「World of Tanks」と「ガールズ&パンツァー」コラボで実現したキャラクターボイスパック―ロシア語のセリフも満載のノンナ役・上坂すみれさんにインタビュー

ウォーゲーミングジャパンがサービスを行う「World of Tanks」では、アニメ「ガールズ&パンツァー」とのコラボレーションとして、キャラクターボイスパックの配信が順次実施されている。今回は、登場キャラクターの1人、ノンナを演じた上坂すみれさんへのインタビューを紹介する。

「World of Tanks」は、第2次世界大戦で活躍した戦車で全国のプレイヤーと戦いを繰り広げる、オンライン対戦アクションゲーム。軽戦車、中戦車、重戦車、駆逐戦車、自走砲といった多彩な戦車が用意されており、世界中のミリタリーファンから注目を集めている作品だ。

日本では現在、アニメ「ガールズ&パンツァー」とのコラボレーション企画が実施されており、登場キャラクターである「西住みほ」「秋山優花里」のボイスパックが配信されている。

そして新たに、上坂すみれさん演じる「ノンナ」のボイスパックが配信されることが決定した。上坂さんといえば、戦車や銃火器に詳しいミリタリーマニアとして知られている人物。さらにロシア語も堪能で、今回の収録でもロシア語のセリフを多数録ったという。

今回、収録当日に上坂さんへインタビューする機会が得られたので、その内容をお届けしよう。

――今回はゲームに実装されるボイスの収録でしたが、「ガールズ&パンツァー」本編収録時との違いはありましたか?

上坂さん:ノンナさんは感情の変化が少なく、淡々と報告をするので、システムボイスのような感じがしました。なので、ノンナさんみたいな喋り方だからこそ、楽な部分もありましたね。キャラ毎に個別に行うゲームボイスの収録では感情を表に出すキャラクターとの掛け合いのほうが難しかったりします(笑)。

――収録したボイスの中には、攻撃を受けたときのセリフもあったと思いますが、劇中のノンナさんだと、あまり攻撃されてるイメージがないですよね。

上坂さん:そうですね。それにノンナを演じるのが久々だったので、どんな雰囲気だったかなと思い出す作業は必要でした。だけど、基本的にはいつも通り、冷静に次の一手を考えるノンナさんになっていると思います。

負けたときのセリフも「私たちの負けですね」と淡々としていて、全然悔しそうじゃないんです。もしも遊んでいるときにこのセリフを言われたら、まるで自分のせいにされているみたいで、しょんぼりしちゃいそうです(笑)。

――ノンナというと、今回もロシア語のセリフはあったのでしょうか?

上坂さん:ありました!アニメとは違いかなりの長文で、私の発音でしっかりと聞き取るのは難しいと思いますけど…。だけど、事前にネイティブな発音のボイスを聞かせてもらっていたので、私のできる範囲でしっかり演じました。

――ロシア語ならではの難しさもあるのでしょうか。

上坂さん:言い慣れない単語の多さが一番ですね。ミリタリー系のロシア語ってどれも長くて、「装填ができました」という一言でもすごい労力を使うんです。

それ以外にも「履帯が完全に破壊されました、動けません」とか、日本語でもなかなか話さない言葉が出てきます。ロシア語が得意な方がいたら、負けずにロシア語で応酬してほしいです(笑)。

逆に、ロシア語が聞き取れない人が「敵です。注意してください」というセリフを聞いても、なんのことだか分からず死んでしまうことがあるかもしれないので注意してくださいね(笑)。

――セリフの中にはノンナらしく、カチューシャを心配するセリフもありますよね。

上坂さん:ノンナさんはやっぱりカチューシャのために生きているところもあるので、そこは人間らしいというか、普通のテンションになりますね。操縦士や通信士よりもカチューシャを大事にしていて、その扱いの違いが面白かったですし、プレイヤーの方にも注目してもらいたいですね。

――では、今回収録した内容以外で、挑戦してみたかったセリフはありますか?

上坂さん:個人的には、カチューシャとノンナのやりとりをゲームで再現できたら楽しいんじゃないかと思いますね。なので、いつかはカチューシャのボイスパックも作ってほしいです。

――これまでに「World of Tanks」をプレイしたことはあるのですか?

上坂さん:以前ゲームのイベントに出演したときにプレイしました。私は元々オンラインゲームに不慣れで、本作もそこで初めて触ったのですが、戦車に傷が付いていくのが辛くて…(笑)。壊れ方がまたリアルで、本当に胸が痛みました。

――上坂さんはミリタリー好きとしても有名ですが、ロシアの戦車では特にどれが好きですか?

上坂さん:BTシリーズはどれも好きです。あと、クラシカルなタイプも好きなので、T-34もお気に入りのひとつですね。T-34はスタンダードかつ優秀なので、クラスの学級委員長みたいなポジションなんです。ソ連の数ある戦車の中にはポンコツも結構いるので、委員長のT-34は苦労したんじゃないかと思います。

全体的に、リアクティブアーマーが付いているものや、ネットワークシステムを搭載していてスラロームを素早くできるものよりも、「鉄の棺桶」という雰囲気の、独ソ戦前後の戦車が良いですね。

――そんな上坂さんが「World of Tanks」に出演するとなったとき、どんな感想を持ちましたか?

上坂さん:「World of Tanks」はとても硬派なゲームですから、そこに「ガールズ&パンツァー」の戦車道が入り込むのは不思議な気持ちでした。すでに西住みほさんや秋山優花里さんのボイスパックも配信されていますし、ノンナさんも彼女たちと一緒に辣腕を振るってほしいです。

――そういえば、上坂さんはこの春で大学を卒業して、社会人になりましたよね。まだ期間は短いですが、なにか変わったことはありますか?

上坂さん:大学は4年になっても必修科目があったので、週に3日は通っていたんです。それがなくなったので、自分の趣味にかける時間が多くなりましたね。私が通っていたロシア語学科は「地獄のロシア」というあだ名が付くくらい課題も多く、ロシアの勉強に没頭していました(笑)。

――在学中は、実際にロシアへ行く機会もあったのですか。

上坂さん:はい。1年のときに研修で2週間ほど行って、「ガールズ&パンツァー」でも歌った民謡の「カチューシャ」や、「モスクワ郊外の夕べ」を教えてもらいました。アニメの収録中は研修の思い出が蘇ってきましたね。

あと、地下鉄の駅はソ連時代のモチーフがたくさんあり、まるで宮殿のようで印象に残ってます。マルクス像とか赤軍兵士のレリーフとか、通称「ギロチンドア」と呼ばれているドアの閉まり方とか…すべてのスケールが大きくて、「我々はなんて細かいことを気にしていたんだろう」という気持ちになりました。

――最後に、ノンナのボイスパックに期待しているファンへ向けてのメッセージをお願いします。

上坂さん:大洗女子学園の学生ではないノンナさんが登場するというまさかの展開ですけど、とても的確な指示を出してくれると思います。でもやっぱりセリフが冷たく、勝ってもあまり褒めてくれません。プレイヤーの皆さんには「なんだよこのぶっきらぼうな奴!」と怒らず、プラウダ高校の学生になった気持ちで遊んで、勝利を収めてもらいたいです。

――ありがとうございました。

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