メイプルストーリー、この夏にアップデートを控えた日本完全オリジナルコンテンツ「戦国時代」開発陣インタビューをお届け!

ネクソンが7月11日から8月中旬にかけて実施する「メイプルストーリー」次期アップデート「戦国時代」。この、日本完全オリジナルコンテンツについて、韓国の開発陣にさまざまなお話を伺ってきた。

「メイプルストーリー」では、7月11日から8月中旬にかけ、大型アップデート「戦国時代」の段階的な実装が予定されている。この「戦国時代」は、その名の通り日本の戦国の世をモチーフにした「日本完全オリジナル」のアップデートだ。

今回は、日本でしかプレイできないこのオリジナルアップデート「戦国時代」について、韓国開発陣にお話を伺う機会が得られたので、その様子をお伝えしよう。

インタビュー答えていただいたのはこの5人

  • オ・ハンビョル:メイプル本部本部長
  • キム・ジュンヨップ:メイプル本部ライブ2室 ライブソリューションチーム チーム長
  • キム・ヒョンソン:メイプル本部ライブ2室 日本メイプルチーム チーム長
  • チョウ・インギョン:メイプル本部ライブ2室 日本メイプルチーム 事業パート(通訳担当)
  • クァク・キョンス:メイプル本部ライブ2室 日本メイプルチーム 企画パート長

※下部写真左より

なぜ「メイプルストーリー」に「戦国時代」というコンテンツを実装することになったのか

――本日はよろしくお願いいたします。まずは日本独自アップデート「戦国時代」の概要を教えてください。

キム・ヒョンソン氏(メイプル本部ライブ2室 日本メイプルチーム チーム長):まず、去年から日本独自のサービスとして「ファミリア」システムや「十字旅団」などを実装しているのですが、そこから日本ユーザー独自の特徴などがわかってきました。

ですので、そういったノウハウを生かして、韓国ユーザー向けとは違ったアプローチで本格的に日本ユーザー向けのコンテンツを提供していこう、というところから今回の構想は始まっています。

アメリカといえば「ゴールドラッシュ」、イギリスといえば「アーサー王の物語」のように、その国の代名詞的なイメージがありますよね。そこで、「日本独自といえばなんだろう」とチームで考えた結果、今回は戦国時代の武将や侍の要素を取り入れよう!ということになりました。

――やはり日本といえば「戦国時代」というイメージが強いのですね。ではモチーフとして「戦国時代」以外の候補などはありましたか?例えば日本独自の文化「秋葉原」などは?

キム・ヒョンソン氏:たしかに、韓国でも日本文化として新宿や渋谷、秋葉原などが有名ですし、そういった内容も候補にはありました。ただ、やはり初の日本オリジナルアップデートということで、日本の伝統的なイメージをなるべく強く押し出したかったことと、新職業などを実装する上で特色を出しやすいということで、今回は「戦国時代」を取り上げました。

もちろん、今後そういった様々な文化的な要素を入れていく可能性もありますよ!

――今回のアップデートでは、歴史上の人物に関連するキャラクターなども登場します。「戦国時代」について、開発陣の皆さんはどのように理解を深めたのでしょうか?

クァク・キョンス氏(メイプル本部ライブ2室 日本メイプルチーム 企画パート長):韓国で日本オリジナルのコンテンツを作るということで、戦国時代に関する本はけっこう読みました。その他にもドラマやアニメ、ゲームなどにも触れました。

ただ、その中でも意識したのは「戦国時代」がモチーフとはいえ、実際の戦国時代を単純に再現するのではなくて、日本ではこの時代をどのようにコンテンツ化しているのか、どのように武将などを解釈しているのか、という点でしたね。

もちろん、日本の運営チームとも綿密に意見交換を行い、現実とイメージのちょうどよいバランスを探るという点も大切にしました。

――日本の最近のコンテンツでは「戦国時代」の人物を非常にカッコよく、そして可愛らしく表現するものが多いですが、その辺でのイメージのギャップなどはありせんでしたか?

キム・ヒョンソン氏:ギャップというのは感じませんでした。韓国でも、歴史上の人物などを現代に表現する際、やはり良い意味で美化もされますし、デフォルメなどによる表現も行われますからね。

なので、コンテンツを作る側の人間としては、日本での「戦国時代」をモチーフにした作品に対して「こういうふうにおもしろく表現したか!」という目線で見ていましたね。

また、我々は「戦国時代」を単独で扱うというよりは「メイプルストーリー」の中に、どのように戦国の要素をアレンジして組み込んでいくのかが重要になるので、やはり「メイプルのイメージを壊さずに」という意味では、どのように実在の人物たちを可愛らしく、「メイプルらしく」表現するのかという部分は悩みの種でしたね。

――日本のユーザーは、ゲームシステムだけではなくストーリーも非常に重要視しますよね。そういった部分で特に気にした部分などはありますか?

クァク・キョンス氏:今回「戦国時代」で描かれる物語は、実際の戦国時代というわけではありません。あくまで戦国時代をモチーフに、別角度からの視点や要素を取り入れています。だから、歴史を知っている方は「あれ、このお話どこかで聞いたことあるぞ」というような感じ方になると思います。

その中で、どうしたら「メイプル」ワールドでおもしろくキャラクター性を出していけるかという部分は、かなり気にしたポイントですね。

そういった意味でも、歴史上の人物は登場しますけども、プレイヤーキャラクターとなる新職業は実在しない人物にして、よりプレイヤーが感情移入しやすい状況を作成できたと考えています。

また、「織田信長」が魔王だったら、上杉謙信が女性だったら、などのように、様々なifの要素を取り入れて、知っている人でもちょっと違った戦国時代を楽しめるような作りを心がけています。

剣豪&陰陽師、2つの新職業が新たな戦闘スタイルを確立する

――今回のアップデートで剣豪「ハヤト」と陰陽師「カンナ」という、2種類の新職業が実装されます。キャラクタースロットももちろん増えますよね?

キム・ヒョンソン氏:はい。プレイヤーの皆さんにはぜひ新職業で楽しんでいただきたいので、これまでのキャラクターへの影響がないように、キャラクタースロットは増やす予定です。

――剣豪「ハヤト」はどういった特徴の職業でしょう?

クァク・キョンス氏:これまでの職業で言うと、戦士に近い特性を持っています。ただ、これまでの戦士は「体力が高くて攻撃力も高く、そして防御力も優れている」というのが特徴だったのですが、剣豪「ハヤト」は戦士でありながらも、速い。それが一番のポイントですね。

とにかく移動や動きが素早く、そして豪快な攻撃を繰り出せるという、非常に敵を倒すことに特化した職業だと思います。敵の攻撃の回避にも長けていて、カウンター攻撃も可能です。

その他には、武器が刀ということで「抜刀術」を織り交ぜた戦闘スタイルが可能です。抜刀を行うことで「攻撃速度」のブースター効果や追加クリティカル確率上昇、スタン効果適用など、かなり強力な戦い方ができるでしょう。

――お話を聞いていると剣豪はかなり強めのオールラウンダーという感じですが、ゲームバランス的には大丈夫なのでしょうか?

キム・ヒョンソン氏:たしかに、特徴だけを聞くと非常に強いキャラクターに思えますね。ただ、剣豪は攻撃やスキルの範囲も広く、敵を殲滅するのには非常に適していますが、防御力や体力は少々低いので、しっかりと敵の攻撃を回避していかなければならないでしょう。

スキル:五月雨刃
スキル:一閃 スキル:神速無双
スキル:昇竜旋 スキル:旋風斬
スキル:飛燕

――では、もう1つの新職業、陰陽師「神那(カンナ)」の特徴も教えてください。

キム・ヒョンソン氏:陰陽師といえば、日本では歴史上の有名な職業でもあり、様々な伝説やお話がありますよね。陰陽師は剣士や侍などの実在の職業とは別視点から、日本独特のイメージを出そうと思った職業です。

本来、陰陽師は妖怪やもののけを退治するのが役割となります。ですが今回は、1つの違った解釈として、妖怪などを操り、それらを使って攻撃を繰り出すという特徴をもった職業としています。既存の職業ですと、魔法使いタイプですね。

ただ、魔法使いはMPを使って攻撃を行うのですが、陰陽師は独自のパラメーター「霊力」を用いて、様々な攻撃を行います。

また、これまでの魔法使いというのは若干ですがユーザーの皆さんから不満の声がありました。パーティプレイで活躍しづらい、ボス戦で弱さが出てしまうというのが主な理由です。ですので、陰陽師は1つのコンセプトとして「ボス戦に特化した職業」を意識して作りました。

スキル:紫扇白狐
スキル:鬼人召喚 スキル:狛狛桜

――「ボス戦に特化した」とありましたが、具体的には?

クァク・キョンス氏:これまでの魔法使いというのは、広範囲にダメージを与えられるような魔法や攻撃方法が数多くありました。もちろんこれ自体は他の職業にはない特徴で通常の敵に対しては有効なのですが、やはり強力なボス戦となると、どうしても攻撃力不足であったり、一極集中のスキルが不足していたりということが挙げられます。

しかし、陰陽師は1体の敵に絶大なダメージを与えるようなスキルを数多く覚えたり、あとはダメージを軽減させるバフや仲間の攻撃力を高めるバフをかけたりと、まさにボス特化型職業になっています。

――ところで、なぜMPではなくあえて「霊力」というパラメーターを使用したのでしょう?

キム・ヒョンソン氏:日本独自の世界観を作る上で、そういった細かい部分にもこだわりたかったというのが大きな理由になります。陰陽師という存在が、「メイプルストーリー」とは違う世界からやってきたということをユーザーによりハッキリと認識してもらうためでもありますね。

ちなみに、MPの回復はアイテムに頼る部分が多かったのですが、霊力はその職業が持つ特有のチカラとして、使用しても自然に回復していくという特徴があります。

――では、陰陽師にがMPを使うような場面はあるのでしょうか?

キム・ヒョンソン氏:いえ、ありません。陰陽師のいる世界にはMPという概念がないため、彼女たちはあくまで「霊力」によって様々なアクションを起こします。

スキル:妖絵巻
スキル:退魔流星符 スキル:反射符

新規AOSコンテンツに「名声度システム」そして「アルバイト」や「キャラ札」など、日本独自コンテンツは見所満載!

――今回のアップデートでは、AOS(※)ジャンルの新規コンテンツとして「戦国大合戦」も実装されます。これはどういったコンテンツになるのでしょう?

キム・ヒョンソン氏:「戦国大合戦」はAOSということで、これまでの「メイプルストーリー」とは全く違ったゲーム性となります。仲間と協力することもできますが、味方AIを引き連れて、ミッションをこなしていくことがメインとなります。

もちろん今回は日本独自の内容なので、コンテンツタイトルも「戦国大合戦」にし、さらに様々な日本的な要素も入れ込んでいるので、そちらにも注目してみてください。

※AOSとは「スタークラフト」のカスタムマップ「Aeon Of Strife」の頭文字の略称で、「Aeon Of Strife」に類似したジャンルのゲームを通称する言葉。ロールプレイングゲームとリアルタイムストラテジーが複合的に混ざり合ったジャンルで、韓国で非常に高い人気を博している。

――では、その他の日本独自のコンテンツについて教えてください。

キム・ヒョンソン氏:まず1つに「名声度システム」があります。これは、「戦国時代」に合わせてたコンテンツなんです。今回のアップデートでは日本でも人気の「武田家」でしたりとか「毛利家」「上杉家」なども登場します。

そして、プレイヤーはそれぞれの家紋の下にクエストを受け、それらをクリアしたり、あとは特定のボスを討伐することで名声を獲得し、それによって等級が上がっていきます。

等級を上げることでしかもらえない報酬のアイテムなども登場しますので、ぜひチャレンジしてみてください。

――では、「アルバイト」や「キャラ札」はどのようなシステムでしょうか?

キム・ヒョンソン氏:「アルバイト」は、各ユーザー複数のキャラクターを育てていると思うのですが、それらの現在使用していない30レベル以上のキャラクターに特定の行動をさせることで、自動的に報酬などが得られるというシステムです。

アルバイトには「休息」「薬草採集」「採鉱」「雑貨屋」「武器・防具屋」の5種類があり、ワールドごとに最大3人のキャラクターに違うアルバイトを設定することができるので、今は使わないなというキャラクターには、どんどんアルバイトをさせるといいかもしれませんね。

あ、ただしアルバイト中のキャラクターで通常のプレイをするためには、アルバイトを中止しなければいけませんので、計画的に行なってくださいね。(もちろん、中止させた時点までの報酬はもらえますよ!)

あとは、「キャラ札」システムですね。まず、このシステムの導入によりキャラクターレベルが30になり、2次転職を完了すると、そのキャラクターのキャラ札が1枚獲得できます。そして、独自のカードデッキにキャラ札をセットすることでプレイ時に使用しているキャラクターに、自動で様々なバフ効果が付与され、3枚のキャラ札をセットすることで、さらに有効な効果が得られるというものですね。

キャラ札はキャラクターの成長に伴いランクアップし、高ランクの札同士でデッキを組むとよりよいバフ効果が得られるので、キャラクターをしっかりと成長させて上げてください。

――なるほど。どれも今までのプレイスタイルの幅を、さらに広げるようなコンテンツばかりにですね。特に使用していなキャラクターを有効に活用できるのは、ユーザーの皆さんにとっても利点が大きいように感じました。それでは、最後にユーザーの皆さんにコメントをお願いします。

オ・ハンビョル(メイプル本部本部長):では、最後に私からコメントさせていただきますね。

「メイプルストーリー」は、2003年12月の正式サービスから8年を過ぎ、今年で9年目のサービスとなります。そして、今回の日本独自となるアップデート「戦国時代」は、我々が作った「メイプルストーリー」を本当に長い間愛してくださった日本のユーザーの皆さんに対する感謝の気持ちの1つの現れなんです。

もちろん、これで終わりというわけではなく、今後も日本のユーザーの皆さんが「メイプルストーリー」を愛してくれる限り、その気持ちに答えられるように新しい独自コンテンツを考えていきますし、本当にここからが始まりだと思っています。

今後も末永く、「メイプルストーリー」を愛して、そして楽しんでください。

――ありがとうございました。

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