【G-STAR 2014】見た目上は敢えてシンプルに作られているNCsoftの次期主力タイトル「Lineage Eternal」を遊んでみた

NCsoftの次期主力タイトル「Lineage Eternal」は、PC/モバイル端末のどちらでも快適に遊べるアクションMMORPGである。ぱっと見る限りでは既視感のある作りなのだが、実はその影では意欲的な試みがたっぷりと行われているのだ。

「G-STAR 2014」におけるNCsoftブースでは、アクションMMORPG「Lineage Eternal」が、100台規模でプレイアブル出展されている。2011年に制作発表が行われてから、長らく続報がなかったものの、今回のブース出展ではG-STAR全体を含めて最も長い行列が出来上がっており、相変わらずの注目度の高さといったところ。実際に遊んでみたのでプレイレポートをお届けしたい。

今回の試遊台では、メイス+盾で戦うパラディン(男性)と、炎や氷などの魔法で戦うキャスター(女性)の2クラスから選んでプレイできる。ゲームを開始すると、いきなり多数のキャラクターがひしめく攻城戦のまっただ中で、そこからクエストが示すマーカーに沿って進めていくと、城塞から地下墓地、そして再び地上のフィールドといった風にステージが切り替わっていく。

操作システムは非常にシンプルで、アクティブスキルに関しては数字キーの1~5とマウスの左右クリック、そして“ドラッグスキル”(後述)の8種類となっている。今回プレイしたパラディン用のスキル例としては、チャージ(突進)、ワールウィンド(回転斬り)、バッシュ(盾で攻撃)などがあり、クォータービュー形式のアクションRPGとしては、まぁいかにもな感じのラインナップだ。一応、各スロットに対応するスキルを自分でカスタマイズすることも可能だ。

ちなみに“ドラッグスキル”とは、画面内にマウスドラッグで線を引くと、その形になぞらえて発動させられるスキルである。パラディン用のドラッグスキルだと、魔法のハンマーを召喚して遠距離攻撃を行ったり、キャスターの場合はファイアウォールやアイスウォールを繰り出せたりする。ファイアウォールなどは別に珍しくもないが、任意の場所と向きに繰り出せるのは、なかなか面白い。

画面外にいるモンスターが塀をよじのぼって攻めてきたり、頭上から巨大なモーニングスターが降り注ぐトラップなど、アクションRPGとしてお約束のゲーム展開が続いていく。グラフィックスのクオリティは高いのだが、ゲーム全体的な印象としては既視感があるというか、ハッキリ言ってしまうと「Diablo3」に非常によく似たプレイフィールだ。あのLineageの最新作にしては、ちょっとインパクトが弱いかなぁ、というのが、プレイ直後の偽らざる感想である。

しかし、ここで忘れてはならないのは、本作のゲームジャンルはMMORPGで、しかもPCのみならずスマートフォン向けとしても作られていることだ。例えばフィールド上に出て、強敵のレイドモブと遭遇すると、会場内で同じ進行度のプレイヤーキャラクターが自動的にマッチングされ、あれよあれよという間に10~20名の討伐隊が出来上がるのだ。それまでのプレイフィールがDiablo3ライクだっただけに、10名以上の仲間と一緒に戦うのは、すこぶる新鮮な体験であった。

近年のオンラインRPGは複雑化・誇大化が進み、奥深さと同時にハードルも高くなってきている。その傾向は「タワーオブアイオン」でピークを迎え、そういったニーズがあるのも事実だが、現在巨大な波となって押し寄せているモバイルゲームのブームを踏まえると、そういったタイトルは分が悪いといえなくもない。NCsoftはモバイルゲームのブームに対し、ライトとコアの中間にあたる“ミドルコア”なゲームを作ることを目標としており、その第一弾として登場する主力タイトルが、本作「Lineage Eternal」なのだ。

そういった点を踏まえたうえで、あらためて冷静に見ると、これは凄いゲームである。スマートフォン版でも遊んでみたが、操作システムやメインコンテンツはスポイルされていないし、攻城戦のうじゃうじゃ感もバッチリ実現できている。しかも、ユビタスと業務契約を結んだうえでクラウド版の開発も行われており、通信データ量も相当シェイプアップしているだろう。

「Lineage Eternal」を“PCオンラインゲーム”の価値観で判断してしまうと、その真価を見誤ってしまうだろう。NCsoftのモバイルゲームに対するアプローチが、正式サービス開始後にどのように受け入れられるのか、引き続き注目したい。

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