「マビノギ」本来の楽しさを感じてもらいたい―大型アップデート「ジェネシス」実装に合わせ開発チームにインタビュー

ネクソンは、同社が運営している「マビノギ」について、大型アップデート「ジェネシス」を5月24日、6月14日の2回に渡って実装する。今回、その内容について開発チームならびに運用チームに話を伺った。

(左から)シム・ギュヨン氏、ファン・ソニョン氏、<br />
チェ・ソンウク氏
(左から)シム・ギュヨン氏、ファン・ソニョン氏、
チェ・ソンウク氏

大型アップデート「ジェネシス」の内容を紹介してくれたのは、マビノギ室 室長のファン・ソニョン氏、同マビノギファン(FUN)チーム チーム長のチェ・ソンウク氏、同マビノギファン(FUN)チーム 事業パートのシム・ギュヨン氏の3人。

初心者だけでなく、既存ユーザーもより「マビノギ」を楽しめるようになるという「ジェネシス」のポイントだけでなく、今後の展開についても語ってくれた。

――まず、今回実装される大型アップデート「ジェネシス」の内容をお聞かせください。

ファン氏:チャプター4まで終了したところで、今まで長い間サービスを行なってきた中で増えてきた「マビノギ」の多様なコンテンツが整理できていないのではないかと感じていました。

そして、今までを振り返った上で、「マビノギ」の根本となるものをまた新しく作りなおそうということで「ジェネシス」というアップデートを準備することになりました。

今回のアップデートでは、新規プレイヤー、既存プレイヤーともに楽しめるような内容となっておりまして、大きく分けまして2つの要素が実装されます。

ひとつは、新しい将来希望の「吟遊詩人」となります。吟遊詩人は、昔からプレイヤーさんの要望が高かった将来希望で、そもそも「マビノギ」が“吟遊詩人の歌”という意味であることからも、「マビノギ」そのものを表現する将来希望になっていると思います。

もうひとつの「新女神降臨」は、以前から存在していたChapter1「女神降臨」のリニューアルとなります。「マビノギ」の歴史の始まりとなる内容を、少し現代風にアレンジしたことから頭に“新”という言葉をつけています。

既存プレイヤーさんは吟遊詩人を通じて新しい面白さを追求できると思いますし、新女神降臨についても昔の思い出に浸れると思います。また、新規プレイヤーさんには、新女神降臨の内容を通じて、マビノギのストーリー、ゲーム内容について理解いただければと思っています。そういったところで新規、既存両方のプレイヤーが楽しめるアップデートになっていると思います。

――吟遊詩人は、補助的な役割を担う将来希望となっていると思うのですが、特徴的なスキルなどあればお聞かせください。

ファン氏:吟遊詩人の戦闘のスキルは、物理的な攻撃ではなく楽器の演奏による攻撃となっています。攻撃スキルとしては「メロディーショック」というスキルがありまして、これは楽器を振り回すとそこから音符が飛び出してそれがモンスターにダメージを与えます。

このスキルは、複数のモンスターを攻撃でき、さらに継続的に毒のダメージを与えることもできますので、かなり強力なスキルになっています。さらに、このスキルには効果音が用意されていまして、複数の敵を攻撃するとそれぞれ違った音が鳴るようになっているなど、攻撃自体が楽器演奏をするような感じになっています。

それ以外はほとんど、味方のステータスをアップさせたり、敵を妨害するスキルとなっています。例えば、「子守唄」というスキルは、周りの敵モンスターを眠らせる効果がありますし、そのほかにも移動速度が上がったり、攻撃力が上がったりといろいろなスキルがあります。

韓国では、吟遊詩人が子守唄を演奏して敵を眠らして、そこからパーティでいろいろな戦略を立てて攻撃をするという戦い方がよく使われています。

吟遊詩人スキル

メロディーショック

楽器を使って攻撃する

戦場の序曲

戦闘時にダメージやクリティカルがあがる

子守唄

相手を眠らせる効果がある

ヴィヴァーチェ

錬金術師の準備速度や弓使いの反射速度に効果がある

忍耐の歌

防御や保護があがり、味方のマナなどの回復速度があがる

豊作の歌

採集の効率があがる

行進曲

移動速度の増加効果がある

――今お話いただきました楽器の効果音というのは、装備している楽器ごとに変わってくるのでしょうか?

シム氏:現在、2種類の楽器が実装されていまして、それぞれが全て独特の音を持っています。

――では、今後も追加していくということですか?

シム氏:そうですね。今後もいろいろと追加していきますし、出るたびに効果音は変えていくつもりです。

――吟遊詩人は、初心者でも遊べる将来希望となっているのでしょうか?

ファン氏:「メロディーショック」があまりコントロールする必要がないにも関わらず、強力な攻撃ができるようになっていますので、初心者のプレイヤーさんも使いやすいと思っています。また、ステータスを上げるスキルが多いことからパーティに欠かせないポジションとなりますので、パーティの一員になりやすいと思います。

――韓国では実装の際、新規プレイヤー・既存プレイヤーともに吟遊詩人で遊んでいましたか?

ファン氏:楽器の演奏というのがほかのゲームではなかなか見られないものなので、「これは面白そう」ということで「マビノギ」を始めたばかりのプレイヤーさんに一番多く選んでいただいています。

既存プレイヤーさんにとってもパーティプレイにおいては無くてはならない存在なので、練習してみようという方がいらっしゃって、韓国で一番多く集まる村では一時期、吟遊詩人ばかりが集まって、みなさん楽器の演奏などをされていました。

――同時に戦闘システムを改変されるということですが、初心者にとってはどのあたりがプレイしやすくなっているのでしょうか?

ファン氏:今まで「マビノギ」では、スキル発動までにボタンを2回押さなければいけなかったのですが、これが戦闘のテンポを遅くしていましたし、相手に叩かれるとわかっていてもスキルの準備中であるため、何もできないという場合が多く、スピーディな戦闘が出来ませんでした。

こういう部分が新たに「マビノギ」を始めるプレイヤーにとっては敷居の高い部分だったのではないかと思いまして、この準備時間を無くして、逆にスキル発動後のクールタイムを設けるようにしました。この結果、前よりはスピーディで戦略的な戦闘が楽しめるようになったと思います。

――逆に、既存プレイヤーに向けた変更点はあるのでしょうか?

ファン氏:既存プレイヤーさん向けというわけではないのですが、もうひとつ変更したのは、反撃を可能にしたことです。

今までは敵に叩かれて硬直した時などは、自分が死んでいくのがわかっているのに何もできずにそれをずっと見守っているしかないという、反撃したくても反撃できない仕様になっていました。

今回は、硬直した時にディフェンスやカウンターアタックを使えるようになりました。その結果、自分のスキルを組み合わせて、クールタイムを踏まえた配分にすればいろいろ反撃ができて、あまり死なずに戦闘ができるようになりました。

また、クールタイムを入れたもうひとつの目的として、今までは戦闘時、ひとつのスキルを繰り返し使うという単純なパターンの戦い方しかプレイヤーさん々がしていなかったんですが、クールタイムを入れて硬直の際にカウンターやディフェンスを使えるようにしたことで、自分でいろいろなスキルを組み合わせる戦略性が加わったと思います。

これは開発として意図していたことでして、これからはスピーディで戦略的な戦闘が可能になると思っています。

――続いて、「女神降臨」のリニューアルについてお聞かせいただけますでしょうか?

チェ氏:Chapter1は、「マビノギ」のサービス開始時から入っているコンテンツで、当時はこれをクリアすると「マビノギ」のストーリーを全部クリアしたということになっていたので、コンテンツの消化速度を調整するために難易度を高めに設定していました。

その中には、パーティプレイを強いられる場面もありましたし、現実時間で一日待たなければ次へ進めなかったり、移動が複雑になっていたりしました。

今回、移動を考えてあまり遠回りにならないように調整していますし、パーティではなく、ソロでプレイできるようになっていたり、クエスト待機時間を大幅に減少しています。

加えて、みなさんに楽しんでいただくためにChapter1以降で登場したエルフやジャイアントについても、Chapter1内でプレイできるようにしました。

――ストーリーの変更ではなく、仕様の面でよりプレイしやすいかたちに改変したということですね。

チェ氏:ストーリーはプレイヤーさんに評判ですので、ほとんど変えていないです。エルフやジャイアントがプレイ可能になることに合わせて、自然な流れでChapter1を始められるよう、つなぎのところで新しく作った部分はありますが、全体的な内容は変わってはいません。

――以前プレイしていたプレイヤーにとって、このリニューアルで楽しめる要素はあるのでしょうか?

チェ氏:すでにクリアしたプレイヤーさんも自身の選択によってプレイできますが、韓国では多くさんがプレイしてくださっています。

これが最初のストーリーだったので、忘れられている方もいますし、新たに追加されたエルフやジャイアントのストーリー部分が気になってプレイしてくださる方もいます。加えて、今回のリニューアルに合わせて装備、APといった新しい報酬なども実装されていますので、報酬を手に入れるために遊ばれる方も多いので、既存のプレイヤーさんでも遊んで損することはないと思います。

――実際、韓国では多くさんが遊ばれているのでしょうか?

シム氏:私たちの予想以上に既存のプレイヤーさんがプレイしてくれています。

――「ジェネシス」以降のアップデートについて、現在予定しているものはありますか?

ファン氏:Chapter1をリニューアルしたということで、当然ながらほかのChapterのリニューアルも予定しています。現在予定しているのはChapter3、4です。全体的なストーリーを整備することで、みなさんに「マビノギ」のストーリーを楽しんでいただきたいと思っています。

また、UIのリニューアルも予定しています。現在のUIではやや古く見えますし、わかりづらいところもあるので、最新のタッチでわかりやすく改変していきたいと思っています。

また、今回行われた戦闘システムの改変と同様、「マビノギ」特有のあるシステムも変更予定です。こちらの詳細はまだ言えませんが、近くお見せしたいと思っています。

――そのほか、今年中に動きそうなアップデートなどはありますか?

ファン氏:今までお話ししたのは、比較的早い時期にアップデートされる内容でして、こういったアップデートが行われてストーリーやシステムが整備されたタイミングで、みなさんがご期待しているChapter5や新しいストーリーが展開するメインストリームを追加しようと思っています。韓国のスケジュールでは、年内にみなさまにお届けできるよう現在開発を進めておりますので、ぜひご期待ください。

チェ氏:それと別に、日本の専用コンテンツも予定しています。いろいろな要望があるのですが、例えば「『浪漫農場』をもっとなにか出来るようにしてほしい」という意見があったので、「浪漫農場」のバージョン2といったかたちで日本プレイヤーさんのためのコンテンツを年内にはお見せできるのではないかと思います。

――最後に新たに遊ぶプレイヤー、現在遊んでいるプレイヤーそれぞれにメッセージをお願いします。

ファン氏:新たに「マビノギ」を始められる方にとっては、歴史が長い分、どんどんストーリーが進んでしまっていて、途中でどこから入っていいかわからない部分があったと思います。今回行われるジェネシスのアップデートでは、“リセット”という意味合いがありまして、女神降臨のリニューアルや吟遊詩人の実装を通じて、「マビノギ」本来の面白さをわかっていただけると信じております。「マビノギ」を始めるには、今がちょうどいい時期だと思いますので、ぜひプレイしてほしいです。

既存のプレイヤーさんは、「マビノギ」で今まで実装されてきたコンテンツがあまりに多く、むしろよくわからないという面があったと思います。開発としては、新しいものを開発するだけでなく、すでにあるコンテンツを広く知らせることが大事だと思います。

その中には、システム的に不便なところもあるかと思いますが、それらを全て含めて最大限に安定できるようにしていきたいと思いますので、これからも「マビノギ」を愛していただければと思います。

チェ氏:「マビノギ」は単に戦闘だけをするゲームではなく、生活系のスキルやいろいろなコンテンツも用意されている自由度の高いタイトルとなっているので、新しく遊ぶ方は「マビノギ」でファンタジーライフを楽しんでいただきたいと思います。

また、既存のプレイヤーさんについては一言しか言うことがないです。愛してます!これからもよろしくお願いします。

シム氏:私も吟遊詩人と新女神降臨を個人的にプレイしているのですが、本当に面白いと思います。アップデートを行って本当によかったと思いますし、今までより自分の中で愛情が注げるようになりました。みなさんも始めれば、すぐに「マビノギ」を好きになってくれると思いますので、ぜひプレイを楽しんでください。

また、先日の7周年オフラインイベントでたくさんいらしていたプレイヤーさんを見てすごく感動しました。「こんなに愛情がすごいんだ!」とすごく驚いて、韓国に戻ってからもほかのスタッフに「日本のプレイヤーさんはすごい!」と言っていました(笑)。

今年はいろいろな変化がありますが、みなさんのために頑張りますので、ぜひご期待ください。

――ありがとうございました。

また、「マビノギ」を担当するゲーム運用チームの平原亮太氏からも、今回のアップデートについてコメントを頂いたので紹介しよう。

平原亮太氏
平原亮太氏

――大型アップデート「ジェネシス」実装についてお聞かせください。

平原氏:これまで7年間サービスを続けてきたなかで、当初のニーズとしてChapter1のかたちは求められていたと思うのですが、サービスを続けていくにつれ、既存の方もいて、これから入ってくる方もいるなかで、このままではいけないという気持ちはありました。

こうしたテコ入れをしてくことによって、双方が互いに遊べるかたちになっていくのではないかと思いますので、今までやっていた人もこれから始める人も楽しんでいただければいいなと思います。

――双方のプレイヤーが一緒に楽しめるようにということでしょうか?

平原氏:Chapter1だけでなく、吟遊詩人の遊び方にしても、将来希望なので最初からスキルがもらえることもあり、新しい人が一からそのスキルを極めて既存の人の援護に回ったりもできると思いますので、新しい人もこれまでの人も一緒になって遊べるかたちは作れていくのではないかと思います。

今までは掲示板を見ていても、新規の方と既存の方とでどうしても分かれてしまう部分もあったと思いますが、プレイヤー主導は当然ながら、こちらからも一緒にプレイしやすい環境にしていくのはいいことだと思っています。

――プレイヤーの方へメッセージをお願いします。

平原氏:今年の前半はリニューアルと新しい何かを少しずつ追加していくのが主になると思いますが、そういう部分を一緒に体験しながら「マビノギ」が発展していくさまを見ていただければと思いますので、引き続きプレイしていただければと思います。

――ありがとうございました。

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