「アラド戦記」大型アップデート「大転移」について開発陣にインタビュー―初心者プレイヤーから高レベルプレイヤーまで遊べるコンテンツがいっぱい!?

ネクソンが「アラド戦記」で7月16日に実装を予定している大型アップデート「大転移」。本アップデートで実装される新ダンジョンや新システムについて、開発会社のNeopleと運営会社のネクソンに聞くことができた。

7月16日に実装予定の「大転移」ではアラド地域が生まれ変わったり、女鬼剣士の新職業「バガボンド」や「ダークテンプラー」が追加されたりと、かなりのボリュームのアップデートが予定されている。今回、本アップデートについてNeopleのグローバル室長兼アジアサービスチーム長のオム・ジョンヒョン氏、サービス企画のイ・デヒョン氏、アラド戦記QAのイ・ジョンウォン氏に聞くことができたので紹介する。

大型アップデート「大転移」について

――7月16日に実装される大型アップデート「大転移」の見所を教えてください。

左:イ・デヒョン氏 中央:イ・ジョンウォン氏<br />
右:オム・ジョンヒョン氏
左:イ・デヒョン氏 中央:イ・ジョンウォン氏
右:オム・ジョンヒョン氏

オム・ジョンヒョン氏:今回の見所は3つあります。まずはシナリオの変更です。「大転移」はパラレルワールドとなっているので、味方だったキャラクターが敵になったり、敵だったキャラクターが味方になったりします。2つ目はダンジョンまでの移動距離を短くして、モンスターと戦うことに集中できるようにしています。3つ目はギミックを強化しました。今までは戦って倒すだけのモンスターが多かったのですが、モンスターを倒すのにもギミックが必要になります。

――UIなども改善されているのでしょうか?

オム・ジョンヒョン氏:プレイヤーが不便だと思っていた部分を直しています。ゲームを始めたばかりの初心者が、キャラクターのレベル上げに集中できるようにしました。

――個別ドロップシステムが追加された理由を教えてください。

イ・ジョンウォン氏:遠距離攻撃系の職業がアイテムを拾えない状況が多くあり、エピックやクロニクルといった交換はできないけど価値が高いアイテムがドロップすると、アイテムを巡ってもめることがあり、パーティープレイをあまりしたくないというプレイヤーもいました。個別ドロップを導入すると、パーティーのドロップアイテムがそれぞれ異なり、もめることなくパーティープレイが楽しめるようになります。

――個別ドロップはプレイヤーキャラクターの職業にあった装備やアイテムが確実に手に入るということでしょうか?

イ・ジョンウォン氏:ランダムでアイテムがドロップするのは変わりません。例えば、パーティープレイでボスを倒したときに1人のプレイヤーが銃だったら、ほかのプレイヤーは剣ということもあります。

オム・ジョンヒョン氏:装備できないアイテムもドロップするので、拾うか拾わないかだけ判断することになります。

――個別ドロップのほかに全体ドロップの選択は可能ですか?

オム・ジョンヒョン氏:できないですね。ただ、個別になったからといって、プレイヤーが損をすることはありません。

――アラド大陸がリニューアルされてマップ全体がスッキリした印象を受けました。その理由を教えてください。

オム・ジョンヒョン氏:ダンジョンプレイに集中できるように、マップをシンプルにしました。一番多くの人が集まっていたアンダーフットを地上に移動させることにより、一番多くの人が集まる場所にして、ダンジョンに行く時間を短縮しました。

マップが複雑だと初心者はどこに行けばいいのか迷ってしまい、マップを覚えることから始めることになり、ダンジョンに挑戦するまでに時間が掛かってしまう点も改善できたと思います。

――マップの改善はプレイヤーからも要望が多かったのですか?

オム・ジョンヒョン氏:「下の地域から右上の地域に行くのが大変」という意見は多かったですね。そのようなプレイヤーの意見は、韓国では「大転移」実装後に無くなりました。

――新ダンジョンの舞台設定やコンセプトなどを教えてください。また、新たなNPCも登場するのでしょうか?

オム・ジョンヒョン氏:ダンジョンはレベル1~54が34個、高レベル向けが4個追加されます。従来のダンジョンはひたすら戦うだけでしたが、新しく追加されたダンジョンは本作のストーリーが理解できるミニゲームが用意されています。

ミニゲームのなかにはクイズのようなものもあり、解答によってNPCが敵になったり、仲間になることもあります。ほかに低レベルのダンジョンで遊びやすくするという目的もありました。今回のアップデートでいなくなってしまうNPCもいますが、新たに登場するNPCもいます。また、イラストや性格などが変わったNPCもいますよ。

――ダンジョンで味方になったNPCが次回のダンジョンで敵になることもありますか?

オム・ジョンヒョン氏:同じダンジョンにもう1回入ったときに敵になることもあります。

――変更されたNPCのイラストで最も注力したキャラクターは?

イ・ジョンウォン氏:GBLに所属しているイサドラというキャラクターです。敵で登場したときは醜い姿でしたが、「大転移」後はGBLが味方になり、イサドラも美しい姿で描かれています。

――ダンジョンでロボットのような乗り物やボートが登場していましたが今後も追加されるのでしょうか?

オム・ジョンヒョン氏:今は特に決めているものはありませんが、追加してくと思います。ロボットやボートが登場した理由は、ダンジョンが難しくてクリアできないプレイヤーが、それらを利用することでクリアしやすくすることと、新しい遊びを提供する目的がありました。

――アップデート「大転移」以前のストーリーを楽しむことはできないのでしょうか?

オム・ジョンヒョン氏:一部地域はそのままなので、「大転移」前のストーリーがなくなっているわけではありません。ですが、レベル1~54までのダンジョンは全部変わっているので、新しく始める方は「大転移」前のストーリーを楽しめなくなりますね。

――ということは今のプレイヤーだけが楽しめるストーリーということですね。

オム・ジョンヒョン氏:そうですね。でも、新しくなったストーリーもかなり面白いと思いますよ(笑)。

――レジェンダリーアイテムが追加されましたが、どの程度の強さを持っている武器なのでしょうか?導入した理由も教えてください。

イ・デヒョン氏:既存のユニークアイテムとエピックアイテムの中間程度の性能です。エピックと同等の追加オプションも付与されています。レジェンダリーアイテムは、ユニークアイテムとエピックアイテムの性能が違いすぎたので、その差をなくすために導入しました。古代ダンジョンやスペシャルダンジョンのような場所で、特別なアイテムを支給したかったという理由もあります。

イ・ジョンウォン氏:既存のエピックアイテムと同様に発動オプションもレジェンダリーアイテムには付与されています。例えば、モンスターが出血状態になれば攻撃力が20%上がるというものです。これは韓国のプレイヤーからも評判が良いですね。

――今回決闘場にミッションシステムが導入された理由を教えてください。

イ・ジョンウォン氏:今後実装予定のコロッセオに挑戦するには勝利の証というポイントを200ポイント貯める必要があります。そのポイントを効率よく稼げるミッションです。コロッセオでは10回プレイして、連勝すればするほど良いアイテムをもらうことができます。

オム・ジョンヒョン氏:今までは、PvPをするためにダンジョンに行き、良い武器や防具を獲得する必要がありました。決闘場だけで遊んでいるプレイヤーでも、さまざまなアイテムを獲得できるようにするために、コロシアムを導入しました。コロシアムで勝ち続ければ、レジェンダリーアイテムをもらえるのでダンジョンで活用することもできます。

女鬼剣士の新職業「バガボンド」と「ダークテンプラー」について

――新職業として導入される「バガボンド」と「ダークテンプラー」の特徴を教えてください。

オム・ジョンヒョン氏:「ソードマスター」や「デーモンスレイヤー」は、誰がプレイしても扱いやすい職業でしたが、その反面、アクションプレイが好きなプレイヤー向けではなくなってしまいました。「バガボンド」や「ダークテンプラー」は、攻撃力が低く設定されているかわりに、コントロールする面白さを追求しています。

――「バガボンド」と「ダークテンプラー」の実装に踏み切った理由を教えてください。

オム・ジョンヒョン氏:女鬼剣士を実装した反響が大きかったため、「バガボンド」と「ダークテンプラー」を実装しました。レベル1~54までの全てのダンジョンが変更されており、新職業で新マップをプレイしてもらうことが一番満足いただけると考えました。

――新職業の韓国での評判はいかがですか?

オム・ジョンヒョン氏:ダンジョンプレイではとても強いので、改善して欲しいという要求はありませんでしたね。PvPだとプレイ歴が長いプレイヤーは、自分が使っているメインキャラクターもいるので、「バガボンド」と「ダークテンプラー」を使う人は少ないようです。既存キャラクターのレベルが高いので、今は2つの職業がPvPで勝ち続ける状況にはなっていませんね。

――韓国では新職業をどのようなスタイルで遊んでいますか?

オム・ジョンヒョン氏:ダンジョンはソロで遊ぶことが多いですね。レベル70を超えたあたりからパーティプレイをするプレイヤーが増えます。

イ・デヒョン氏:新職業で異界ダンジョンに行きクロニクルアイテムを集めようとしているプレイヤーもいるようです。

――韓国ではどんなスキルが人気ですか?

オム・ジョンヒョン氏:「バガボンド」なら一番代表的なスキルの「五気朝元」ですね。

イ・ジョンウォン氏:攻撃力を向上させる効果を5回重ねられるバフ系スキルで、使うと40秒継続します。「バガボンド」ではこのスキルを忘れずに使用していく点が重要です。

イ・デヒョン氏:「バガボンド」では「爆剣」も人気ですね。「ダークテンプラー」では、「デストロイヤー」というスキルが人気です。

爆剣 デストロイヤー

――「ダークテンプラー」は束縛系スキルで相手の動きを止められるので、PvPで猛威を振るいそうですがバランスはいかがですか?

オム・ジョンヒョン氏:今回の決闘場はキャラクター自身のバランスよりは、武器や防具の調整が行われています。「ダークテンプラー」は相手の動きを止めるスキルを持っていますが、それだけで強いというわけではありません。

イ・ジョンウォン氏:むしろ少し弱いかも知れません。敵の動きを止めるスキルは優れているのですが、攻撃力が低めで相手を倒すには火力不足です。韓国ではあまり強い職業として扱われていません。むしろ「バガボンド」のほうが強力です。

オム・ジョンヒョン氏:PvPを楽しんでいるプレイヤーは長年プレイし続けている方たちです。新たな職業が強かったとしても、キャラクターの能力値よりはプレイヤーのコントロール能力が上回っています。

――今回のアップデートで苦労した点はありますか?

イ・ジョンウォン氏:大型アップデートでとにかくコンテンツ量が多く、常に時間が惜しいという状態でした(笑)。

オム・ジョンヒョン氏:夏と冬に大型アップデートをしているのですが、韓国は夏にできず、秋にアップデートを行いました。ある程度出来上がったものを日本に導入するとしても時間が足りなくて……。今回やっと導入することができました。

――読者に向けてメッセージをお願いします。

オム・ジョンヒョン氏:生意気な話かも知れませんが、2D横スクロールゲームをここまで大規模なレベルで作っている会社はNeopleだけです。クオリティの高さも自分達が1番ではないかと思っています。世界で1番面白い2D横スクロールゲームなので、大型アップデート「大転移」を楽しんで頂ければと思います。

イ・ジョンウォン氏:日本で「アラド戦記」のサービスが開始してから8年目になります。長年遊んでいただいているプレイヤーにはとても感謝しています。今後も「アラド戦記」を応援してください。

イ・デヒョン氏:開発者でもありますが、自分も「アラド戦記」が好きなプレイヤーの1人です。一生懸命作った「大転移」なのでみなさんと一緒に楽しみたいです。

――ありがとうございました。

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