在する「まだ明かされていない設定」に着目していくという、10年来のハードファンが深く楽しめるものになっています。日本では年末くらいに実装したいと考えていますので、10月3日のイベントで詳細を公開するかもしれません。

――大型アップデート以外にやりたいことはありますか?

千葉氏:3次職向けなどの長く遊んでくださっているユーザーさん向けのアップデートがメインになっていますが、今回の「7年ぶりのモロク復興」にけっこう反応があって、久しぶりに戻ってきたという方がけっこういらっしゃいました。新しく始めたという方もおられたので、初心者に向けたサポートも積極的にやっていきたいですね。

――分かりました。それでは最後に今後の意気込みを聞かせてください。

千葉氏:「ラグナロクオンライン」はアップデートやイベントが常に行われていて、何もない週はほとんどありません。今年も年末までガッチガチに予定が埋まっていて、今回紹介していない細かいアイテムの追加なども行っていきます。日本の企画チームが考案したものを作ってもらったりもしているので、提供量は韓国よりも圧倒的に多いと思います。日本と韓国の双方で協力して開発するような運営になっているので、その体制をフルに活かしながら今年も全力で突っ走っていきたいですね。

――ありがとうございました。

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