新クラス「双剣士」や新ジョブ「忍者」を始め、今後の「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の展開を吉田直樹プロデューサーにインタビュー

アメリカ・ロサンゼルスのLAコンベンションセンターにて、6月10日(現地時間)より3日間に渡って開催された「E3 2014」。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」プロデューサーの吉田直樹氏にインタビューした。

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」(以下、新生FFXIV)では、パッチ2.4で、新クラス「双剣士」と新ジョブ「忍者」を実装することが発表された。今回、E3の会場で吉田氏へインタビューすることができたのでお届けする。

――本日はよろしくお願いします。まずパッチ2.4で、新クラス「双剣士」と新ジョブ「忍者」が実装されることが発表されました。それぞれ、クラスとジョブのコンセプトを教えていただけますか?

吉田直樹氏
吉田直樹氏

吉田氏:もともと拡張パックから前倒しで実装を決めたわけではなくて、拡張パックに行く前に、いずれにせよ新クラスと新ジョブを1つは入れないといけないと思ってました。「新生FFXIV」正式サービス開始のタイミングで「学者」はサプライズで足せたものの、「旧FFXIV」から遊んでらっしゃる方からすると、そうとう長い期間レベル50のままですし、育成がニーズとしてあるのも分かっていたので、何かしらは入れたいと話していたんです。

クラス、ジョブバランスの中で、アタッカーに対してローグタイプ、ステルス/スカウトタイプのクラスがいないことは、MMORPGとしてバランスとして物足りないと感じていて、ただし忍者はトリッキーというか、メインになってくるようなジョブではないので、初期実装ではなく今回のタイミングでの追加ということになりました。またPvPコンテンツ「フロントライン」が入ることで、かなり広いフィールドの中で24対24対24が行われるので、索敵をしてくる人たちがカギを握ってくるので、そうしたことも考慮しての実装となります。

例えば「グリダニアの3パーティが、拠点3に向かって北から南下中」というスカウト情報があるだけで、じゃあ迎撃するのか、回りこんでサイドからアタックするのか、かと言えば、他の勢力のステルサーが姿を消した状態で逆にそっち向かったから、さらにそれを襲おうみたいな情報戦があるなど、さらに盛り上がる要素になるので、その意味でもやはりステルスクラスを入れたかったということです。

パッチ2.3でフロントラインの基礎を皆さんに馴染んでいただいた上で、パッチ2.4でスカウトクラスが入ることによってさらに違った局面になっていくのかなと。あとパッチ2.2で「あれ、もしかして早めに新ジョブ、新クラス来る?」と思わせるようなものをストーリーでヒントを出しつつやってきたので、ちょっとライブ感的な意味で意図したところです。

シーフに関してですが、やはり開発チームでも「シーフ」と呼びたい気持ちは大きかったです(苦笑)。各都市に拠点があってギルドと呼ばれいて、仮に地下組織でシーフって言ったとしても、それではメインストーリー上表舞台に出られない。かつて彼らは海賊で荒れていた時代には、義賊的にシーフと呼ばれていて、それがちゃんと体系化して、国にもある程度認められてギルドを持つようになり、武術として「双剣士」という形になったという設定です。それでも僕らなりに考えた、今の時代のシーフを目指して作っているつもりです。

また、「忍者」は日本の文化というか、ステルス/ローグタイプのジョブといえば、やはり忍者を一番最初に思い浮かべると思います。グローバルに運営していることもあって、皆さんの色々な想像が働きやすいジョブでもあるのかなと。「FFVI」のシャドウがかっこ良くて好きだっていうこともあり、シャドウを今風にしたらどうなるのだろうというのもあります。ユウギリという謎めいたキャラクターが東方から流れてきて、それがサンクレッドが属していた元シーフ達と混ざり合って、エオルゼアという土地で新しいジョブ忍者として誕生していく……というイメージだと思っていただければいいと思います。

――ユーザーさんはこれまでの「FF」のシーフと忍者という感覚でいると思うんですが、本作のシーフと忍者とは結構違いますよね。例えば「ぬすむ」があったり。

吉田氏:スタンドアローンのシーフとしてのイメージは、さほど強くはないかもしれません。

――つまり「FFXIV」のクラスとジョブの関係のような、双剣士より特化された形が忍者だと。いわゆる、皆のイメージにある「シーフ」と「忍者」のハイブリッドのようなものではないということですか。

吉田氏:ちょっと違うところもあります。シーフのうちは毒の使い分けがポイントになってきます。忍者になってくると、印をどう使っていくのかがポイントになってきます。

――いわゆるプラスってことですよね。毒がありつつも、そこに印が出てくるという。

吉田氏:そうですね。そこがまた急に変わってくるというか、違った遊び方にはなります。今まで実装されている9個のジョブとは違う感じになるのではないでしょうか。

――忍者の「印」というシステムについて、もう少し詳しく教えていただけますか? これはデバフとして機能するのか、魔法として機能するのかなどをお聞かせください。

吉田氏:複数のプレイヤーで印を最大化することは考えていません。なぜなら、もしそれが強いとなると、2人忍者を入れるのが必須になってしまうので。印はいくつか法則性があるので、必ずしも1つの効果だけを発揮するだけではないんです。どんな局面でどんな印を結ぶのが有効なのかを探してみてください。

――オンラインのFFで忍者というと、「FFXI」の忍者を思い浮かべる人もいますよね。忍者は基本的にはDPSとして扱うんですか?

吉田氏:う~ん。忍者が皆の盾になっているのがどうしてもイメージと合わなくて……。ですので、そこは純粋なDPSで行きたいし、シナリオ的にもそういう扱いをしていきたいと思っています。

――確かに、盾になるような見え方はしてないですよね。

吉田氏:漫画「NARUTO」のヒットによって、また新しい忍者像の見え方っていうのもでてきました。「FF」最新作として、新しいオンラインゲームとして「FFXIV」を発信していくときに、日本の会社であるスクウェア・エニックスが忍者を出す。海外のユーザーにどう受け止められるかというのもしっかり意識しています。「FFXI」のイメージによって、「回避していくタンクなんじゃないか」という予想もありましたが、それはないです。忍者は忍ぶほうに舵を取っているます。

――もう1つお聞きしたいんですけど、触媒は使いますか?

吉田氏:印を結ぶためにアイテムを消費したりはしないです。それは毒に関しても同じです。

――忍者の動画を見る限り、かなり動きまわってダメージを与えているような印象でした。モンクと同じで、方向指定コンボで攻撃をしていくのですか?

吉田氏:無いとは言いませんが、モンクとは全然違います。動画では見栄えを考えて動かしてますが、どういったタイミングでどう印を結んでいくのかを、適時考えながら動かしていくことになると思います。例えば「学者」や「召喚」でエーテルフローをいつ回して何を使うのかという考え方があったように、そういった方向性です。位置指定がさらに激しくという感じではないです。

――大枠として、ストーリーでヒントが出て、今回忍者が出たんですけど、そもそも色々なロールがある中で、なぜ近接DPSを選んだのですか?

吉田氏:DPSのカテゴリの中に、ローグ/スカウトクラスが足りないと思っていたからです。タンクはナイトと戦士で非常に住み分けが出来ていて、各ロールに2ジョブずつ役割が揃っています。近接DPSも確かに2ジョブなのですが、いわゆる純粋DPS枠となっています。ステルスを使うところ、背後からのバックスタブを含めて、スカウトという役割のクラスやジョブを入れておきたいと考えたからです。ですので、必要なものをきっちり用意しようということです。

――ただその結果として、DPSのロールの人口がさらに過密する恐れがありますが、それに対して何か工夫は考えてらっしゃいますか?

吉田氏:単純な話ですが、コンテンツファインダーのマッチングに時間がかかると思います。そうなると早くレべリングをしたい方がF.A.T.E.に流れる可能性は高いです。あとはタンクやヒーラーの不足ロールボーナスをさらに追加する可能性はあります。

そうすると、今までタンクを育ててなかった人たちが、「よし、このオイシイ隙に上げよう」となる場合もありますし、2、3週の過密期間があったとしても、またエンドに行くときは皆さんメインジョブで行くのではないかと思いますし、アラガントームストーンを稼いだりするときはメインジョブでさっさとこなして、また育成に戻るというイメージです。この混ざりあいがあるので、極端に何かを変えようとは今のところ考えていません。せっかくの新クラス/新ジョブですし、忍者だらけのエオルゼアも、ある意味MMORPGのお祭りっぽくて、ある程度はありなのかも、とも思っています。

――また忍者訊いてもいいですか(笑)。忍者って二刀流だと思うんですけど、つまり2つの武器の中でメインの武器があって、サブの武器があるということですか?

吉田氏:いえ。モンクと同じで、二対で一振りです。

――オートアタックの仕組みは同じ?

吉田氏:ええ、オートアタックは同じです。

――以前、DPS表示ツールが話題になったと思うんですけど、海外で言う「World of Warcraft」みたいに、公式でアドオンをサポートするような取り組みはあるんですか?

吉田氏:アドオンツールは今現在作っています。公開できたら、まずはスキン替えとか、表示を増やしてみたりというのは全然あって構わないと思ってます。あくまで、個人で楽しむ範疇でスキンを変えるためのリリースですけどね。

――今後も蛮神は出てくるのでしょうか。

吉田氏:やはり召喚獣(蛮神)はFFの華だと思っていて、まだまだ数えきれないくらいの召喚獣がFFにはいます。なので色んな形で彼らの活躍を作っていってあげたいと思っています。

今は蛮族として「人間を滅ぼしてほしい」という願いに引きずられて、思いのまま出てきていますけど、ここからはもう一段深い話になってくると思います。ラムウ辺りからその兆候は出てくると思いますけど、蛮神には蛮神の考えがあるので、呼ぶ側との微妙なズレなんていうエピソードも期待してほしいですね。

――忍者のレリック装備は実装する予定ですか? また、あるとすれば、その取得条件は従来と変わるのでしょか。

吉田氏:もちろん忍者にもレリック装備は実装しますし、取得条件に関しては調整中ですが、ほかのジョブと同じような形を予定しています。もしかするとアートマだけは今から集めておくのも良いと思いますし、その準備は今からしておいても良いと思いますよ。

――今回PVを作るに当たって、PRチームからラムウはないんじゃないかみたいなこともありましたけど、ユーザー側からの反応はいかがでしたか?

吉田氏:本当は、ここ(後ろのE3用ポスターを指して)にラムウがいたはずなんですけど、もじゃもじゃした髭が特徴な上に顔が凄い小さいんで、これE3会場入り口のメインバナーのところに貼るのはきついかなと感じました。

北米のPRチームが「E3の舞台で華がないのは勘弁してください!」と言うので、「じゃあシヴァで行こうか」ということになりそれでシヴァが真ん中になりました。この蛮神の配置意図も、色々ご想像していただけたかなと思います。ちなみに、ラムウを配置したバージョンを見て、僕も「これは華がないなあ」と思いました(笑)。老人キャラクターは好きですし、ラムウの存在自体は凄く気に入ってるんです。

――今後、剣術士からナイト以外に派生したりとか、クラスから何かに派生する予定はあるのでしょうか。

吉田氏:うーん、検討はもちろん常にしています。もちろん仕組みとしてはできますし、新クラスやジョブを増やす際はどのシステムを採用するかいつも悩みます。

ジョブクエストを作ったり、クラスからジョブに派生する時って、作る側としてはクラスのアクションに縛りを受けてしまうんですよ。そもそも全体デザインをしなくてはいけないのと、フィジカルボーナスが共通という弱点が露呈している部分があるんですね。今回の発表はクラスとジョブの同時実装でしたので問題はないですが、やはり慎重に考えている、というのが現状です。拡張パックとなる3.0でもジョブは増えますし、また新たな仕組みになるかもしれないので、続報をお待ちください。

――以前「初心者の館」を実装するというお話がありましたけど、これはコンボなどを練習できる場所という認識でよろしいでしょうか。

吉田氏:最近の格闘ゲームにはトレーニングモードがあり、コマンドを練習できます。たとえば、初心者の館にいって、モンクのトレーニングをしたいとか、ジョブ毎に割り当てられたお題をクリアしていく、というイメージのものです。

当然、コンボの練習だけでなく、タンクの場合には、敵視の概念を覚えていただくようなものも想定しています。モンクに例えるとコンボ練習に聞こえますが、タンクをやる方には、「フラッシュを炊いて3体の敵視ゲージを赤にしましょう」という課題や、例えばヒーラーがモンスターに襲われている状態で「このモンスターの敵視を向けてみましょう」というように「挑発」の練習をするなどですね。初めてそのジョブでプレイする人や、初めてMMORPGをやる人に対して「FFXIV」の概念を覚えてもらう。「初心者の館」はそういう位置づけですね。

――クリスタルタワーについて、参加条件はこれまでに入っていたクリスタルタワーをクリアして、クエストもある程度こなすことによって参加できるんですか?

異才のアモン
異才のアモン

吉田氏:はい。そうだと思ってもらって大丈夫です。古代の民の迷宮を抜けている必要がありますので、その点だけは気をつけていただければなと。

――全体のボリューム感は、前回と同じくらいと考えてもいいんですか?

吉田氏:そうですね。だいたい同じです。

――難易度はどうでしょう。

吉田氏:皆さんのアイテムレベルが上がっているので、その分だけモンスターのHPや耐久性は上がってます。おそらくアイテムレベルレベル80想定くらいに落ち着きそうです。当然ギミックは総替わりしているので、皆でああじゃないかこうじゃないかって言いながらクリアを目指していただきたいと思います。

妖艶のスキュラ 始皇帝ザンデ

――パッチ2.3で黒魔道士のジョブ調整が入ると発表がありましたが、その時に「ジョブ間のバランスを見て調整します」というコメントが曲解されて、「黒魔道士が修正されるがために、他のジョブがそのアオリを受けるんじゃないか」という声が結構あったんです。他のジョブに影響があるのかどうかを、誤解を解くためにも吉田さんからコメントをいただけたらと思います。

吉田氏:黒魔道士の調整が他のジョブに影響を与えることはないです。もう一度お話すると、黒魔道士はウォールもマバリアもあって、そもそも攻撃だけでなく、防御にも秀でてます。ツインタニアのダイブボム2回目は「はいはい、ウォール、ウォール」という感じでプレイもできる。かつ、範囲攻撃も強いのが今の状況です。

ただキャスト時間の兼ね合いにより、瞬間的に動くことが多いシチュエーションでは単体DPSが上げにくい場合があります。もともと黒魔道士は単体DPSが強く、範囲もそこそこ使える、と感じで作っています。しかし、コンボの位置取りや近づかなければ攻撃できないという制限ををもつ近接クラスの方が単体DPSは当然高くなるように調整しています。ですので、単純に他のジョブのDPSに追いつく調整をしてしまうと、全てのシチュエーションにおいて、他のジョブの立つ瀬がなくなってしまいます。ですので、その点を踏まえながらも、「黒魔道士と他のジョブのバランスを見て、キチンと黒魔道士の調整をします」ということです。

もうひとつ、他のジョブで今使われにくくなっているアビリティやアクションがあるのも事実で、それは少しづつ見直しをかけていくとは言いました。もしかすると、このふたつの調整が、関連付けられてひとつに誤解されている可能性はあるかもしれません。このふたつの調整は、あくまでそれぞれ別のものです。

――レベル50になっていくワンダラーパレス、アムダプールとかでシパーヒ装備とか、ホプリタイタバードとか、アイテムレベル60あたりの装備がドロップしますよね。で、そのあと新しく追加されたIDでダークライト装備とかが出るようになってますけど、もともとダークライト装備ってどっちかっていうと、AFから次の段階で装備するものですよね? と考えると、ダークライト装備が取れるようなIDにAF装備でいってしまうとキツイんじゃないかと思うんです。その辺のバランスについて、何か考えていることはありますか?

吉田氏:パッチ2.2をリリースする際に、バトルチームと話をしたポイントです。アラガントームストーン:哲学を廃止するのが早いんじゃないかという話は議論しました。レベル50になったあとに、どうしていいか分からなくなる部分を、アラガントームストーン:哲学という目標でドライブするのは、ありではないかと思ったからです。しかし、最終的にはパッチ2.2で入れたエキスパートダンジョン3つの難易度に合わせて、その下であるワンダラーパレスもアムダプールも、シリウス大灯台なども、全調整をかけて難易度を下げました。その上で、これらのダンジョンをAF装備で何度も確認し、DPS的にも守備的にも問題ないことを確認してあります。

ですので、普通のRPGのように、ジョブ専用装備を取ったらレベル50ダンジョン、つまりアイテムレベルが50になったので、レベル50ダンジョンに行って、レベル60のアイテムを取ってレベル60のアイテムが揃ったら、レベル70のドロップをするハイレベルなダンジョンを目指してもらうという、攻略しながら進むというデザインを採用しました。ですので、レベル50になったからと、いきなりエキスパートダンジョンなどを目指そうとすると、当然キツくはなると思います。レベル55のアイテムがドロップするダンジョンからスタートしてもらえると、すんなり進んでいくのではないかと思います。

――では続いて、フロントラインについていくつかお伺いします。まず実装意図を改めてお聞かせください。

吉田氏:フロントラインを「FFXIV」でのPvPのメインにするつもりで、まずはウルヴズジェイルを先行実装しました。ですが、正直ここはミスがいくつかあったと認識しています。本来はウルヴズジェイルで対戦格闘ゲーム初期のようにPvPに慣れてもらったうえで、その勢いでフロントラインに行っていただきたかったんです。

ですが、想定以上に格闘ゲームのようなストイックな面が出てしまいました。コンテンツ名そのもの、まさに「狼たちの檻」になってしまい、たまに初心者の方が参加すると、まるで「うさぎ」のように、凄い勢いで食べられてしまうという……。しかもモラルというパラメータでさらに差がつく状態になってしまいました。

ただ、「『FFXIV』で初めて本格的なPvPを体験してみて、「PvPの面白さに出会った! フロントラインでもっとたくさんの人と対戦したい」と、イベントなどを通じて、多くの方に言っていただきました。フロントラインは参加人数が多い分、1人にかかってくる責任の比重が非常に軽いためカジュアルな方向を目指すことにし、皆さんからいただいた意見のように、もっとたくさんの人でワイワイ楽しめるものを目指したつもりです。

しかも、全滅させたらゲームエンドではなく、あくまでポイントのしのぎを削り合う形になるので、殺されてしまっても、リスタートしてリポップしてすぐ宣戦復帰ができるというように、この点もカジュアルに作ったつもりです。今回は例えば、カタパルトのような攻城兵器や壁崩壊のような要素はありませんが、今後はそういったルールの追加を行い、より大規模なマップだったり、建物を奪い合ったりという形で発展させていきたいと思ってます。

――最終的な構想としては「Dark Age of Camelot(DAoC)」並みの規模でRvRをやりたい?

吉田氏:要素はある程度近いかもしれませんが、広さやコンテンツの位置づけ的に、そこまでやるつもりはないです。なぜなら「FFXIV」はメインがPvPのゲームだからです。あくまで一週間プレイする中の何時間かを好きな人で過ごしてもらえたらと。DAoCは大好きなんですが、中期以降はとにかく敵プレイヤーに出会うのがしんどかった……。新しいコンテンツが入ると、皆新しい装備が欲しくてPvEに行っちゃう。僕のように当時ガチだったプレイヤーだと凄い勢いでアイテムを集めをして、全身その新アイテムになってガチガチになって戦場に帰っていきます。

でも他の人は皆PvEをやっていて、結局PvPフィールドにあまり敵も味方もいないという状況。2時間MAPを延々と走り回ってやっとみつけた同数の敵とぶつかった瞬間、20秒位で勝負がついてしまう。あっというまに8人が倒れる。そして次にこれは厳しいと、相手は40人くらいで徒党を組んくるのですが、結局こちらが8人で全滅させてしまう。そうなると、相手は萎えて戦場にこなくなってしまう。装備が違いすぎる、と。こうなってしまうと、カジュアル思考の方は、装備が整うまで戦場に行くのはやめようと考えますし、装備が集まる時間もかなり長くなります。結果的に僕のような血に飢えた戦闘ギルドは、何時間も戦場をマラソンして、「敵に会えない、敵に会えない」とモチベーションが下がっていきます。

僕としては、やはり戦場を広げ過ぎたり、大規模にしすぎたりするのは、無理があるだろうと考えています。ですので今回のフロントラインの報酬の中には、参加賞的な意味でトームストーン:戦記や神話が貰えます。今までダンジョンなどに行ってトームストーンを稼ぐのに使っていた時間を、フロントラインでの戦闘に使ってみませんか? という開発チームからのお誘いだと思っていただきたいです。ログインして楽しい2、3時間を過ごしたらそれなりのアラガントームストーンが貯まって……という状態を作ることでPvPにも参加してみようかな、と思って貰えると嬉しいです。

――ではウルヴズジェイルと違って、基本的には全員が参加してくれたらいいなということですね。そういう意味では考え方が全然違いますね。レターライブを聞いていて「モラルは使いません」というコメントにちょっとビックリしたんですけど、そうするとウルヴズジェイルとフロントラインっていうのは、装備やポイント的な面で継続性みたいなものはないんですか?

吉田氏:ウルヴズジェイルで稼いだポイントはそのままフロントラインのフィールドでも使えます。PvPアクションのレベルが高い分、その点では若干有利だと思います。ただし、フロントライン実装に当たってほぼ全てのPvPアクションに関しては調整をかけますので、効果が強すぎたもの、弱すぎて使えないもの、ちょうど良かったけど効果が短いもの、長すぎたなどを今回のタイミングで見直しました。

パッチ2.28の修正により、全ジョブにおいてPvPアクションのレベル1を取得しているという調整をかけましたので、その点でも差は縮まっています。今回のPvPコンセプトは「対等」です。「公平なバトルで楽しみたい」という声を凄くいただきましたし「モラルを消してくれ」って声が非常に多かったことを受けての方針でもあります。ウルヴズジェイルにも調整は入れていますので、今後も皆さんの声を聞きながら、この先もさらに細かく調整していきたいと思っています。

――戦場の広さは今の1マップぐらいの大きさと考えていいでしょうか?

吉田氏:そうですね、1ゾーンがグリダニアの中央森林よりも若干狭いくらいだと思います。3つの勢力の拠点になるアウトポストは、お互いが相当離れているので、基本的に敵が全然見えないです。いきなり大軍隊に巻き込まれることもあるのでかなりびっくりするかもしれません。スペックの低いPCを使ってると、いきなり重くなったりするので、敵の軍団がどの方向からくるのか、わかったりするかもですね(笑)。

――コンテンツファインダーのシステムを使ったワールド対抗戦ってできますよね?

吉田氏:今後PvPのイベントとしてやっていきたいですね。世界大会をやってるゲームもありますので、できればもっともっとアップデートをしてプレイヤーの皆さんからフィードバックを頂いたうえで、そういうことができたらいいなと思っています。

――極蛮神は毎回絶妙なバランスで出してくると思うんです。でもタイタンショックがあったように、ユーザの皆さんはどのくらいの調整で出してくるのかなというのが、とても気になると思うんです。例えば、侵攻編をプレイしている人が今の自分の戦力を高めるくらいの路線を行くのか、それとはリヴァイアサンが終わって、バハムートもあるけれども、新しい極蛮神をやってみたい人が気軽に挑戦できるような難易度になっているのかを教えて下さい。

吉田氏:パッチ2.2と極リヴァイアサン、極王モグル・モグXII世と同じように、極ラムウは最初はファインダーは使えない状態で行くつもりです。ただ、かと言って侵攻編の二、三層をクリアしている人たちじゃないと太刀打ちできないかというと全然そんなことは無いと思います。極リヴァイアサン、極王モグル・モグXII世が終わって武器やアクセサリーも取れたので、そろそろ侵攻編に行って一層に行ってみようかなとか、そういう人たちがちょうど良い難易度くらいだと思います。侵攻編の四層を突破している方は、大迷宮バハムート零式:侵攻編のほうへ行っていただけたらなと。侵攻編の4つの層のタクティクスはご存知なわけですし、技が全部変わってしまうわけではないので、それがあっての上で、皆さんがどう解決の糸口を見つけていくのか、零式は僕も楽しみです。その反響によって、今後も同じ方針で行くのか、リワードを作っていくのか、今後の流れを検討したいと思っています。

――ありがとうございました。

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